2017-07

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≪ 24時間中毒 ALL ブロッホの定理 その2 ≫

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古典力学 2 (慣性の法則前編)

ニュートンの運動の第一法則は慣性の法則と呼ばれることもある。運動の三法則のうち、慣性の法則が最初に挙げられたのは何故だろうか?運動というものに関してニュートンほど深く考察した人はいないであろうから、意味もなくこの法則を最初においたとは考えられない。「プリンキピア」が出版された時代には科学的な考え方というものはまだ発達しておらず、人々は運動に関してあらゆる誤解をしていた。それも仕方ない、300年も前には高速車もなければ、時間を計るストップウォッチもない。日常経験できる運動は非常に限られていたため、物体の運動というものを調べることができなかったのだ。

例えば、当時の人々の運動に対する考えは図のようであった。走る自動車から石をゆっくり落とすと、石は落下地点から真下の地面に落ちるだろうと思っていた。現代ではこのような実験は誰でもできるのでこの考えの間違いに気づくだろう。
koten_riki_01_a.gif




正しい落下運動は下の図のようになる。
koten_riki_01_b.gif

新幹線は時速200km/時で走る事ができる。のぞみ号の中で一杯の熱いコーヒーを購入時にカップを落としてしまったら貴方の靴の上にコーヒーはこぼれるであろう。ニュートン時代の人々の考えでは熱いコーヒーは時速200km/時で車両の後方へ飛び散るようにこぼれる。それでは他のお客さんの迷惑になるであろうからコーヒーの移動販売サービスなどは禁止されたことだろう。現代の我々からすれば日常経験から慣れ親しんでいる物体の運動も、当時の人々には想像もできない不思議なものであったわけだ。



そこでニュートンは考えた、力学を論じるためには先ずこの誤解をといて、運動に関する正しい認識を持たねばならない。そして物体の運動に関する新しい考えを慣性の法則とした述べた。




慣性の法則: 力が働かない限り物体は等速直線運動をつづける。


この法則の言うことは実に奥が深くそしてこの法則を全ての法則の前に据えたのは非常に意味があることだったわけだ。ここで「等速直線運動とは速さが一定で、その方向は直線にそった運動(速さ=ゼロも含む)のことである。」 物理用語というものは一つ一つ深く考えて定義されているのでその意味を正確に認識し覚えよう。等速直線運動について理解したならば、慣性の法則は次のように言換えてもよいだろう。




物体は力が働かない限り、止まったものは止まったままであり、動いているものはその速さのまま真っ直ぐ進む。


ニュートン当時の人々の勘違いは、力が働いていないと物体は止まると思い込んでいたことだ。当時は摩擦力に気がつかなかったため、物体の速さが遅くなるのは運動そのものの性質だと思われていた。



さてこれで慣性の法則について簡単に説明したし、その重要性もなんとなく分ってもらえたのではないかと思う。つまりは慣性の法則とは、振り上げた拳は力を加えない限り振り下ろされる運命にあるということだ。また何かを始めてだらだらと続ける事を冗談で慣性の法則というのは的を得ていると思われるが、それは「惰性の法則」と呼ばれる方が適しているかもしれない。

次回は運動の第一法則のもう一つの意味を説明したいと思う。

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一言でもコメントをもらえると、説明がちゃんと伝わったか、またはまだまだ改善の余地が多いのか、そういった判断材料になります。有難うございました。

分かりやすいです。
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