2017-04

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≪ 磁石とイジング模型 3 (相転移と次元) ALL 磁石とイジング模型 5(磁化の安定性) ≫

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磁石とイジング模型 4 (磁化)

2次元のイジング模型,d=2を考えるます。以下簡単のためにβ=1/T, 相互作用の強さJ=1としてあらためて平均場近似の式を書くと

m = tanh( ( 4m + H)/T ) ......(8)

となります。この式は磁場Hを外からかけてやると磁化mが現われるが、その際の磁化の満たすべき方程式です。式をHについて解いて

H = T arctanh(m)- 4 m ........(9)

と書いた場合のHとmの関係をグラフにすると下の図になります。温度を色々変えて描いてみました。縦軸がHで横軸がmです。


もともとの出発点、つまりイジング模型のエネルギーの表式を考えれば分る事ですが、我々が変化させることができるパラメーターは磁場Hです。よって実験室で磁場Hをかけ、スピン系の磁化 m=< S >に対する影響を調べるというのが自然な考えたでしょう。 そういった意味では原因であるHを横軸にして、磁場Hをかけた結果との磁化mを縦軸に描くのが自然ですが式を解く上ではHをmの関数としてといた方が簡単なのです。そこで図を

「磁化がmの時にその原因になった磁場の値がH=H(m,T)の曲線の縦軸の値から読み取れる」

と考えます。T=6と比較的温度が高い場合の振る舞いは大体予想どうりだろうと思います。磁化mの値が大きい時にはその原因となった磁場Hが大きい事を意味しています。ところがT=4(≡Tc) の場合にはm=0.5の値まで横軸にべったりくっついたグラフが描かれています。これは磁化mの値を変化させるのに磁場は殆どかけなくても良いことを意味しています。もっと面白いことはTcよりも低い温度になれば磁化mの値が正であるにもかかわず原因となる磁場は逆方向へかけているというなんともおかしな結果がでています。

これは変です。出発点のエネルギーでは E ~ -H*Si だったので磁場とスピンが揃った方がエネルギー的に安定です。だから磁場をかけるとスピンは磁場の方向へ揃い磁化m=< S > もHに比例する筈です。少なくとも直感的にはそう考えるのが自然でしょう。

実はこれが何かおかしなことが起きている、つまり相転移現象の兆候なのです。

おかしい.....

理解し難い....

と思った人は正解。確かにおかしいんです。でもおかしいのも単におかしいといっていては物理になりません。おかしい原因を突き止め何かの理解を得なければなりません。 

次回のお楽しみ・・・

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