2017-11

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◆カテゴリー:熱力学雑記張
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フェルミ統計

今回はパウリの排他原理に従うフェルミ粒子(何故かパウリ粒子とは呼ばれていない理由はよく知らない)についての統計分布を導く。これはフェルミ統計(又はフェルミ・ディラック統計)と呼ばれるものである。 ここでも場の量子化について詳しくはやらないが、フェルミ粒子というのは、その生成消滅演算子が反交換関係に従うものである。つまりフェルミ粒子の生成消滅演算子の代数は

{a, a}=1 , {a, a}=0

である。しかし、このような関係式から出発するのは面倒なので、ここではフェルミ粒子の取り得るエネルギー準位の結果だけを拝借するとしよう。 つまり、ここまで書いてきた数式は一切必要ない。我々に必要な情報はフェルミ粒子のエネルギー準位が

En = hw (n-1/2)

で与えられるという事であって、その導出過程などは言ってしまえばどうでも良い事なのである。この式は通常の調和振動子の答えと殆ど同じであって、異なるのはゼロ点エネルギーがE0= -hw/2である事(つまりボーズ粒子の場合と符号が異なる)。見かけ上の違いはこれだけである。ところがもっと本質的な違いは、量子数nの取りうる値がn=0,1の二通りだけに限られるということであう。その理由はフェルミ粒子の生成消滅演算子の性質、反交換関係にある。例えばフェルミ粒子が2個存在する状態|2>を作ろうとすると

|2> = (a)2 |0 >

であるが、実はこの状態はゼロである。何故なら {a,a}=0 → aa+aa=0 → aa=0 、この関係式の複素共役をとれば

(a)2 =0

この結果はフェルミ粒子が同じ状態に2個は入れないという排他原理と対応していて、そのの数学的表現がフェルミ粒子の反交換関係なのである。

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プラク分布と3K輻射

プランク分布は、単位体積あたりのエネルギーをスペクトル分解した式である。つまり温度Tの空間に満たされる光のエネルギーは振動数の関数として次の分布に従うことを予言する。

u(ν) = [8πh/c33/(ehνk/(kT)-1)

この式は、もちろん量子論を生み出すことになったわけだが、それだけにとどまらない。話は50年ほど前のペンジアス・ウィルソンの宇宙背景輻射の発見にさかのぼる。当時ペンジアスとウィルソンは電波天文学のための高感度の電波受信のアンテナの設置をしていた。彼らはアンテナに入ってくる雑音の起源に悩まされていたのだが、この雑音が実はただの雑音ではなく、我々が温度3ケルビンの宇宙という箱に入っていることの証拠として認識された。これは、我々の宇宙が膨張しているという観測結果(ハップルの法則)と合わせるとビックバン宇宙論へと繋がる事実だというわけである。




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プランクの輻射公式

前回のボーズ分布の結果を箱の中の電磁場の問題に応用しよう。ただしここではあまり細かい導出には拘らないことにする。何故かというと、この問題を厳密に扱おうとすると電磁場の量子化について理解する必要があるが、その記事を書き始めると長くなるというのが理由である。ここでは箱の中に入った電磁場を

A(t,x) = Σk a(k) e-i w t + ikx

とフーリエ変換する。ここで角振動数w=c|k|は波数ベクトルkの関数であるが、これはマックスウェル方程式を多少いじっていると出てくるゲージ場に対する波動方程式 □A(t,x)=0 が有るからである。 ここで箱の中に入った電磁場に周期的な境界条件を課すのが標準的で、例えば波数ベクトルのx成分に関してはkx=2πnx/Lとおくことになる。さて、「電磁場の量子化とは角振動数wの調和振動子が各波数ベクトルk毎に存在する量子力学の問題である」ということを認めてしまおう。すると電磁場の持つエネルギーは

E = Σk h/(2π) wk (nk +1/2) = Σk h νk (nk +1/2)

となる。和の中に現れる第2項、hν/2はエネルギーの基準点で、真空エネルギーと呼ばれる。真空に満ちているこのエネルギーは測定不可能で、エネルギーの基準点を与えるだけであるので、物理的な結果は真空エネルギーを落とした

E = Σk h νk nk

を採用する。


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ボーズ分布

前回のボルツマン分布(補足1)を量子力学的なエネルギーの量子化と組み合わせるとボーズ分布とフェルミ分布という二つの重要な分布が得られる。ここではボーズ分布を導出する。量子力学的な調和振動子を考えよう。ハミルトニアンは

H = p2/(2m) + (m/2)w2 x2

で与えられる。このハミルトニアンを用いてシュレディンガー方程式を解くことによって離散化されたエネルギーの式

En = h w (n+1/2) = ε (n+1/2)

を得る。ここでhはプラク定数を2πで割った数とする、またε=hwは、調和振動子問題に現れるエネルギーの基本単位である。

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ボルツマン分布

熱力学でお目にかかる分布関数には幾つかあるが、先ず覚えてなければならないなのがボルツマン分布であろう。
ボルツマン分布は、系が温度Tであるときに、エネルギーEの状態のとりうる確率P(E)は

P(E) = N e-βE

で与えられるという法則である。逆温度β=1/(kBT)はよく使われる記号である(kBはボルツマン定数)。NはP(E)が確率関数としての意味を持つように規格化する定数である。
この式が意味するところは、系の温度がTと定まっている場合、系の微視的状態としてはエネルギーEが高いほど指数関数的に確率が減ってゆくということである。あまり本質的ではないが、エネルギーEに縮退がある場合はその縮退度を考慮する必要がある。

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