2017-03

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≪ 運動について その1(速さとは) ALL 質量と重さ ≫

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運動について 2 (位置と速度)

前回速さというものを定義した。もっと詳しくいうと瞬間の速さの定義を述べた。それは次のような数学で言うところの微分であった。




   v(t)=LimΔt→0Δx/Δt = dx(t)/dt   

速さという物理用語は小学校で習うが、微小変化の極限とか微分などという数学をしらないから、小学校で習ったのは平均の速さだった。




   v平均(t) = Δx/Δt   

ある(有限の)時間に遠くまでいける人ほど足が速い。平均の速さという概念は日常生活で体験する速さそのものであるので分りやすく小学生でも確かに理解している。また子供達は持久走と短距離走では速い人が違うという事も理解している。たぶん瞬間の速さという概念もある程度は認識しているのではないだろうか、ただ微小時間で微小距離移動したという極限操作の概念は少し高度であるから正確な定義は高校物理で習うことになる。



私は小学校の頃「速さ=距離/時間だ」の公式を暗記していた。つまり平均の速さの公式を知っていたわけだ。そしてもう一つ私が知っていたのは 移動距離=速さ×時間




   Δx = v平均×Δt   


という関係式だ。何の事は無い、平均の速さの定義式を変形をしていただけだ。 それでは瞬間の速さから位置を求める公式はどうすれば良いのだろうか?これは微分の反対の積分と言うものになる。これを詳しく説明すると積分学の教科書みたいになってしまうのでここではやらない。瞬間の速さの定義式から

  dx = v(t) dt   

という式が導けるだろう。この式を使うと積分公式

  ∫dx =∫v(t) dt   

が出てくる。左辺は数1をxについての積分だから答えは ∫dx= x |x=出発点~終点である。この式に積分範囲の値を代入するわけだ。ここでは時刻0~tまで積分しよう、位置にするとx(t) ~ x(0)を代入すればよい。




   x(t)-x(0) =∫v(t) dt   (0~tまでの積分)   

これが求める公式だ。位置は速さを時間に関して積分してものである。
瞬間の速さが一定の場合は   x(t)-x(0) =∫v(t) dt = v∫dt= v×t     となるので「位置は速さ×時間」という小学校で習った式だ。



ところで時間を短くとれば瞬間の速さと平均の速さはほぼ等しくなるという事は前回説明した。それならば時間間隔を短くさえとればわざわざ瞬間の速さを定義しなくても物体の運動を記述する事はできるわけだ。ただどれだけ時間を短く取れば良いかというのは時と場合による。移動が速い物体は時間間隔を細かく取らないと正確な記述ができないし、足の遅いカタツムリなら時間間隔を1秒程度にとればその運動は十分正確に記述できるであろう。ただ時間間隔をいちいち指定するのは面倒だ。「思い切ってどんな小さな数よりも小さい時間間隔を取っておけば問題ないだろ!」というのが瞬間の速さを定義した理由だ。つまる所、平均の速さを使っても十分正確に運動を調べる事ができる。ただ時間間隔を問題に応じて小さくする必要があるだけなのだ。

それならば、速さが分った時に位置を求める公式「位置=速さ×時間」が時間間隔を短く取った時に運動の状況を正しく記述するか実際に試してみよう。速さが v(t)= tで与えられる運動を調べてみよう。先ず積分を使った計算をやってみよう。

   x(t) - x(0) = ∫v(t)dt = ∫tdt = t2/2    (0~tまでの積分)

これが求めていた各時刻での位置を与える式だ。

次に時間をn個の微小区間Δt=t/nに分割して計算する方法では

x(t)-x(0)=Δx1 + Δx2 + Δx3 + + Δx4…+Δxn-1+Δxn

である。時間をn分割したので最初のステップからn番目のステップまでいの移動距離を足す必要がある。Δxkはk番目のステップ、時刻kΔtからkΔt+Δtの間に進んだ距離である。さて「各微小時間に進んだ距離は平均の速度かける時間」である、よってΔxk = vkΔtだけ移動する。ここで時刻がkΔt~(1+k)Δtでの速さvkは、与えられた式v=tに時刻t=kΔtを入れることによってv(t) = kΔt と求まる。すると

x(t)-x(0)
= v(0)Δt + v(Δt)Δt + v(2Δt)Δt + v(3Δt)Δt + …v((n-1)Δt)Δt
= 0*Δt + Δt*Δt + 2Δt*Δt + 3Δt*Δt + …(n-1)Δt*Δt
= [0+1+2+3+・・・・(n-1)]Δt2
= [n(n-1)/2]Δt2
= [n(n-1)/2](t/n)2
= (1/2)(1-1/n)t2
= t2/2-t2/(2n)

が時刻tでの位置を与える答えだ。積分を使った計算とt2/(2n)だけ答えが違う。しかし時間を細かくとれば、つまり分割数nが十分大きい場合この項は非常に小さい。 これは時間を無限に細かく区切って計算すれば非常に正確な運動の記述ができるということだ。つまりn→∞の極限では積分を使った計算と一致する。



ここでやった事は積分の説明そのものだ。つまり数学で微分積分を知っている人にとっては、「何をいまさら説明してるんだ」と思われても仕方ない。一見無駄に思われることに時間をかけて記事にしたのには実は理由がある。微分積分を知らない人のための導入ではない。理由は、



   「結局のところ運動は時間を細かく区切って記述することができる」  

という事を言いたかったのだ。それさえ知っていれば後々ニュートンの運動方程式を解く際に非常に便利だからだ。そういう私の意図もあとあとの記事になればわかってもらえると思う。退屈をさせた読書のみなさん、すみません。後でここの解説の意味を納得してもらえるように頑張ります。


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