2017-03

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≪ エーレンフェストの壺 その1 ALL 数学で読み解く統計力学 1 ≫

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博士の愛した数式 (小川洋子著, 新潮文庫)

文庫は古本屋に限るという妻が「博士の愛した数式はもう読んだ?」と訊くので、読んでないが興味はあると伝えた。すると妻はすぐさま¥250でBOOK-OFFから掘り出してきた。騒がれているものは後回しというヒネクレ根性があったが、¥250を無駄にする理由もないと読み始めて最初の数行で、笑いが吹き出た。



彼のことを、私と息子は博士と呼んだ。そして博士は息子を、ルートとよんだ。息子の頭のてっぺんが、ルート記号のように平らだったからだ。


「博士の愛した数式(小川洋子著)」の始まりより

最初からこんな具合で、随所に著者のユーモアのセンスを感じる作品だった。ストーリーにもぐいぐいと引き込まれたが、数学の美しさを伝えようという姿勢に共感を覚えた。



本を読む妻に「eってなに?」と訊かれ5分ほど考えた後に説明を試みたが、妻の反応は「ふーん」の一言であった。eを説明するのにこんなに手こずっていてはオイラーの公式を説明するのにはどのくらいの時間が必要になるのだろうか。さすがに数学が関係する小説とはいえ、そんな事にページは割かれないだろうと思ったが、小川洋子さんは「博士の愛した数式」の中でその説明に4ページを割き、オイラーの公式の美しさを言葉で表現している。数学に関する知識がない読者にどのくらい理解できたかは分らないが、少なくともその美しさの感覚は伝わったのではないだろうか。一般読者向けでありながら、数学に関する部分もしっかりと書かれていて私としては満足な読書であった。プロの作家なんだから当然の事だろうが、難しいことを語り始め深みにはまった挙句、しまいには力尽きてしまうという事もない(私の場合ブログに記事を書くと殆どがそうである)。 ストーリーはラストまで流れるように進み、読み終えたあとも納得が行く。そして爽やかだ。


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