2017-11

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≪ 博士の愛した数式 (小川洋子著, 新潮文庫) ALL 確率 1 ≫

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数学で読み解く統計力学 1

最近書店で「数学で読み解く 統計力学 - 平衡状態とエルゴード仮説-」(森真著、共立出版)を見つけて勉強しています。この本なかなか面白いんですが私の頭の回転が鈍いせいでなかなか進みません。そこで自分の勉強のために、そして理解した事を忘れないために記事として書き留めておく事にしました。つまり私の勉強ノートです。今日は一章「統計力学のモデル」を簡単にまとめてみます。因みにこの本

1.統計力学のモデル
2.熱力学極限
3.変分原理、ギッブス測度、相転移
4.温度、エントロピー、圧力、化学ポテンシャル
5.統計力学の時間発展(エルゴード性)

という話題が含まれており、確率論からみた統計力学について(特にエルゴード問題に力が入っています)、数学者がまとめた本という感じです。私が知らない統計力の問題などが議論されていて非常に面白いです。通常の物理学者が書いた本だと、あまり議論されない、又は意図的に避けられている話題を(多分)しっかりと説明してくれます。
第一章は熱力学における確率的な物の見方(つまり統計力学)を簡単におさらいします。しばらく前に紹介したエーレンフェストの壺は、単純な気体のモデルと取り上げられています。そして平衡状態は多粒子のランダムな運動によって作られるマクロな秩序だろう事へ繋がってゆきます。次に位相空間について簡単な例題で説明します。つまりN粒子がつくる位置と運動量をまとめた2*3N次元の空間,(qi, pi)について説明します。そこでは、粒子たちはエネルギー保存則を満たす6N次元の中の面上を運動する事などがあります。次に位相空間の体積が時間発展に関して保存されるというリュービルの定理が紹介されます。

そして理想気体についてちょっとした考察があってボルツマン方程式を説明して一章が終わるという感じです。私は理想気体のところでつまっています。理想気体の運動量は正規分布に従い、そして領域に粒子がn個存在する確率はポアソン分布がもっともらしいという事をが述べられます。(単純な過程からポアソン分布の導出もしています)。まあこれは良いでしょう。私が詰まっているのはボレル・カンテリの定理のところで、その意味するところが理解できずに四苦八苦しています。ボレル・カンテリの定理がどのように理想気体の理解に関わっているかということだけ説明して終わりにします。問題点はこうです、


理想気体の速度vに関する分布は f(v)=1/√(2πT)exp(-(1/2T) mv2)のマックスゥエル分布で与えられる。ここで粒子が速度の絶対値がv以上を持つ確率は

rv = 2∫[v,∞] dv f(v) > 0

で与えられるが(負の速度を考慮して2倍した)、この値はvがどんなに大きくても有限である。そこでふと疑問に思う。




「今目の前の気体分子というのは、一秒前には1km先の領域、いや遥か彼方の異国にあった粒子かもしれない。」


という事を真面目に心配しなくてはいけないのだろうか?なぜなら一秒前に1km先にあった粒子が秒速1km/秒で飛んでくる確率はゼロではない。すると10km先の粒子が今目の前にある確立だって否定はできない。もう少し精密に述べると

n個の粒子を考えた時に速度がv以上の粒子が一個も存在しない確率は

P ~ (1 - rv )n

である。rv は非常に小さくても我々が扱う気体分子の数n=アボガドロ数、は途方もなく大きい。するとこの値は優位に1より小さい、よって先程の疑問に行き着くわけだ。直感的には当然そんな事を心配する必要ないわけだが、そのことを数学的に理解したいという事である。ここでボレル・カンテリの定理が登場するわけだが、そのことに関してはまた理解が進んだら。

今日の勉強はここまで(3/13)。

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