2017-07

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≪ ノンビリ週末 ALL eの極限再考 2 ≫

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eの極限再考

以前自然対数の底eの計算でかなり大雑把な議論で色んな公式を導出しました。そこでは厳密性などに拘らずに数学という世界を、快適なスピードで流れる景色の変化に目を楽しませつつ、山から谷へとドライブしてみました。こういった快適なドライブも素敵ですが、車をとめて足元の草花をじっと眺めて見るとまた違った景色が見えてきます。自分の足でじっくり歩いてみると新たな発見があるものです。もちろん徒歩ではあまり遠くへは行けませんが、何時も車ばかり使っていると足腰が弱くなるということもあります。

そこで今回はeの定義について以前大雑把な議論ですましていた事をもう少しじっくりと振り返ってみたいと思います。こういった事にあまり興味のない人は無理をして付き合う必要はないかと思いますが、たまにはじっくりと議論を重ねてゆく楽しみを味わうのも良いのではないでしょうか。 先ずeの定義として最も便利なのは

e ≡limn→∞ en = limn→∞ Σk=0, n 1/k!

です。後々の便利のために部分和をen ≡ Σk=0, n 1/k! という記号で導入しておきます。この極限が存在することは上限を押さえてみれば直ぐに分ります。つまり

en = 1 + Σk=1, n 1/k!
≦ 1 + Σk=1, n (1/2)k-1 =3-21-n
< 3

一方en < en+1 という性質、つまりnを大きくすればenどんどん増加するという事実もあります。どんどん成長するけど3を越えられない数、これは何処かで極限を持ちます。よってe ≡ eが存在することになります(*)。今その値は問題ではありません、取り合えず極限が存在する事が大事です。


さてここでeのもう一つの出発点である

E ≡limn→∞ En = limn→∞(1+1/n)n

について考えてみたいと思います。有限積をEn ≡(1+1/n)nと書く事にします。通常E=eですが、ここではその事実を導出したいということです。Eは(1+1/n)をn回かけてその極限で定義された数、eは1/k!をk=0からnまでの和を取った部分和の極限です。二つが極限で等しいことを証明するのが今回のテーマです。

因みにn>1なら(1+1/n)<1/(1-1/n)が成立することを使えばEnを上から押さえ込むうまい手が見つかります。ちょっとやってみましょう。

En=(1+1/n)n
< (1/(1-1/n))n  =  1/(1-1/n)n
 < 1/(1-1/2)2  = 4

1/(1-n)n > 1/(1-(n+1))n+1 を使い、n=2の場合で押さえました。もっと厳しくしたければn=3,4,5,とやってみれば

En < 1/(2/3)3 ~ 3.375
En < 1/(3/4)4 ~ 3.160
En < 1/(4/5)5 ~ 3.052

.....

En <1/(99/100)100 ~ 2.732

と制限が強くなります(因みにe=2.71828...)。これで上限が押さえられていますからEnは収束する事も分ります。なぜなら単調増加数列Enは上限が押さえられていますから。

今回はのんびりと数列の極限をハサミウチ(又は上限を押さえた単調増加数列に関するWeierstrassの定理)から調べて見ました。ただこのままだとEがどんな値になるか検討がつきにくいので次回Enとenを直接比較する事で両者の極限がいっちすることを示したいと思います。数列の性質としてenの方が扱い易いですからこれは応用上大事な事です。


(*)この事はWeierstrassの定理によって保証されていますが、ここでは触れません。また時間があるときの楽しみとして残しておきます。

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