2017-10

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≪ 古典力学 2 (慣性の法則前編) ALL Q007 滑車 ≫

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ブロッホの定理 その2

量子力学の授業でブロッホの定理を習ってもその応用となると演習時間にまわされたり、物性論の講義まで御預けになったりとなかなかお目にかかれない。そんな状況だと「ブロッホの定理は分った、それで何ががそんなに大事なの?」という疑問もわくだろう。そこでブロッホの定理が導く重要な結論を示して、「ブロッホの定理」のシリーズのイントロダクションとしたい。

自由粒子の持つエネルギーは運動量 p=hk と

E=(hk)2/(2m)

の関係にあった。Eをpの関数として書いてもよいが、運動量よりも波数ベクトルkを使うことが多いようなのでそれに従った。下に波数ベクトルとエネルギーの関係を描いた。


こんな図を描いたみたところで面白くもなんともないただの二次関数である。取り合えずこれが自由粒子のエネルギと波数ベクトルとの関係である。

量子力学の授業で自由粒子の次にお目にかかるのは束縛状態の計算である。調和振動子、水素原子、井戸型ポテンシャルなどの問題である。そこでは量子力学特有の現象が現れる。少しばかりの計算の後に調和振動子のエネルギー

E = hw(n+1/2)

という有名な式が導かれる。
bloch_intro_02.gif

縦軸はE=hw(n+1/2) (n=0, 1, 2, 3・・・)で表されるエネルギーの値である(横軸には意味がない)。深いことが分らないが調和振動子を解くとエネルギーは(ゼロ点エネルギーから測って)hwの整数倍しか許されないことが分る。そして「エネルギーは跳び跳びの値を取る」というキャッチフレーズが強く印象付けられる事になる。ここまでが量子力学の前期の授業でやるであろう内容だ。



 「エネルギーは跳び跳び!」 
 「エネルギーは跳び跳び!」
 「そういえば自由粒子は連続・・・」
 「それでもエネルギーは跳び跳び」
 「エネルギーは跳び跳び」

・・・・・・・・・

 「やっぱり自由粒子は連続」

と繰り返すうちに

「エネルギーは跳び跳びで連続!」

という状態は存在するのだろうかと疑問に思う人もいるだろう。例えば下の図のようなエネルギーは存在するのだろうか。実はブロッホの定理を適用するとこのようなエネルギー状態が実現する事が分る。
bloch_intro_03.gif


これを面白いと思うかどうかは個人の感性だろうが、私はこれを知った時には少しばかりショックを受けた。「エネルギーは跳び跳び」には慣れていたが、「跳び跳びで連続」に出会った時には驚きがあった。
これがブロッホの定理の物理的な結論なのだ。波動関数は周期的な部分とexp(ikx)で書けるという事からエネルギーは連続で跳び跳びだということが導かれる。

この事実を面白いと思った読者は次回の記事で会いましょう。

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