2017-07

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≪ 自然対数の底 e 入門1 ALL タングラム ≫

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4次元電流の性質

前節では一つの電子がつくる4次元電流jμをデルタ関数をつかって

jμ(t,x) = e drμ/dt δ(x-re)

と表されることを説明した。

電荷が消えたり突然発生したりすることはないことから4次元電流は連続の方程式

0j0(t,x)+∂iji(t,x) = 0

を満たさなければならない。ここで∂0や∂iは変数t, xに関する微分であることに注意しつつ連続の方程式が成立するか確認する。

0j0(t,x)
= ∂/∂t e dr0/dt δ(x-re(t))
= e ∂/∂tδ(x-re(t))
= e ∂ri/∂t ∂/∂ri δ(x-re(t))
= e ∂ri/∂t ∂/∂ri δ(x-re(t))
= e vi (-∂/∂xi) δ(x-re(t))
= - e vi ∂/∂xi δ(x-re(t))

二行目でdr0/dt = 1、最期にデルタ関数のriに関するri微分は-∂/∂xiに等しい事をつかった。最期の式を左辺に移項して

0j0(t,x)+∂iji(t,x)=0

と書けば連続の方程式の見慣れた形になる。



計算に慣れるため4次元電流がベクトルとして正しい変換性を持つ事を確認しておこう。先ず電子の静止系ではr'=(t',0)となる(電子静止系での座標には「'」をつけて区別する)。電子は原点にとまっており時間t'だけが経過していくわけだ。4次元速度はdr'eμ/dt'=(1,0)で与えられるので

jμ '(t', x') = e (1, 0) δ(x')

を得る(r'e=0)。一方で電子がx軸にそって速さveで運動しているように見える系ではdrμe/dt=(1,ve,0,0)を代入して

jμ(t,x) = e (1,ve,0,0) δ(x-re)

を得る。ここで電子の静止系と運動している電子を観測するこれら二つの座標系はローレンツ変換で関係がついている。

ct' = γ(ct - (ve/c)x)
x' = γ(-vet + x)

又は

ct = γ(ct' + (ve/c)x')
x = γ(vet' + x')


ここでγ=1/√(1-(ve/c)2)である。また二つの系はx軸方向にだけ相対運動をしているのでその他の座標に関しては等しい、y' = y , z' = z 。この関係式を使うと次のような変形ができる。

j0(t,x) = e δ(x-re) = e δ(x-xe)δ(y)δ(z)
= e δ(γ-1[x'-x'e]) δ(y') δ(z')
= e γ δ(x'-x'e) δ(y') δ(z')
= γ j0 '(t',x')

変形の途中で(x-xe)=γ-1[x'-x'e]の書き換えが現われたがこれはローレンツ収縮の式である。同じ計算を電流のx成分j1に対して行なうと

j1(t,x) = γ ve j0 '(t',x')

である事が分る。もともと電子の静止系では電流の空間成分はゼロである事を考慮すると二つの系における4次元電流がローレンツ変換で関係している事がわかる:

j0= γ(j0 ' + (ve/c) jx '')

jx= γ(ve j0 ' + jx ')

この計算を見直してみると、電流のローレンツ変換に現われる因子γ=1/√(1-(ve/c)2)が空間のローレンツ収縮と深く関係している事が分る(証明の過程でデルタ関数の公式δ(x/γ)=γδ(x)を使った事を思い出そう)。このことはj0に微小体積dxdydzをかけた量が電荷である事を知っていれば電荷の保存則j0dxdydz=j0 ’dx'dy'dz'から理解できる。電荷密度は空間のローレンツ収縮dxdydz→dx'dy'dz'=γ-1dxdydzを補うようにj0→j0 ' = γj0と変換しなければならない。長い計算だったが、分ってしまえば当然の事ばかりである。

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