2017-10

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≪ 運動について 3 (2次元の回転運動) ALL Dirac磁荷 ≫

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運動と微分方程式

ニュートン力学では運動の規則はすべて微積分の言葉を使って書かれている。そこで少しばかり運動と微分方程式のことについて書いておこうと思う。我々が物体の運動を調べるとき、最終的な目標は各時刻での位置を知ることである。つまり時間の関数としての位置x(t)が分れば運動を理解したことになる。なぜなら位置を微分すれば速度v(t)=dx/dt、二階微分すれば加速度a(t)=d2x/dt2だ。位置が分れば答えが分ったと言って良いだろう。 それでは逆に時間の関数としての加速度a(t)が分った時に位置を知ることができるだろう。加速度は位置の二階微分だが、速度で考えれば一回微分だ。

dv(t)/dt = a(t)

いきなり二階微分方程式を考えるよりも速度を使って一階微分方程式にする方が便利だ。この方程式の答えは微分積分の知識を使えば簡単にでる。ここでは微分の定義にもどって



       [v(t) - v(t-Δt)]/Δt = a(t)      


と微小極限を取る前の式からスタートする。面倒な極限操作などを書くのを省略したが、いずれΔtが小さいという極限を取る必要があることを忘れてはならない。今a(t)が与えられているとして任意の時刻でのv(t)を求めようとしているわけだ。そこで時間をt/n = Δtとn個の微小区間に分割する。そして上の式でt=Δt, 2Δt, 3Δt, 4Δt, 5Δt,…,nΔtと代入して少しずつ時間をずらした微分方程式を用意する。

v(1Δt) - v(0Δt)  =  a(1Δt) Δt
v(2Δt) - v(1Δt)  =  a(2Δt) Δt
v(3Δt) - v(2Δt)  =  a(3Δt) Δt
v(4Δt) - v(3Δt)  =  a(4Δt) Δt
・・・
・・・
v(nΔt) - v((n-1)Δt) = a(nΔt) Δt

これらの式を足すと、左辺では殆どの項が相殺して残るのはv(nΔt)v(0)だけだ。もともと時間tをn分割したのでnΔt = tの関係式がある事を使い整理すると

v(t) = v(0) + ∑i=0~n a(iΔt)Δt    (Δt = t/n)

つまり時刻における速さが加速度のa(t)から求まったことになる。注意として、もともとはΔtを微小極限を取る約束であったからこの式はΔtが小さい極限を取らないと多少の誤差を生ずる。そういうことを気にする人はΔtの微小極限をとり和を積分で書けばよい。その場合二項目の和はa(t)が時間軸と囲む領域の面積であり積分で書ける。

v(t) = v(0) + ∫a(t)dt    (積分は時刻0~tまで)

どちらの式を使うにせよ内容は同じだ。



      初速度v(0)が与えると任意の時刻の速度v(t) は加速度の関数として求まる。      
     v(t) = v(0) + ∫a(t)dt    (積分は時刻0~tまで)


微分方程式の意味を調べたり数値計算をする場合には微小極限をとる前の式が便利だ。




    v(t) = v(0) + ∑i=0~n a(iΔt)Δt    (Δt = t/n)     





上の解法は前回「運動にてついて 2」でやった速度から位置を求める方法と全く同じである。速度と位置の関係、加速度と速度の関係は

v(t) = dx/dt
a(t) = dv/dt

なのだから速度の式で v→a, x→vと置き換えてやれば数学的には全く同じものだ。つまり物理的な意味は異なっていても一回微分方程式という意味で対応した表式がでてくるのは当然だ。前回の結果、速度から位置を求める式を再度しめす。



      最初の位置x(0)が与えると任意の時刻でのx(t) は速度の関数として求まる。      
     x(t) = x(0) + ∫v(t)dt    (積分は時刻0~tまで)


この式の速度に上で求めた表式を代入すれば



      最初の位置と速度x(0), v(0)が与えると任意の時刻でのx(t) は加速度の関数として求まる。      
     x(t) = x(0) + ∫[v(0)+∫a(s)ds]dt
     = x(0)+v(0)t+∫[∫ta(s)ds]dt    (積分は時刻0~tまで)


大事なことなので繰り返し書くが初期条件x(0),v(0)を与えると位置は加速度の関数として一意的に決まる。 つまり微分方程式を使った運動の記述では最初の条件さえ与えてやればその後の運動は全て決まっている(各時刻での加速度は知っているとする、ニュートン力学では加速度は力が与えられると決まる)。これを決定論的な理論という。野球のピッチャーが投げた球も、人工衛星から発射したミサイルも、最初の条件さえ決めてやればその後のどういう運動をするのかは決まってしまうということだ。このことはニュートン力学がもつ重要な性質だ。最初に神様が初期条件を決めたとすれば、天体の運動などはその時点で全て決まっているということだ。惑星が衝突して消滅しても宇宙のかなた遠くに飛んで行ったとしても全てはあらかじめ分っていたことだ。驚くことはない、全ては分っていたことなのだ。

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