2017-09

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≪ 古典力学の理想的状況について その1 ALL A016 連分数と無理数 (つづき) ≫

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力学の解ける問題と解けない問題

総合評価:4
お薦め度:4
レベル :解析力学をかじった学生以上
コメント:知的好奇心をくすぐるという意味では単純に面白いかったですが.....




週末時間を割いてもう一冊読んだのは「力学の解ける問題と解けない問題」 吉田晴夫著 (岩波講座 物理の世界 力学4)です。可積分系についての分り安い解説だと思います。目次は

1 ケプラー問題を解く
2 解析的に解ける問題-可積分系
3 解析的に解けない問題-非可積分系とカオス
4 可積分系のリストを目指して

という非常に分り安い章立てになっていて、小冊子、81ページです。つまり2時間もあればそれなりに読めてしまう本です。最初はケプラー問題を簡潔に解いて見せます。教育的だなと思いました。2章では調和振動子をだしてさらに可積分系というキーワードに迫ります。3章では非可積分系についてポアンカレ写像をキーワードに解説していきます。ここまで小冊子ならではのスピーディーさもあり軽く読めてしまいますが、必要な情報が整理された数式で与えられており、私としては満足感が有りました。ここまでで55ページです。

そしてクライマックスの4章ですが、残りの25ページを費やして可積分系の完全なるリストを目指しての最近の発展を駆け足、いや相当なダッシュで一気に行きます。これは読むのに疲れました。出てくる定理などの説明は殆ど有りませんし、私のような素人が読むと単なる事実の列挙としてか取れない内容です。専門的な参考文献を挙げてあるのですが、こんな小冊子をかって読むのは大抵一般の物理愛好家か学部学生でしょうからあまり意味が有るとも思えません。前書きにありましたが、出版社からの締め切りの最終通達が来たというのも冗談ではなく事実なんでしょう。多分著者は慌てて4章を書き足し締め切りに間に合わせたのだと推測します。分らなくもないですがこの内容で1400円は高い買い物だったかな・・・と少し残念です。お金の事はいいとしても、もう少し素人に分り安い、または分った気にさせるような4章を書いて欲しかったというのが正直なところです。

全体として小さい冊子に話を良くまとめてあるという印象です。解析力学を勉強した人は一度読んでみると良いと思います。分り安い例題、ケプラー問題と調和振動子だけからこんな面白い話題へと発展してゆくのかと、知的好奇心をくすぐられる一冊だと思います。ただ値段が1400円と少し高いですから図書館で読むのがベストでしょう。最後に一読者の希望として、吉田先生にはもう少し分り安い一般向け解説をページ数を気にせずに書いてもらいたいと思います。


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