2017-10

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≪ 非線形電磁気学 ALL 調和振動子 その4 ≫

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オイラー・マクローリンの総和公式 (証明)

前回説明したオイラー・マクローリンの総和公式の証明を書きたいと思います。ベルヌイ多項式の性質を使いますから読んでない方はリンクの記事を参照にしてください。

証明するべきは




            Euler-Maclaurinの公式

    ∫[0, n] f(x) dx = (1/2)f(0)+f(1)+f(2)+.....+f(n-1)+(1/2)f(n)
        - Σk=1p 1/(2k)! B2k ( f(2k-1)(n) - f(2k-1)(0) ) + R2p+1

オイラーマクローリンの総和公式は積分Iと、それに対応した和Sを関係づける公式です。ここではIとSを以下のように定義します。

I[0, n]≡∫0→n f(x) dx

S[0, n]≡(1/2)f(0) + f(1) + f(2) +......+ f(n-1) + (1/2) f(n)

S[0, n] はf(0)とf(n)に関しては1/2がかかります。単純に積分区間をn個の短冊に区切って和を取ると短冊の高さを評価する位置によって

右詰和 = f(1) + f(2) +......+ f(n-1) + f(n)



左詰和 = f(0) + f(1) + f(2) +......+ f(n-1)

のどちらかになりますが,オイラーマクローリンの公式ではその平均であるS[0, n]=(右詰和+左詰和)/2 が自然に導かれます。それでは証明にはいります。



先ず区間0~1での積分がどのようにして和で表現できるか示したいと思います。ベルヌイ多項式のところで示した性質(1)~(5)を使いますか、リンクの記事を参考にしてください。

先ずベルヌイ多項式の性質(1),B0(x) = 1 を使います。

I[0,1]≡∫[0, 1] f(x) dx = ∫[0, 1] B0(x) f(x) dx

式が見づらくなるので以下では積分区間[0, 1]を省略します。ベルヌイ多項式の性質(2)Bn = 1/(n+1)B' n+1(x)を使えば B0(x)を一回微分されたB'1(x)で書き換える事ができます。

I=(1/1)∫B'1(x) f(x) dx

これは高校の微分積分の授業でならった部分積分の公式を使うと

I = [B1(x) f(x) ][0,1] - (1/1)∫B1(x) f'(x) dx

と変形できます。ここで

[ B1(x) f(x) ][0,1]=B1(1) f(1) - B1(0) f(0) = (1/2) [f(1) + f(0)]

です。ベルヌイ多項式の具体形 B1(x)=x-1/2 を使えば B1(1)=1/2, B1(0)=-1/2となることに注意してください。結局積分I[0,1]は部分積分で出てきた積分の上限と下限の差の項[B1(x)f(x)][0,1]、そしてB1(x)f ' (x)で書かれた積分の二つで書かれます。





同じようなやり方でB1(x)をB2(x)の微分で書いて、部分積分を使えばこれをB2(x)f'' (x)の積分で書くことができます。同じことを何度も繰り返すよりは一般的にやった方がよいでしょう。そこで

[0, 1] Bn(x) f(n)(x) dx ≡ Bn[f(n)]

と書くことにします。ベルヌイ多項式とf(n)(x)の積が被積分関数だという事を忘れないようにこれをBn[f(n)]と書くだけです。深い意味はありません、記号は曖昧さがない限り自由に使います。それではここでBn(x)=1/(n+1)Bn+1(x)を使って部分積分します。


Bn[f(n)]
=∫Bn(x) f(n)(x) dx
=1/(n+1)∫B ' n+1(x) f(n)(x) dx
=1/(n+1) [ Bn+1(x) f(n)(x)][0, 1] - 1/(n+1)∫Bn+1(x) f(n+1)(x) dx

ここでベルヌイ多項式の周期性(4)を使うと

Bn[f(n)] = 1/(n+1) Bn+1(0)( f(n)(1)-f(n)(0)) - 1/(n+1) Bn+1[f(n+1)]

とかけます(n≧1)。ベルヌイ多項式のゼロでの値はベルヌイ数です、Bn+1(0)=Bn+1




以上の事より、I[0,1]に対してBn(x) = B’n+1(x)/(n+1)を使い部分積分を繰り返し使ってゆけば次の公式が得られる事がわかります。

∫f(x) dx = (1/2)[f(1)+f(0)] + Σk=2p (-1)k-1/k! Bk ( f(k-1)(1) - f(k-1)(0) ) + (-1)p/p! ∫Bp(x) f(p)(x) dx


さて最後に領域が[0,1]ではない場合にはどうなるかというと、それは簡単で

[a,a+1] f(x)dx = ∫[0,1] f(a+x)dx

と書けばやはり区間[0,1]の積分に書くことができます。上で議論した事は任意の関数に対して成立しますから

[0,1] f(a+x)dx = (1/2)[f(1+a)+f(a)] + Σk=2p (-1)k-1/k! Bk ( f(k-1)(a+1) - f(k-1)(a) ) + (-1)p/p! ∫Bp(x) f(p)(x+a) dx

と書ける事が分ります。区間[0, n ]を n個の領域にわけこの方法を適用するとオイラー・マクローリンの総和公式

[0, n] f(x) dx
= (1/2)f(0)+f(1)+f(2)+.....+f(n-1)+(1/2)f(n)
+ Σk=2p (-1)k-1/k! Bk ( f(k-1)(n) - f(k-1)(0) ) + Rp

となります。少し驚きなのが、二項目の和の項はn個の区間からの寄与が殆どキャンセルして、残るのはx=0,nにおける微係数のみです。中間点の微係数は表れません。また奇数のベルヌイ数はB1=-1/2を除いてゼロになることから和は偶数項に限られます。残った積分の項をRpとしましたが、それは

Rpa=0→n-1 (-1)p/p! ∫[0,1] Bp(x) f(p)(x+a) dx

で与えられます。これをコンパクトに書くためにだけに周期的ベルヌイ多項式を導入する必要もないでしょう。このままにしておきます。オイラー・マクローリンの総和公式で積分を和、または和を積分で書くと非常に収束性の良い値が得られます。つまり残されたRpは大抵の場合急激に小さくなりますから、補正項を適当な次数まで取れば近似式として有用なものが得られます。

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