2017-05

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≪ 科学史に名前を残した先生:イジング ALL ネット講座:mathematicaと物理 ≫

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頭数字1の法則

ベンフォードの法則というのを聞いたことがあるだろうか?知っておくとちょっとお得な法則かもしれない。かなり大雑把にいうと

「我々の日常にあふれている数の30%は1で始まる数字である!」

これがベンフォードの法則のかなりいい加減だが,直感的に最もわかりやすい表現である。この法則、英語ではFirst Degit Lawとかベンフォードの法則という。日本語的にいうと「頭数字1の法則」である。しかしこの法則一見奇妙である。ゼロから始まる数字を除けば全ての数字は1~9のいずれかで始まる。するとある数字が1から始まる確率は大体1/9~11%ではないだろうか?ところがベンフォードの法則はこれが約30%になる事を主張する。俄には信じがたいベンフォードの法則だがあらゆる数に対して成立しているようだ。実際ベンフォードは我々の周りにあふれている数を集めてこの法則が成立すことを示すデーターを得ている。それは川の面積、人口、物理定数、新聞、あらゆる数に対して非常によく成立しているようだ(ベンフォードの法則wikipedia)。 この法則が発見された経緯もなかなか興味深い。1881年アメリカの天体学者Simon Newcombは対数表の最初のページに1から始まる数字が多いことに気がついた。この発見は全くの偶然だろうが、兎に角こうやって最初に1から始まる数字がどれくらいあるだろうかという問題提起が生まれたわけである。Newcombの発見(?)は1938年にFrank Benfordによって再発見された。ベンフォードはこれをあらゆる数字に対して調べたために、今ではベンフォードの法則と名前が付いている。 さて少し数学的な補足をしておこう。もちろんある数の集まりが一様分布をしていれば1から始まる数字が特別多いなんてことは起こりえない。しかしベンフォードのデーターが示すように”自然界”では頭数字1の法則は非常によく成立している。すると自然は何かの傾向をもって数を決めているというのだろうか?いやそんなはずはない。実を言うとここで集めた数字は我々人間がある尺度を下にして決めた数字であって、幾分人間の都合に合わせたものである事に気がつく。よって物理定数などに1から始まる数字が多いというのも全くおかしな話ではない。

ベンフォードの法則の数学的表現は

「数の対数に対して一様な分布を考えると、頭数字がnである確立はP(n)=log10(1+1/n)というベンフォードの法則に従う」

である。つまり日常にあふれている数そのものがランダムに分布しているわけではなく数の対数がランダムに分布しているとするとそれらの数に対して頭数字nの確立はベンフォードの法則Pを導く事が知られている。これは「頭文字1の法則」より一般的で「頭文字nがP(n)=log10(1+1/n)の法則」となっている。もちろん全ての確立を足すと100%、つまりΣP(n)=1 になる。


最期にこのデモンストレーションをしよう。y=exp(x)のxに対して0~1000までのランダムな整数を代入して数yを作る。この数yの頭数字がnである事象を選びヒストグラムを作ると上の図の様なる。実線はベンフォードの法則P(n) = log10(1+1/n)を1000倍して描いたものだ。これは非常に良い一致をみている。ランダムに発生させる数の範囲を変えてもやはりベンフォードの法則が成立する。

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