黒体輻射は、なぜ黒体でなければならないか
遥か昔ですが、黒体輻射のスペクトルが量子力学の発見へと繋がったという話を聞いたとき、「なぜ、黒体?」という疑問を持ったことがありました。しばらく考えて自分の中では解決したのですが、たどり着いた結論の是非を確認したことがなく、「熱力学の基礎(清水明著)」でようやく答えを確認することができました。大抵の方は知っていると思いますが、少し書いてみます。
数学で読み解く統計力学 1
最近書店で「数学で読み解く 統計力学 - 平衡状態とエルゴード仮説-」(森真著、共立出版)を見つけて勉強しています。この本なかなか面白いんですが私の頭の回転が鈍いせいでなかなか進みません。そこで自分の勉強のために、そして理解した事を忘れないために記事として書き留めておく事にしました。つまり私の勉強ノートです。今日は一章「統計力学のモデル」を簡単にまとめてみます。因みにこの本
1.統計力学のモデル
2.熱力学極限
3.変分原理、ギッブス測度、相転移
4.温度、エントロピー、圧力、化学ポテンシャル
5.統計力学の時間発展(エルゴード性)
という話題が含まれており、確率論からみた統計力学について(特にエルゴード問題に力が入っています)、数学者がまとめた本という感じです。私が知らない統計力の問題などが議論されていて非常に面白いです。通常の物理学者が書いた本だと、あまり議論されない、又は意図的に避けられている話題を(多分)しっかりと説明してくれます。
1.統計力学のモデル
2.熱力学極限
3.変分原理、ギッブス測度、相転移
4.温度、エントロピー、圧力、化学ポテンシャル
5.統計力学の時間発展(エルゴード性)
という話題が含まれており、確率論からみた統計力学について(特にエルゴード問題に力が入っています)、数学者がまとめた本という感じです。私が知らない統計力の問題などが議論されていて非常に面白いです。通常の物理学者が書いた本だと、あまり議論されない、又は意図的に避けられている話題を(多分)しっかりと説明してくれます。
エーレンフェストの壺 その1
お湯に冷水を混ぜると温度は下がる。
ドアを開け放しておくと部屋の温度は平均化される。
ガスが入った風船の口をつなぐと、気体は均一に混合された状態に落ち着く。これらは全て熱力学でいうところの平衡状態の例である。熱力学はこの平衡状態について正しい予言ができる。
ところが、熱力学は平衡状態に関する素朴な疑問、「なぜ?」については答えてくれない。何故気体は混ざるの? お湯に冷水を混ぜると何故温度は下がるの? この何故に対して統計力学は確率を持ち出して答えることになる。
ドアを開け放しておくと部屋の温度は平均化される。
ガスが入った風船の口をつなぐと、気体は均一に混合された状態に落ち着く。これらは全て熱力学でいうところの平衡状態の例である。熱力学はこの平衡状態について正しい予言ができる。
ところが、熱力学は平衡状態に関する素朴な疑問、「なぜ?」については答えてくれない。何故気体は混ざるの? お湯に冷水を混ぜると何故温度は下がるの? この何故に対して統計力学は確率を持ち出して答えることになる。
磁石とイジング模型 5(磁化の安定性)
前回は平均場近似から磁化mに対する条件,m = tanh((4m+H)/T)をHについて解いた式
H(m) = T arctanh(m) - 4 m .....(9)
から磁化がmで与えられる時の磁場Hの関係をグラフにしました。 T=3の場合のグラフを考えてみましょう。横軸はmで縦軸はHです。赤い点線はある理由から少し注意が必要で、それが今回のテーマです。
H(m) = T arctanh(m) - 4 m .....(9)
から磁化がmで与えられる時の磁場Hの関係をグラフにしました。 T=3の場合のグラフを考えてみましょう。横軸はmで縦軸はHです。赤い点線はある理由から少し注意が必要で、それが今回のテーマです。
磁石とイジング模型 4 (磁化)
2次元のイジング模型,d=2を考えるます。以下簡単のためにβ=1/T, 相互作用の強さJ=1としてあらためて平均場近似の式を書くと
m = tanh( ( 4m + H)/T ) ......(8)
となります。この式は磁場Hを外からかけてやると磁化mが現われるが、その際の磁化の満たすべき方程式です。式をHについて解いて
H = T arctanh(m)- 4 m ........(9)
と書いた場合のHとmの関係をグラフにすると下の図になります。温度を色々変えて描いてみました。縦軸がHで横軸がmです。
