2017-06

目次

≪ ロケット方程式 ALL 「Missing 」 本多孝好短編集 ≫

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

熱力学ってそういうことなのか

ここ二月程出張が多くてブログの更新もずっとさぼっていた。帰りの電車や飛行機の中での時間を使って少しばかり、田崎晴明著の「熱力学=現代的な視点から」を読みふけっていた。一ページ一ページと著者の熱い思いが伝わってくる。学生の持つ疑問や誤解しやすい箇所を丁寧に説明しており非常に分りやすい。

しかし全てのことがすらすらと頭の中に入ってきて、一度読むだけで熱力学が完璧に理解できるわけではない。どんなに明快な本だって私は一度読んだだけでは納得しない。私の頭は泥臭く回転は鈍い。本をそっとベットの脇に伏せ、書いてあることを反芻する。導き出された結論や証明のステップを自分の言葉で繰り返してみる。そして自分の言葉で説明できるまで時間をかけて、疑問点が「あ、そういうことか!」と思えるまで考えることを楽しむ。
読みこなすためにそれなりの時間を費やした私が言うのもなんだが、この本は非常に分りやすく、そしてかなり高度なレベルまで綺麗にまとまった印象を受ける。「熱力学なんて・・・」と思っていた私が、この本を読んで少しばかり考えが変わった。だいたい通常のテキストは熱力学の数学的な説明ばかりで物理が見えてこない。しかしこの本はちがった。熱力学関数の物理的な意味を明快に説明しており、ルジャンドル変換でさえ自然に導入されている。もう熱力学を勉強する学生はルジャンドル変換の奴隷になることはないのだ。

この本の特徴は、熱とかエントロピーに直接的に迫るのではなく力学的な仕事を中心に熱力学関数が導入されることだろう。Helmholtzの自由エネルギーに始まり、内部エネルギーと、それぞれ力学的な仕事を通して定義される。その後にエントロピーが導入され、さらに熱力学関数としての自由エネルギーを詳しく説明してくれる。この本ではエントロピーは主役になれないのだ。熱力学の特徴はエントロピーにあることは承知で自由エネルギー、内部エネルギーなどを用いて理論を定式化したほうが分りやすいと主張しているのだろう。一つ一つを見れば特に新しい見方ではないのかもしれないが、一貫して力学的な側面から熱力学を構成してくれるところが非常に分り易くこれまでにない試みではないかと思う。

説明文では重要な箇所を明確にするために太字でポイントを教えてくれる。定理とその結論が分りやすくまとめてある。高度な内容が分りやすく説明されており、誤解しやすいところや著者自信の考えなどは脚注などで適宜注意がある。熱力学を真面目にやってみたい学生なら是非買うべきだと思う。私の若い頃にこんな本があったら迷わず買っていたであろうし、熱力学について違う考え方を持っていたであろうと悔しくて仕方がないのだ。

コメント

失礼しました

確かに著者名を間違っていました。失礼しました。そして指摘有難うございました、知らずにいたらもっと恥ずかしい思いをするところでした。

田崎教授の本はとても熱意が感じられますよね。
でも、田崎さんは「晴明 (はるあき)」というお名前です。。。
ちょっと気になったのでコメントしてしまいました(><)

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://letsphysics.blog17.fc2.com/tb.php/164-26a4eb6d

«  | HOME |  »

CATEGORIES

RECENT ENTRIES

RECENT COMMENTS

RECENT TRACKBACKS

APPENDIX

アトム 

アトム 

趣味   近所散策と物理

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。