2017-11

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≪ Airy関数の理論 その1 ALL Airy関数の理論 その3 ≫

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Airy関数の理論 その2

前回はAiryの微分方程式をフーリエ変換を使って解きました。答えは次の積分で定義されるAiry関数となります。

Ai(x) = 1/(2π)∫C dk exp(ik3/3+ikx) =1/(π)∫C+ dk cos(k3/3+kx)

ここで積分領域は C=[-∞,+∞]、C+=[0,+∞]とします。
Airy関数の振る舞いを図で見てみましょう。x>0の領域ではスムーズにゼロに漸近しているようです。しかしx<0の方では振動解です。ゆっくりと絶対値は小さくなって行くようですが、どうなんでしょう。xが大きい場合のAiry関数の振る舞いは、漸近展開を使って三回目の記事で調べようと思います。



今回の主題は、漸近解析のための準備で、Airy関数の積分表示を調べてみようと思います。またAiryの微分方程式のもう一つの解、Bi(x)と書かれる独立解についても触れたいと思います。

さてAiの積分表示ですが、被積分関数が振動型でこの積分は非常に取り扱いにくいものです。特に数値計算をするなら、このまま扱ってはいけません。被積分関数を複素平面に拡張してもう少し一般化します。具体的には、積分変数kを複素平面に拡張して積分経路を変更してみます。その場合、積分が収束するためには、指数関数の肩 iφ(k)=ik3/3+ikx が k→∞の場合に収束因子を与える事が必要です。そのためには、kの無限遠点で

Re(iφ(k)) ~ Re(ik3) < 0

が成立していなければなりません。今、kは複素数へ拡張されていますからk=| k |eと書くと

Re(ik3) = -|k|3sin(3θ) < 0

この条件を解くと次の3つの領域が許されることになります。

(I)  0 < θ < π/3
(II) 2/3 π < θ < π
(III) 4/3 π < θ < 2π

積分経路として避けるべき領域を深緑のカラーで塗りつぶしたのが下の図です。これらは指数関数が | k |3 `で増大するために無限遠点での振る舞いが悪く、積分経路はこの領域を通っても構いませんが積分が収束するためにはk→∞では速やかにこの領域からでなければなりません。緑で覆われていない領域は指数関数の肩が -| k |3 < 0 なので積分の収束性が非常に良い領域です。 モノトーンで暗いところほど被積分関数が指数関数的に小さくなることを示しています。

20071003102217.gif


Airy関数を定義したもともとの経路Cは緑の領域の淵を通っています。これが被積分関数がcos(k3/3+zk)で振動して積分の収束性が良くないことに対応しています。そこでもっと収束性が良いように積分経路を変更した一例が赤で示されたC' の経路です。この経路は|k|→∞で黒い領域へと入っていきます、つまり指数関数が急激に小さくなりそれにつられて積分も急激に収束します。このように積分経路を自由に変更する自由度は、その値を数値的に評価するとき、また漸近解析を行う場合に非常に重要な性質です。 

20071003102206.gif


今までの議論で一つ抜け落ちた箇所があります。それは上の図で経路をCからC'へ変更する際に、通常ならコーシーの積分定理を使い、被積分関数の解析的領域での積分経路の変更を行うステップです。議論されなかったのは二つのC, C'経路をつなぐ余分な経路が図の右端と左端にあるはずで、それらが無視できることを証明しなければなりません。これは宿題ということにしておきます。

もう一つ気がつくのは、積分の収束性の議論から積分経路として許される領域が複素平面でx軸の下にも存在します。この経路をとって積分したものは本のCで積分したものとは別の関数となります。何故なら緑で塗りつぶされた領域で割かれているために、経路をCから変形してくることが不可能だからです。しかしこの経路を使った積分もAiryの微分方程式を満たすことは、ほぼ明らかでしょう。つまりこれが第二の独立解AiryのBi関数を与えます。それは

Bi(x) ~∫[-∞, 0] dk exp(ik3/3+ikx)+∫[0, -i∞] dk exp(ik3/3+ikx)
= ∫[0, ∞] dk cos(k3/3+kx) -i ∫[0, ∞] dk [ sin(k3/3+kx) + exp(-k3/3+kx)]

となります。この標識の虚数部分だけをとって、規格化定数を調整すれば、これがAiryのBi関数です。(実部はAiry関数に一致する)

Bi(x) = 1/π∫[0, ∞] dk [ sin(k3/3+kx) + exp(-k3/3+kx)]

20071003102152.gif

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