2009-11

目次

≪ 電磁気学 その4 Maxwell 方程式との関係 ALL 論理的思考を試される。三平方の定理の場合 ≫

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電磁気学 その5

我々は、既に電磁気学の基本法則を得た。後は応用して慣れるだけである。
一番簡単な例からはじめよう。先ず静的な電荷分布がある場合を扱う。
このとき、4次元電流は jμ=(ρ, 0)となる、電流は流れていないので空間成分はゼロである。これを電磁場の運動方程式 ∂μ Fμν=jν に代入する。

ν=i の式から  → ∂μ Fμi =0
ν=0 の式から  → ∂μ Fμ0 =ρ(x)

の二つの式がでる。

さて、ここで静的な電磁場に対する答えが知りたいわけだ(補足)。よって電磁場に対する運動方程式で時間微分 ∂0の項は落としてよい。


ν=i の式から  → ∂i F i j =0
ν=0 の式から  → ∂i F i 0 =ρ(x)

電場と磁場の定義をおもいだせば、第一式が磁場に対する方程式で、二つめが電場に対する式であることが分かる。第一の式を見て磁場Bi=Fjk=(F23, F31, F12)がゼロならこの方程式を満足する事は直ぐにわかる。他に解がないか?という心配はあるだろうが、ここでは解の一意性を信じておこう。(気になる読者がいたらどこかで証明することにする)。

ν=i の式から  → ∂i Fij=0  → Bi=0
ν=0 の式から  → ∂i Ei=ρ(x)

さて二番目の式は電荷の分布が与えらると電場Eに対する答えを与えてくれるはずだ。ここではデルタ関数とフーリエ変換の知識を用いて便利な公式を得ておく(以下を数学的に難しいと感じた読者はぜひどこら辺が難しいのか教えて下さい)。 先ず、微分演算子を右辺に移動してやる。

Ei(x)=1/∂iρ(x)

式が煩雑になるので、添え字のiを省略してベクトルを示す太文字で使っておこう。

E(x)=1/ ρ(x)

太文字の微分逆演算子が入っているが、これがi成分の添え字を持っていることを忘れないで欲しい。意味は記号のまま、微分の逆になる演算子ということです。ここで技巧的ではあるが、デルタ関数を入れて右辺を変形してやる。逆微分1/は座標xに作用するものだということに注意して欲しい。

E(x)=1/∫dy [ δ(x-y) ] ρ(y)
=∫dy ρ(y) [1/ δ(x-y) ]
=∫dy ρ(y) [r/r3]   (r=x-y)

微分の逆をデルタ関数に作用させたものがなぜ、r/r3なのか、説明が要るところだ。数学的なテクニックは大事だが、物理数学の説明で話の流れが曖昧になるのをさけたいので、この事については物理数学の記事にアップする。まとめておこう。静電荷分布が与えられたときの電磁場の分布は
----------------------------------------------------------------
jμ(t,x)=(ρ(x), 0)



(1) B(x)=0

(2) E(x)=∫dy ρ(y) [r/r3]   (r=x-y)
----------------------------------------------------------------

つまり静電荷分布では磁場は生じず、電場だけがクーロンの法則にしたがって電荷のまわりに分布するというよく知られた結果だ。

私の意見ではあるが、ここでやった事が自分で導出できるにこした事はないが、そうである必要もないし、まる覚えする必要もない。実際の社会で何も手元になくこれらの公式を導出する必要に迫られることはないのだ。必要なら参考書やノートを見て、これらの式が使いこなせるのならそれで良い(補足)。結局ゲージ場を使った定式化をやっても、普通の電磁気じゃないかといわれると、そうなのだ言うしかない。私が言いたい事は、スッキリした理解があればそれで良いわけで、それはゲージ場を使った定式化が便利だというだけだ。4つもあるMaxwell方程式をみて、どれを使えば問題が解けるかなどと悩むのはスッキリした理解がないことなのだ。ここでは電磁場の基本方程式は1つ(もちろん成分を考えると4つ)なのだ。これを使うしかない、悩む必要はない。ただそれだけの事だ。

補足:電荷分布が時間によらないからといって、電場磁場が時間によらないというわけではない。なぜなら、電磁波が存在するからだ。電荷の分布などとは関係なく遠くから飛んでくる解が電磁波だ。しかしここでは、静電荷が作る電磁場に興味があるので、そういった解は除外しておく。

補足:残念ながら、試験では参考書などは使えないのだ。だから受験や大学での試験を受ける人は頑張って公式を覚えてください(笑)。しかしながら物理では覚えるよりも、演習を数多く解く方が良い。自然に覚えた知識が最も役に立つようだ。
社会で仕事をこなす時には、参考書や資料があるのが普通なのだが、自分で導出できることが必要とされる職業もある。そういった意味では2種類のテストがあってもよさそうなのだ、資料,参考書有りと無しのテストだ。 
しかしながら、どっちでやっても大した差はでないと思われる。つまりテストは努力したかどうかをテストしているような気がするのだ。

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