電子の自己エネルギー 1
電子の自己エネルギーなるものを計算する。それは位置reにある電子がrに作るポテンシャル φ(r) = e/|r-re| を電子自身が感じることによって生じるエネルギー
E = limitr→re e ρ(r)/|r-re|
であった。単純にやるとこれは発散する。しかしローレンツ以来多くの科学者が「実は電子は大きさを持った粒子であって点ではない、よって自己エネルギーは有限になるのだ」と考えていた。 考え方はこうだ。電子は微小な電荷Δeが集まってできた粒子で、そのサイズは相当に小さいだろう。よって一個の電子を作るためにはΔeの塊を電子サイズr=aの領域に詰め込んで全体として電荷eで大きさがaの球を作る必要がある。 今原点を囲むrの領域に既にe'(r)だけの電荷が詰め込まれているとする。ここに更に電荷を運びrの球の外側Δrの幅にΔe'の電子を上塗りしてゆく。必要なエネルギーは
ΔE = Δe' e'(r)/r
となる。ただし運ぶ電荷はrの球のΔr表面に一様に分布させるために
Δe'/e = 4π r2Δr/V = 3 r2Δr/a3
e'(r)/e=(4/3)π r3/V= (r/a)3
とする( V=(4/3)π a3 は球の体積) 。このようにして球の表面に次々と微小電荷Δe’を上塗りしてゆけば半径がa、トータルの電荷eの球が出来上がる。積分を使って書けば
E = ∫dE
= e2 ∫[dr 3 r2/a3] (r/a)3 (1/r) (積分領域はr=0→a)
= 3 e2/a6∫dr r4
= (3/5)e2/a
これが半径aのサイズに電荷を一様に分布させて作った電子の持つエネルギーである。電子を作る事ができるならこの電子を壊す事もできるだろう。その際に放出されるエネルギーは(3/5)e2/aに等しいだろう。
...........というのが大きさを持った電子模型である。電子の自己エネルギー発散の問題を解決しようとするとこういった事になる。
それでは電子を壊してそのエネルギーを測定してみよう.....と思っただろうが、電子はなかなか壊れない。相当強力な力で捏ねられた塊であることは確かだ。よってこういう方法で電子の中に蓄えられたエネルギーを測定することは不可能だ。ところがアインシュタインのエネルギーと質量の関係式 E= mc2を使えば電子を壊すことなく、そのエネルギーを測定する事ができる。電子の質量はミリカンの油滴実験から決っている、つまり電子と地球の間の万有引力を使ってエネルギーを計っている事になる。やってみよう
mc2 = (3/5a) e2/(4πε)
この式からaを決めてみよう。
a= (3/5) e2/(4πεc2)/m
= (3/5) (1.6 10-19 [C])2 10-7 [kg m C-2]/(9.11×10-31 [kg])
= 1.7 10-15 [m]
(アトムのノートの電磁気学の議論は単位がメチャクチャな式を書いてますから、数値を入れるときには注意:ここではSI単位での4πεを補いました。)
電子の大きさを仮定するとアインシュタインの公式から電子半径は10-15 [m] くらいだとわかる。ところがこれくらいのサイズなら実験で電子の大きさが見える筈である(これは原子核程度のサイズである)。しかし実験では電子に大きさがあるということに対して否定的な結果しかでてこない。また電子に大きさがあるならば電子を作っている素はなんだろうかという新たな疑問が湧いてくる。それで現代ではこのような考えは廃れていて、電子は大きさを持たない基本粒子であると考えられている。しかしそれではa→0となって電子の自己エネルギー発散の問題に戻ってしまう。何かがうまくいっていない、その何か・・・・・なんだろうか。
E = limitr→re e ρ(r)/|r-re|
であった。単純にやるとこれは発散する。しかしローレンツ以来多くの科学者が「実は電子は大きさを持った粒子であって点ではない、よって自己エネルギーは有限になるのだ」と考えていた。 考え方はこうだ。電子は微小な電荷Δeが集まってできた粒子で、そのサイズは相当に小さいだろう。よって一個の電子を作るためにはΔeの塊を電子サイズr=aの領域に詰め込んで全体として電荷eで大きさがaの球を作る必要がある。 今原点を囲むrの領域に既にe'(r)だけの電荷が詰め込まれているとする。ここに更に電荷を運びrの球の外側Δrの幅にΔe'の電子を上塗りしてゆく。必要なエネルギーは
ΔE = Δe' e'(r)/r
となる。ただし運ぶ電荷はrの球のΔr表面に一様に分布させるために
Δe'/e = 4π r2Δr/V = 3 r2Δr/a3
e'(r)/e=(4/3)π r3/V= (r/a)3
とする( V=(4/3)π a3 は球の体積) 。このようにして球の表面に次々と微小電荷Δe’を上塗りしてゆけば半径がa、トータルの電荷eの球が出来上がる。積分を使って書けば
E = ∫dE
= e2 ∫[dr 3 r2/a3] (r/a)3 (1/r) (積分領域はr=0→a)
= 3 e2/a6∫dr r4
= (3/5)e2/a
これが半径aのサイズに電荷を一様に分布させて作った電子の持つエネルギーである。電子を作る事ができるならこの電子を壊す事もできるだろう。その際に放出されるエネルギーは(3/5)e2/aに等しいだろう。
...........というのが大きさを持った電子模型である。電子の自己エネルギー発散の問題を解決しようとするとこういった事になる。
それでは電子を壊してそのエネルギーを測定してみよう.....と思っただろうが、電子はなかなか壊れない。相当強力な力で捏ねられた塊であることは確かだ。よってこういう方法で電子の中に蓄えられたエネルギーを測定することは不可能だ。ところがアインシュタインのエネルギーと質量の関係式 E= mc2を使えば電子を壊すことなく、そのエネルギーを測定する事ができる。電子の質量はミリカンの油滴実験から決っている、つまり電子と地球の間の万有引力を使ってエネルギーを計っている事になる。やってみよう
mc2 = (3/5a) e2/(4πε)
この式からaを決めてみよう。
a= (3/5) e2/(4πεc2)/m
= (3/5) (1.6 10-19 [C])2 10-7 [kg m C-2]/(9.11×10-31 [kg])
= 1.7 10-15 [m]
(アトムのノートの電磁気学の議論は単位がメチャクチャな式を書いてますから、数値を入れるときには注意:ここではSI単位での4πεを補いました。)
電子の大きさを仮定するとアインシュタインの公式から電子半径は10-15 [m] くらいだとわかる。ところがこれくらいのサイズなら実験で電子の大きさが見える筈である(これは原子核程度のサイズである)。しかし実験では電子に大きさがあるということに対して否定的な結果しかでてこない。また電子に大きさがあるならば電子を作っている素はなんだろうかという新たな疑問が湧いてくる。それで現代ではこのような考えは廃れていて、電子は大きさを持たない基本粒子であると考えられている。しかしそれではa→0となって電子の自己エネルギー発散の問題に戻ってしまう。何かがうまくいっていない、その何か・・・・・なんだろうか。
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