2017-06

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≪ 二準位系 その1 ALL 二準位系 その3 ≫

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二準位系 その2

二準位系その1で得られた重要な公式はである。ここでは、計算をもう少し整理しておこう。まず、回転行列Uは線形代数でよくしられた平面内の回転行列とみなされるはずである。

少し手を動かすと実際に
U=
( Cos[θ] , -Sin[θ] )
( Sin[θ] , Cos[θ] )

と見慣れた表式に書くことができる。実行列でUU=1を満足する行列は、一つの回転角θで表せるというだけである。ここで、行列ハミルトニアンのパラメーターε,Δθの関係は

Cos[θ]=Δ/√2/√(α2-εα) ⇔ Cos[2θ]=ε/α     (α=√(ε22))

さて、時刻tでの波動関数Φ(t)は初期条件Φ(0)を与えると

Φ(t)=U.T.U.Φ(0)

であった。回転角θを用いてUTUの部分を整理してやれば


U.T.U=
e-it×
(Cos[tα]-i(ε/α)Sin[tα],-i(Δ/α) Sin[tα])
(-i(Δ/α) Sin[tα]), Cos[tα]+i(ε/α)Sin[tα])
=
e-it×
( Cos[tα]-iSin[tα]Cos[2θ], -iSin[tα]Sin[2θ])
( -iSin[tα]Sin[2θ] ,  Cos[tα]+iSin[tα]Cos[2θ])

となる。


時刻t=0に|↑>だった量子系が時刻tにおいてスピン↑である確率をP(↑)、スピン↓である確率をP(↓)としよう。これはΦ(0)=(1,0)の初期条件のもとΦ(t)=(Φ1(t),Φ2(t))を計算し、

P(↑)=|Φ1(t)|2=1-(Sin[tα]Sin[2θ])2

P(↓)=|Φ2(t)|2=(Sin[tα]Sin[2θ])2

となる。これは単純なことをいっている。最初t=0で|↑>だった系は、θ=0ならずっとスピンは変わらないといっているだけである。なぜなら

Sin[2θ]=0 ⇔ Δ=0

さてこの確率公式から、スピンが↑である確率には下限がつくことが分る。どんなに長い時間まっていても、

P(↑)≦1-Sin[2θ]2

だからだ。つまり実験をでP(↑)の下限をみればθが分る。その後時間を変えていろいろと実験すればSin[αt]2の振る舞いからαがきまる。結局これでε,Δが実験からきまることになる。図にはP(↑)の振る舞いをθ=0.2, α=0.1のとき描いた。
shindou3

ここまで、二準位系その1で得られた結果を長々といじくりまわしてきた。ニュートリノ振動を扱う際にはα,θを用いたが基本式としてでてくる。ここまで面倒な計算を時間をかけて整理したのだからニュートリノ振動を議論する際には細かい計算に惑わされる心配はないだろう。

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