2017-08

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≪ 質量と重さ ALL 運動と微分方程式 ≫

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運動について 3 (2次元の回転運動)

回転運動は色々な運動の中でも特別面白いし日常生活で目にする機会も多い。また機械のあらゆる部分で回転に関係した物理の理解は重要だ。
回転運動を勉強していると、コリオリの力、慣性モーメント、角運動量、力のモーメントなど高校物理では習わない新しい概念がでてくるため、定義は理解したが物理的な意味が分らないという学生は多いようだ。私も実際そうであった。テストの前夜に演習問題を解いていて「そういうことか!」と分ったような気になってほっとした思い出がある。そこで数回にわたって回転運動の基礎的な事をまとめてみようと思う。

今回は極座標を使って二次元平面の運動を調べる。これはあらゆる回転運動の基礎となる。二次元の位置ベクトルrを極座標(r,θ)を用いて書くと



       r=r(cos(θ),sin(θ)) = r er     

となる。er = (cos(θ),sin(θ)) は大きさが1で動径方向を向いたベクトルだ。通常は成分をいちいち書くのが面倒なのでerを用いた表式が良く使われる。これを時間に関して微分すると速度を得る。



     v=r'(cos(θ),sin(θ)) + rθ' (-sin(θ),cos(θ)) = r' er + r θ' eθ     

時間微分をdr/dt=r', dθ/dt=θ' などで表す。eθ = (-sin(θ),cos(θ))は大きさが1で回転の方向を向いたベクトルで、これらは極座標での基本ベクトルと呼ばれる。二つの基本ベクトルは直行する、すなわち内積 er.eθ = 0 の関係がある事に注意する。

更に時間微分をとれば加速度だ。



     a = (r''- r θ'2)er + (r θ''+ 2 r' θ') eθ     

となる。長くなるので途中の式は省いたが真面目にr=r(cosθ, sinθ) を時間に関して二階微分し極座標の基本ベクトルを使って整理しただけだ。




具体例を見てみよう。先ず半径が一定の回転運動を考える。速度の式で時間微分 r' = 0 の項は消える。この場合の速度は
v = r θ' eθ
となる。半径一定の運動は円運動、その速度は常に回転角の方向だ。図にはθ(t) = t2 の運動を描いた。速度は時間と共に速くなってゆく、そしてその方向は軌道の接線だ。



加速度はどうか、r' = r'' = 0 を代入して整理すると

a = - r θ'2er + r θ'' eθ

となる。回転角方向の加速度はθ''に比例している。またr方向にも (-r θ'2)の加速度があることに注意しよう。上の図をみるとr方向の加速度がないかのような誤解をしてしまう。これは加速度が速度の変化を表すものであるのに対して、上の図は位置の変化を与えるものだからである。加速度がr方向に存在することを見るには速度ベクトルを描きその変化をみなければならない。



次に回転の角速度θ'=一定で、半径rが変化する場合を考えよう。速度はr,θ方向両方に存在する。
v = r' er + r θ' eθ
加速度は θ''= 0 を代入して
;a = (r''- r θ'2)er + 2 r' θ' eθ
となる。角速度θ'=一定であってもrが変化するためθ方向の加速度は存在する。図をみればそれが読み取れるのではないだろうか。中心に近づくにつれてθ方向の移動距離も短くなっていく、つまりθ方向の速度が変化するわけだ。

undougaku_kaiten02.gif





以上のように回転運動を極座標で見たとき、速度は視覚的に分りやすいので理解が容易だろうが、加速度の方は訓練が必要である。しかし直感的に分らないからといって力学の理解をあきらめる必要はない。上で示したような計算ができれば直感に頼ることなく正しい結果にたどりつく。直感的に分ろうと時間をかけるのも一つの方法だが、計算をしていれば慣れてゆく。これがベクトルを使った計算の利点である。やってみれば答えが出る。分ったということはまた別であるが、計算が出来るということは非常に大事なことだ。演習を何度も解いていれば自然と理解も深まると思う。

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