2017-11

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≪ WKBJ 5 古典近似 ALL Airy関数の理論 その2 ≫

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Airy関数の理論 その1

量子力学のWKBJ近似の話で、求めた漸近解をトンネリング・ポイントを超えて接続する必要がでてきます。そこで活躍するのがAiry関数の知識です。Airy関数とは、微分方程式

y''(x)-xy(x)=0

の解で、物理学者Airyによって研究された特殊関数です。Airy関数を使わずに漸近解を接続することも可能で、その方法は例えばランダウの量子力学には詳しく解説されています。しかし、やはりすっきりとした理解を得るためには一度Airy関数を経由したWKBJ解の接続を知っておくべきだと思います。

ということで早速手元にある岩波公式集を開きAiry関数についての公式を探してみました。しかし残念ながらAiry関数に関する説明はないようです。一つ見つかったのはAiryの積分という、積分公式だけで、それは確かにAiry関数の積分による定義でしたが、答えをベッセル関数で表現して終わりでした。 ベッセル関数に帰着する特殊例という意味では、Airy関数が必ずしも必要とは言いませんが、物理の応用上大事な関数なので一ページくらい割いても良かったんじゃないのかな・・・とちょっと不満です。Airy関数の漸近公式が知りたかったんですが、自分で手を動かしてベッセル関数から最導出するのはちょっと面倒そう。ということでネット検索をしてMathWorldで色々と公式を見つけました。一応公式はWolframのサイトにあるもので十分ですが、一度は自分で導出しておくべきだろうと思うので二回程度の記事でまとめておきたいと思います。


それでは、Airy関数の性質を最初に挙げた微分方程式から導出してみます。先ず微分方程式にy(x)=∫dk Y(k)exp(ikx) のフーリエ変換を代入してみます。ここでは数学的な厳密性にはかまわず、微分を積分の中に入れてみます。

y''(x)-xy(x)
=∫dk Y(k)[ d2/dx2 - x ] exp(ikx) 
=∫dk Y(k)[ -k2 - x ] exp(ikx) 

二項目にxが入っていますが、この項を部分積分を使って次のように書き直しておきます。

二項目
= -∫dk Y(k) x exp(ikx)
= i∫dk Y(k) d/dk exp(ikx)
= i[ Y(k) exp(ikx) ] - i∫dk Y’(k) exp(ikx)
= - i∫dk Y’(k) exp(ikx)
 
表面項は消えると仮定していますが、もともとのフーリエ変換が収束するなら当然成立するものです。よってAiryの微分方程式は次のように書き換えられました。

0=∫dk [ -k2Y(k) - iY’(k) ]exp(ikx)

→ k2Y(k) + iY’(k)=0

この一回微分方程式は簡単に解けます。答えは

Y(k)= C exp(i/3 k3)

これをフーリエ変換に代入すると求めるべき答え

y(x)=∫dk Y(k) exp(ikx)= C∫dk exp( ikx + i/3 k3)

と決まりました。 規格化定数はあまり意味がないのでここでは1/(2π)と選んでおきます。Airy関数は次のように定義されるものです


Ai(x)=(2π)-1[-∞,∞]dk exp( ikx + i/3 k3)


被積分関数の対称性を使えば

Ai(x)=(π)-1[0,∞]dk cos( kx + 1/3 k3)

と書くことができます。

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