2017-04

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≪ 離散関数のフーリエ変換 その2 ALL Q005 log(2) = 0 ?  ≫

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一次元量子力学 井戸型ポテンシャル2

井戸型ポテンシャルによる粒子の散乱を考える。下の図のようなポテンシャル障壁に対して左から粒子を入射し、ポテンシャルの壁を越えてくる確率を計算する。
square_well_fig_02.gif

シュレディンガー方程式は


     -(d/dx)2φ=(ε-v)φ     

     ε=(2mE/h2)     v=(2mV/h2)



Eはエネルギー、Vはポテンシャルの高さで

   V(x) = V       ( -a/2 < x < a/2 )
      = 0       ( それ以外 )

入射波はφin=exp(ikx)で運動量kを持った状態を考える。壁を抜けることが出来ずに反射されてくる場合もあるだろう、反射波に対応する波動関数はφr=exp(-ikx)である。これらの考察から壁の左側での波動関数は一般に入射波と反射波の重ね合わせで書けるだろう。

φ1(x)=F exp(ikx) + R exp(-ikx)      k = √ε

x < -a/2 の領域ではポテンシャルが存在しないため自由粒子に対するエネルギーの公式 E = (hk)2/(2m)が成立する。また入射波の係数Fは入射ビームのフラックスに対応しているので、簡単のために F=1に規格化しても良い。一方ポテシャル壁の中では

φ2(x)=c1 exp(iqx) + c2 exp(-iqx)      q = √(ε - v)

となる。ポテンシャルの効果で運動量qは入射粒子と異なる値をもつ。なぜなら入射前と壁の中に入った波で保存しているのは運動量ではなくエネルギーεだからである。壁の右側では反射波は存在しないために重ね合わせは必要ない。正の運動量をもった透過波だけを考えれば十分である。

φ3(x)=T exp(ikx)

ただし全ての波が透過してくるわけではないので、透過波には係数Tをかけておく必要がある。ここでもポテシャルがゼロであるから波動関数の持つ運動量は壁を抜ける前と同じ値kを持つ。



波動関数φ(x)とその微分φ'(x)に関する連続性の条件を考えよう。

① φ1(-a/2)=φ2(-a/2)
② φ'1(-a/2)=φ'2(-a/2)
③ φ2(a/2)=φ3(a/2)
④ φ'2(a/2)=φ'3(a/2)

これら4つ条件を丁寧に計算すると4つの係数 R, T, c1, c2が決まる。(入射フラックスはF = 1と規格化した)。多少面倒だが地道に計算すると





     T = 2kq exp(ika)/[2kq cos(aq)-i(k2+q2)sin(aq)]    


     R = i (q2-k2)sin(aq)exp(-ika)/[2kq cos(aq)-i(k2+k2)sin(aq)]    




Fを残したまま計算うすると、T、Rは

|T|2 + |R|2 = |F|2

を満たすことが分る。これは入射波のフラックス強度|F|2
反射波|R|2と透過波の強度|T|2の和で書けることを意味する。量子力学の確率解釈では、入射ビーム中の電子の数はポテンシャル壁で跳ね返ってきた電子の数と透過してきた電子の数の和であることを意味している。|R/F|2を反射係数、|T/F|2を透過係数と呼ぶ。

反射係数は |R|2 = 1 - |T/F|2 なので透過係数だけ調べれば十分である。




         |T/F|2 =1/[1+(k2-q2)2/(2kq)2sin(qa)2]        

      k=√ε ,    q=√(ε - v)


この式はエネルギーがポテンシャルの高さよりも高い場合に適用できる式だ。ε < v になった場合には 

q = i√|v-ε| ≡ i |q|
とおき直してやると

|T/F|2 =1/[1+(k2+|q|2)2/(2k|q|)2sinh(|q|a)2]

となる。下にポテンシャルの高さをv=5として、エネルギーεを上げていった場合の透過係数(青)と反射係数(赤)の変化をグラフにした。
square_well_fig_04.gif

エネルギーが小さい時には殆どの場合ポテンシャルの壁を通過できずに反射されていることが分る。しかしエネルギーがポテンシャルの高さよりも小さい場合(今の例ではε<5)であっても透過係数はゼロではない。ポテンシャルの壁を通過する確率は小さいがゼロではないのだ。
量子力学では ε < v であっても粒子はポテンシャルの壁を越えることができる。このことをトンネル効果と呼ぶ。高いポテンシャルの山が存在したとしても粒子はトンネルを通過したかのように、山を越えてくるのだ。

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