2017-03

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≪ 磁場がある場合のシュレディンガー方程式 ALL 大学で学ぶ物理 ≫

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電子による電荷密度、電流密度

電荷eを持った電子が位置reに存在する状況を考える。この場合電荷の分布は

ρ(t, x)=eδ(x-re(t)).....................(1)

で与えられる。電子は大きさのないものだと考えているので位置x=reにのみ値を持つ電荷分布を考える必要があって、これはデルタ関数によって記述されるというわけである。また電子が速度ve=dre/dtで運動している場合には電流も流れる。電流は電荷×速度であり、その分布はx=re(t)を満足する地点にのみ喚起されるので

j(t,x)=ev δ(x-re(t))...........(2)

となる。電荷密度と電流密度を組み合わせて4次元電流jμを作ると

jμ(t,x)=e(1, ve)×δ(x-re(t)) = e drμ/dt×δ(x-re(t))...............(3)

と書ける。rμ=( t,re(t))は電子の軌道re(t)と時刻tを組み合わせた4次元軌道である(図を参照)。 20061007131224.gif

上の図は電子の軌道を時刻tと空間のx1の2次元平面に射影して描いたものである。電子の位置reは4次元時空上に一本の線を描き、この線上でのみ値を持つ4次元電流jμ(t,x)を与える。

(3)式のjμ(t,x)の右辺には色々な変数が入っているので混乱する可能性があるが、4次元電流jの変数は時刻tとxであってrμは電子軌道を決めれば(tを変数として持つ)固定された関数である事に注意しよう。この事に慣れるために簡単な場合を調べてみる。電子の運動としてx軸に沿った等速直線運動re(t)=(vet,0,0), ve=定数,を考えよう。4次元電流は

jμ(t,x)=e(1,ve,0,0)×δ(x-vet)δ(y)δ(z)

となる。ve=dre/dt=(ve,0,0)を代入してδ(x-re(t))は各成分のデルタ関数の積に書いた。この式は x=vet, y=0 , z=0 の条件をを満たす電子の軌道上に大きさが電荷密度はe,電流はeveに比例したデルタ関数ピークを持つ事を言っている。4次元電流は電子が存在する軌道上にのみ値を持ちそれ以外の位置ではゼロである場の分布である。



4次元電流が作る電磁場について少しだけふれておこう。時刻t,位置xにいる観測者が光(電磁波)を観測したとしよう。光は有限な速さつまり光速c≒3×108m/sで飛んで来る。下の図において位置(t,x)で交差する二つの直線は観測者に向かって飛んでくる光の軌跡を描いたものである。
20061007134355.gif


この図には時刻tretで光の軌跡と電子の軌道がぶつかる点が存在する。これは観測者に届いた光が(tret,r(tret))で電子から放出されたものである事を示している。時刻tで観測された光はそれより過去のtretで電子から放出され、(t-tret)の時間をかけて距離|x-r(tret)|を旅して来たわけだ。光の速さが有限である事から帰結される重要な関係式

t-tret = |x-r(tret)|/c

が得られる。時刻tより過去のtretは遅延(retarded)時間と呼ばれる。光速があまりにも速い為に日常ではなかなか実感できないが、我々が観測する電磁気現象には常にこの遅延時間の効果が存在する。電磁気学は特殊相対論的にも正しい理論であるから遅延時間の効果はMaxwell方程式に含まれている。その事についてはLenard-Wiechertポテンシャルのところでふれる事にする。

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