2017-10

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光について 2

光の反射の法則『光の反射において入射角と散乱角は等しい」を詳しく説明したいと思います。前回多少ふれたように光は電磁波でありその性質は全てMaxwellの電磁気学の4つの基本法則から導かれなければなりません。実際それは可能で標準的な電磁気学の本を紐解けばその詳細を知る事が可能です。しかしここでは全てを基本法則から導出するという手間を惜しんで光が波(電磁波)である事は認めたうえでMaxwell理論では反射の法則がどの様に説明されるかをみてみます。 

今から説明したいのはriから入射した光が原点におかれた物質によってrで反射され我々の眼の位置rf に届くときに入射角と反射角には θi = θrの関係がある(反射の法則)を証明することです。光源riと反射波の観測点rfは次のように表されるとします(簡単のために全てx-yで張られる二次元平面で考えてます)。

ri = R ( -sinθi , cosθi )

rr = R ( sinθr , cosθr )

r = (x, 0)

(*)添え字のiとrは入射と反射に対応した英語incidentとreflectionの頭文字です。以下入射点と観測点は反射点から十分離れているとします。これは R >> x という条件を考えていることになります。

riからrへ飛んでくる光は波数ベクトルki= k (sinθi, -cosθi)を持ちます。kは波数ベクトルの大きさで光の波長とk=2π/λの関係があります。波はsin関数やcos関数を使って表わせますから位置 rでの入射波は

Ψi(r) = cos[ki・( r - ri ) + αi]

と書けます。αiは波の初期位相です。簡単のために振幅は1にしてあります。同じ考えでrから観測点rrに飛んでくる反射波は波数ベクトルkr = k (sinθr ,cosθr)で

Ψr(rr) = cos[kr ・ ( rr - r ) + αr ]

と表せるでしょう。ところで反射波は入射波が rで物質にぶつかり反射された事から作られた波です。反射波の観測点 rrが反射点 rに等しい時には入射波と一致するはずです。(これは波の連続の条件と呼ばれますが、厳密なことを言えばこの条件さえもマックスウェル方程式から導出されなければなりません。)この条件は以下のように書けます

Ψr(r) = Ψi(r)

これは反射波の初期位相が αr = ki・( r - ri ) + αi となることを意味します。連続の条件を考慮した結果反射波は

Ψr(rr) = cos[ (kr - kr) ・ r + krrr - kiri + αi ]

となります。

実はこれで終わりではありません。反射波は物質の表面の様々な位置で反射されるため、観測点に飛んでくる全ての反射波を足さなければなりません(重ね合わせの原理)。これは反射点r = (x, 0) を物質の表面にそって積分することに相当します。

∫Ψr(rr) dx = A sin(f)/f

f(θr)=kL(sinθi-sinθr)/2

ここでLは物質のx方向の長さでAは角度に依存しない A=cos(krrr - kiri + αi) = cos( 2 k R + αi ) という因子です。よって反射角の依存性はsin(f)/f という関数形で決まっています。k=2π/λ を使って反射角の依存を図にしてみました。パラメーターは

L= 0.1 [m]
θi = 45度 = π/4 [rad]
λ= 0.1(赤線) , 0.01(青線) , 0.001(黒線) [m] の三種類

と選んで散乱角θrについて描いてみました。
light_reflection_fig05.gif


図を見て分る事は反射波は散乱角が45度=π/4 のところに集中していることです。入射角は45度ですからこれは反射の法則に対応しています、しかしそれ以外の角度にも反射波が飛んでくることが分ります。特に波長が長い波は反射の法則から大きくずれています。つまり反射の法則は短い波長の波にしか整理しない近似的な法則だという事になります。光の波長はこの図の場合よりももっとずっと短いので45度の反射角のところにほぼ100%来るでしょう。可視光に関してはよく成立する反射の法則ですが、長い波長の波には使えない近似的な法則である事を知っておくことは重要です。

light_reflection_fig06.gif


ここで波長がどのくらい短いと反射の法則が使えるかという疑問がわいてくるでしょう。式を注意深く見れば波長λはいつも

kL=2πL/λ

という組み合わせで現われています。つまり波長が短いといったときに比較するべきは反射物質のサイズLです。ここで人間が眼で認識できる光の波長はλ~10-6[m]だということ、そして小さくてもセンチ・メートル程度反射物質を考えた場合、反射の法則は非常に良く成立する事がわかります。我々がもっと波長の長い光を眼で見ることができたなら、光はあらゆる方向に反射される事が直ぐに分った事でしょう。光の粒子説を唱えたニュートンでさえ光が粒子であるなどとは言わなかったに違いありません。因みに光の粒子説はヤングの実験によって否定されてしまいましたが、現代物理学では粒子説が復活したのは面白いことです。

まとめると通常の光学的な装置では光の波長は短すぎて波としての性質が見えにくい事が分りました。一方で光が波であるとするなら、比較的長い波長で精密な測定を行なえば反射の法則からのずれも検証できるでしょう。波長の長い光は波としての性質、あらゆる方向へ反射する、そして回折現象や干渉現象などが顕著に現われるだろうと予想できます。これらは次回以降の記事で調べてゆきたいと思います。

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