ローレンツ変換に関する考察 1
ローレンツ変換を使ったちょっとしたお遊びをしてみたいと思います。

(図中の記号が本文と対応してないので後々差し換えなければならないと思いつつ、面倒なのでこのまま使わせてもらいます。)
3つの慣性系A, B, Cを考えます。慣性系Bは慣性系Aとx軸方向に相対速度vxで運動しています。また二つの慣性系の原点OAとOBは時刻ゼロで一致させておきます。この場合二つの慣性系の関係を与えるのは
ctB = γx ( ctA - βx xA)
xB = γx ( xA - βx ctA)
yB = yA
というローレンツ変換です。但しβx=vx/c 、 γx = 1/√(1-βx2)とします。次に慣性系Cの原点OCは時刻ゼロでOBに一致しており、慣性系Bから見てy軸方向へ相対速度vyで運動しているとします。二つの系の関係は
ctC = γy ( ctB - βy yB)
xC = xB
yC = γy ( yB - βy ctB)
ここで慣性系Aから見た慣性系Cの方向はどうなっているでしょうか。つまりOCOAのxA軸となす角θを二つの相対速度vxとvyを使って求めてみましょう。慣性系Aで見たCの原点の座標をOC=(x,y)とすると
tan(θ)≡ y/x
です。そこで問題はyとxを知りたいのですが、これは慣性系Cの原点ですからC系でみた座標原点の条件 xC=0、 yC = 0が使えます。上で示した二つのローレンツ変換の関係を使うと
0 = xC = xB = γx ( xA - βx ctA)
0 = yC = γy ( yB - βy ctB) = γy ( yA - βy [γx ( ctA - βx xA) ])
これらを解くと
xA = βx ctA
yA = βy γx ctA(1 - βx2)
これらはxC=0、 yC = 0を満たす座標点をA系の座標を使ってみた場合の値ですからこれが求めるx, yです。つまり
tan(θ)≡ y/x = (βy/βx)/γx
です。この式は相対速度vxが小さい時にはガリレオ的な関係tan(θ) → (βy/βx) となります。特殊相対性理論による効果は1/γxという因子に表れており、これは古典的なガリレオ変換では理解できないものです。これは相対性理論における速度の合成則の公式を使って導く事もできます。
今度は慣性系Cからみた系Aの原点の方向を考えて見ます。つまり慣性系CからみたOAの方向とxC軸のなす角θ'をvxとvyを使って求めてみようというわけです。C系からみたOAの座標を(x'A,y'A)とすると
tan(θ') = y'A/x'A
です。先程と同じように考えていけば
tan(θ') = y'A/x'A = γy(βy/βx)
という結論に到達するでしょう。やはり非相対論的極限ではガリレオ的な角度の式tan(θ')→(βy/βx)となりますが、今度の相対論的な補正はγyがかかっています。
「運動は相対的である。」
相対性理論の謂わんとしていることですが系Aから見たBの方向とBから見たAの方向、これは相対的になっているんでしょうか。答えは当然Yesなのですが、今回の結果は一見おかしくなっているというのが少しパラドックスに見える(かも)ということなのですが....少し数学に強い人なら「ローレンツ変換は閉じてないから」とかの一言ですますんでしょうか。

(図中の記号が本文と対応してないので後々差し換えなければならないと思いつつ、面倒なのでこのまま使わせてもらいます。)
3つの慣性系A, B, Cを考えます。慣性系Bは慣性系Aとx軸方向に相対速度vxで運動しています。また二つの慣性系の原点OAとOBは時刻ゼロで一致させておきます。この場合二つの慣性系の関係を与えるのは
ctB = γx ( ctA - βx xA)
xB = γx ( xA - βx ctA)
yB = yA
というローレンツ変換です。但しβx=vx/c 、 γx = 1/√(1-βx2)とします。次に慣性系Cの原点OCは時刻ゼロでOBに一致しており、慣性系Bから見てy軸方向へ相対速度vyで運動しているとします。二つの系の関係は
ctC = γy ( ctB - βy yB)
xC = xB
yC = γy ( yB - βy ctB)
ここで慣性系Aから見た慣性系Cの方向はどうなっているでしょうか。つまりOCOAのxA軸となす角θを二つの相対速度vxとvyを使って求めてみましょう。慣性系Aで見たCの原点の座標をOC=(x,y)とすると
tan(θ)≡ y/x
です。そこで問題はyとxを知りたいのですが、これは慣性系Cの原点ですからC系でみた座標原点の条件 xC=0、 yC = 0が使えます。上で示した二つのローレンツ変換の関係を使うと
0 = xC = xB = γx ( xA - βx ctA)
0 = yC = γy ( yB - βy ctB) = γy ( yA - βy [γx ( ctA - βx xA) ])
これらを解くと
xA = βx ctA
yA = βy γx ctA(1 - βx2)
これらはxC=0、 yC = 0を満たす座標点をA系の座標を使ってみた場合の値ですからこれが求めるx, yです。つまり
tan(θ)≡ y/x = (βy/βx)/γx
です。この式は相対速度vxが小さい時にはガリレオ的な関係tan(θ) → (βy/βx) となります。特殊相対性理論による効果は1/γxという因子に表れており、これは古典的なガリレオ変換では理解できないものです。これは相対性理論における速度の合成則の公式を使って導く事もできます。
今度は慣性系Cからみた系Aの原点の方向を考えて見ます。つまり慣性系CからみたOAの方向とxC軸のなす角θ'をvxとvyを使って求めてみようというわけです。C系からみたOAの座標を(x'A,y'A)とすると
tan(θ') = y'A/x'A
です。先程と同じように考えていけば
tan(θ') = y'A/x'A = γy(βy/βx)
という結論に到達するでしょう。やはり非相対論的極限ではガリレオ的な角度の式tan(θ')→(βy/βx)となりますが、今度の相対論的な補正はγyがかかっています。
「運動は相対的である。」
相対性理論の謂わんとしていることですが系Aから見たBの方向とBから見たAの方向、これは相対的になっているんでしょうか。答えは当然Yesなのですが、今回の結果は一見おかしくなっているというのが少しパラドックスに見える(かも)ということなのですが....少し数学に強い人なら「ローレンツ変換は閉じてないから」とかの一言ですますんでしょうか。
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