2017-05

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級数和の数値計算 その1

級数和の値が知りたい場合にどうすれば良いか考えてみたい。簡単な例としてゼーター関数ζ(s)=Σk=1→∞ 1/ks の値を調べて見よう。ゼーター値を10桁まで表示すると

ζ(2)= 1.644934067... (= π2/6)
ζ(3)= 1.202056903...
ζ(4)= 1.082323234... (= π4/90)

である。この値をどのように導くかというのが今回の目的だ。 数値的評価の精度は級数の収束性と深く関わっている。ζ(s)の値sが大きいゼーター関数ほど収束性が良いので、この中ではζ(4)の評価が最も簡単である。簡単なものから始めてみよう。単純に和を大きな値Lまで取って、それを

ζL(4) ≡ Σk=1→L 1/k4

と書くことにしよう。 Lが大きければこれでζ(4)に近いだろう。

ζ101(4) = 1.082036583
ζ102(4) = 1.082322905
ζ103(4) = 1.082323233
ζ104(4) = 1.082323234
ζ105(4) = (時間切れ)

確かにLが大きいと知られている値と一致する。L=104まで取れば10桁ピッタリと一致する。L=105は試してみたが時間がかかり過ぎて諦めてしまった。



数値計算は闇雲にやると途方もない時間を費やしたり、又は全く信用ならない値を出す事が多い。よってLがどのくらい大きいと知りたいゼーターの値を再現できるのか、予め知っておくべきだ。和をLで辞めたために生じた誤差を調べよう。

ΔL(s) ≡  ζ(s) - ζL(s) = Σk=L+1→∞ 1/ks

足さなかった項の大体の大きさは積分で評価してやればよい。

ΔL(s) ~ ∫L+1→∞ (1/ks) dk = 1/Ls-1

この式から

Δ101(4) ~ 10-3
Δ102(4) ~ 10-6
Δ103(4) ~ 10-9
Δ104(4) ~ 10-12

と見積もる事が出来る。この評価は上に示した10桁の値を正確な値と比較してみると実際成立している。L=104では誤差はおよそ小数点以下12桁目から生じるだろうと予想される(実際この予想は正しい)。



先の誤差評価をみると、ζ(3)の値を10桁の精度で出そうと思うとL=105まで取らなければならないことが分かる。ところがそれは時間がかかりすぎるので困るのである。この問題は次回にまわして、取り合えず先程と同じように評価してみよう。


ζ101(3) =1.197531986
ζ102(3) =1.202007401
ζ103(3) =1.202056404
ζ104(3) =1.202056898
ζ105(3) = 時間がかかりすぎる

(正確な値はζ(3)=1.202056903) 最後のL=104ではL=103と比較して精度が期待されたほど上がってない。誤差の評価は大雑把にしたのでこういうこともあるだろうと思う。少し気になってL=2*104でやってみると

ζ2*104(3) = 1.202056902

を得た。Lを大きくした場合の誤差はζ(4)の時に比べてなかなか小さくならない。それはΔL(s)~1/Ls-1 だからである。



ここまでくれば単純に和を取る方法ではζ(2)の数値評価は難しい事が分かる。誤差はΔL(2)~1/L なので10桁の精度を出そうと思えば単純に考えてもL=1010まで和を取る必要がある。実際にやれるところまでやってみると

ζ101(2) =1.549767731
ζ102(2) =1.634983900
ζ103(2) =1.643934567
ζ104(2) =1.644834072
ζ5*104(2) =1.644914067

となる。これ以上は頑張っても到底10桁の精度は出せそうにない。この計算は勿論コンピューターを使ったわけだが、その昔オイラーはこれらの和を非常に高精度で計算した。どうやったのだろうか?

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