2017-10

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≪ 調和振動子 その4 ALL クーロンの法則と次元 ≫

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電子の自己エネルギー その3

電子の自己エネルギーが発散してしまうという事に関してちょっとしたお遊びをしてみたい。これから示したい事は量子力学を考えると電子の自己エネルギーは有限になるという事である。先ず電磁場内の電子が持つエネルギーで説明した事を思い出すと電子の自己エネルギーは

E = ∫dx dy ρ(x)ρ(y)/|x-y|

と定義されていたものだ。ρ(x)は電子の密度で、古典論では電子はある位置reに確実にいるわけだから

ρ(x) = e δ(x - re)

である。これを代入すると

E = ∫dx dy e2 δ(x-re)δ(y-re)/|x-y|
= e2/|re-re|
= ∞

となって発散してしまうのが問題だとされている。 ところが私の理論では.......おっといけない、私の理論ではなく量子力学ではという意味だが、電子の位置は不確定であるから電荷密度はデルタ関数ではない(「私の理論」という響きは確かに心地よいものがあるね)。量子力学では、電荷密度は波動関数の絶対値の二乗で与えられる。簡単のために調和振動子解として良く知られた

Ψ(x)=1/(a3/2π3/4) exp[-(x/a)2/2]

を使おう。ここでa=√(h/(mω)) とおいた。(調和振動子 その2の最後に波動関数の答えがあります。) 波動関数の2乗が電荷密度に比例するとすれば

ρ(x)=e|Ψ(x)|2 =e/(a3π3/2) exp[-(x/a)2]

である。計算の詳細は省略するが、この表式を電子の自己エネルギーに代入すれば

E =e2/(4πε0) √(2mw/hπ)

という答えが得られる(ここだけこっそり1/(4πε0)を補った)。これは発散がない有限な自己エネルギーを与える。

一応これで電子の自己発散の問題は解決する。ポイントは古典理論では電子の位置が確定しているために分布の積 ρ(x)ρ(y) =e2 δ(x-re)δ(y-re) がreに集中しすぎてしまうためで、それが量子力学での不確定性原理を取り入れると緩和されるという事だ。


・・・・・・・・・・・とまあ、ここまで嘘は言っていないが、これは根本的な解決にはならない。なぜなら、調和振動子の波動関数ではなく、位置の確定した波動関数を使えばやはり議論が元に戻ってしまう。そもそもこんな事をしてみたって発散はなくなったかもしれないがやはり電子の自己エネルギーが大きくなりすぎて、アインシュタインのエネルギーと質量の関係式より電子の重さが大きくなりすぎる事になる。アイディアは良いがこのままではやはり駄目なのである。やはり繰り込み理論は避けて通れないようだ。実は今回の話はワイスコップの理論のアイディアだけ借用して、それを量子力学で説明したらこうなるよという事を書いてみた。ワイスコップは50年以上も前に、それも第二量子可された場の理論で電子の自己エネルギーの問題に取り組んだ。結果やはり場の理論における不確定性関係のために発散が緩和される事を示した(多分そういう解釈で良いと思われるが間違っていたら済みません)。

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