m = tanh( ( 4m + H)/T ) ......(8)
となります。この式は磁場Hを外からかけてやると磁化mが現われるが、その際の磁化の満たすべき方程式です。式をHについて解いて
H = T arctanh(m)- 4 m ........(9)
と書いた場合のHとmの関係をグラフにすると下の図になります。温度を色々変えて描いてみました。縦軸がHで横軸がmです。
磁石とイジング模型 3 (相転移と次元)
忙しくてなかなか更新できません。説明も中途半端になるかもしれませんが、考えた事を忘れないうちに記事にしておきます。取り合えず書いておけばあとで手直しできるだろうと気軽に考えておきます。
磁石とイジング模型 2 (平均場近似)
イジング模型は格子上のスピンを考える模型です。格子点i=0,1,2,...Nにスピンが存在しているとししてハミルトニアンを
E = - J Σ < i,j > Si Sj - H Σi Si ......(1)
とします。Si=±1は格子点iでのスピン、+1ならスピンが上向きの状態、-1なら下向きです。< i,j >は隣り合うスピンの組み合わせに関して和をとることを意味し、これを近接相互作用と呼びます。このとき、i点のスピンは隣りのj点のスピンと揃った方がエネルギーが低くその結合係数はJ>0で与えられます。またスピンは外からかかった磁場Hに平行な方がエネルギーが低いことを示すスピン磁場相互作用項 H Siも存在します。
E = - J Σ < i,j > Si Sj - H Σi Si ......(1)
とします。Si=±1は格子点iでのスピン、+1ならスピンが上向きの状態、-1なら下向きです。< i,j >は隣り合うスピンの組み合わせに関して和をとることを意味し、これを近接相互作用と呼びます。このとき、i点のスピンは隣りのj点のスピンと揃った方がエネルギーが低くその結合係数はJ>0で与えられます。またスピンは外からかかった磁場Hに平行な方がエネルギーが低いことを示すスピン磁場相互作用項 H Siも存在します。
磁石とイジング模型 1(イントロと雑談)
磁石って不思議な物質だ、そう思ったことはないだろうか。何故磁石はくっつくのか? 何故磁石はあるのか? 素朴にしてなかなか奥が深い。磁石の物理は統計力学、又は固体物理の分野であり、磁石物質の中で何が起こっているのか大まかには理解されている。しかしその理論計算となればとても複雑であろう事は容易に想像がつく。実のところ私も専門的なところは良く知らない。ということで専門的な話は書きません。どちらかと言えば私が興味があるのは原理的な話で、「なぜ磁石があるの?」「どうして磁石になる物質とならない物質があるの?」などの疑問である。そこで磁石のモデルとして有名なイジングモデルについて解説したい。非常に単純なモデルなのだが、数理物理学が好きな人ならかなりはまってしまうネタである。一見簡単そうで、これがなかなか手強い。そういった問題が一番面白い。(数学のフェルマーの定理もそんな感じありますよね)
これは簡単な話ではないが、かと言ってそんなに難しい話でもない。何故なら世の中には頭のいい人がいて、こういったモデルの厳密解や巧い近似方法を開発していたりする。だから専門書や論文などを読めば色々と楽しい話が分りやすく解説されているのだ。イジング模型は実際に計算ができるという面でも非常に面白い。計算できるという事は人スッキリさせてくれる。また物理学科の授業では相転移のイメージをつかむ為によく引き合いに出される非常に教育的なモデルでもある。これはイジングが教育者であった事と関係している(と思うのは考えすぎだ)。
イントロを書いていたら疲れたので今晩はこれでおしまい。次回イジング模型を使った平均場近似と磁化の話。
これは簡単な話ではないが、かと言ってそんなに難しい話でもない。何故なら世の中には頭のいい人がいて、こういったモデルの厳密解や巧い近似方法を開発していたりする。だから専門書や論文などを読めば色々と楽しい話が分りやすく解説されているのだ。イジング模型は実際に計算ができるという面でも非常に面白い。計算できるという事は人スッキリさせてくれる。また物理学科の授業では相転移のイメージをつかむ為によく引き合いに出される非常に教育的なモデルでもある。これはイジングが教育者であった事と関係している(と思うのは考えすぎだ)。
イントロを書いていたら疲れたので今晩はこれでおしまい。次回イジング模型を使った平均場近似と磁化の話。
