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電磁気学 その4 Maxwell 方程式との関係
ここで説明しているゲージ場を用いた電磁気学、基本となる方程式は一つである。忘れているかもしれないので一応書いておくと
∂μ Fμν = j ν
これ一本で電磁場の運動を記述するのである。もちろんFμνやjνの意味をしらないと意味がないのだが、とにかく基本方程式は1つなのだ。
さて、ゲージ場を使った定式化から離れて、通常のMaxwell方程式をつかった電磁気学を見直してみよう。通常習う電磁場の基本方程式は4つあり、それらは方程式をまとめたMaxwellにちなんで、Maxwell方程式とよばれている。
この電磁気学ノートでMaxwell方程式について詳しく説明するつもりはないのだが、先人が残してくれた偉大な業績を眺めてみる価値はある。ゲージ場の導入から出発すると、あまりにも数学的に綺麗な式だけで物理が表現されるため、物理的な意味合いをおろそかにしないかという心配があるからだ。Maxwell方程式では電場や磁場がスタート地点である。そして電場磁場の満たすべき性質として
∇.E=ρ
∇.B=0
という方程式が課される。第一の式は電場の湧き出しの元は電荷であること、つまり電場は電荷の周りに分布する事を意味しており、第二の式は、磁場の湧き出しの元は自然界に存在しない(磁化がない)事を意味している。これらの式は、電荷や磁化に対する境界条件であって、電磁場の時間的な変化を決定するものではない。なぜならこの式には時間が関係していないからだ。電磁場の時間的な変化を決定する方程式は
∂0 B + ∇×E =0
∂0 E - ∇×B =j
である。誤解のないように注意したいのは、ゲージ場を使った定式化は数学的に綺麗な表現をあたえ相対性理論や量子論とも相性がいいのだが、古典的な電磁場の振る舞いに関するかぎりMaxwell方程式の地位を脅かすものではない。つまり、ゲージ場を使った定式化は、通常の古典電磁気学を含む、つまりMaxwell方程式を含む理論なのだ。それではゲージ場を使った定式化の内にどのようにMaxwell方程式が隠されているのだろうか? これはゲージ場を使った定式化を理解するうえでも、通常の電磁気学との関係を理解する上でも重要なことであろう。
そこで今回は4つの方程式としてまとめられたMaxwell方程式をゲージ場の立場から説明しておこうと思う。電場と磁場を使った通常の電磁気学がゲージ場の方法とどのように関係しているのか見ておくのも教育的だろう。忘れた読者のために電場と磁場がゲージ場の回転であったことを書いておこう。
Ei=Fi0=∂i A0-∂0 Ai
Bi=Fjk=∂j Ak-∂k Aj (εijk=1となるijk)
ここでFμνはゲージ場の回転と呼ばれ、我々が電磁場として観測するE,B場は回転の成分であった。
先ずゲージ場の運動方程式は4つ成分がある、書き下してみると
∂μ Fμν = j ν → ∂i Fi0 = ρ と ∂0 F0i+∂i Fik=jk
という二つの方程式である。 ベクトル表現を使って書けば、これらの方程式は
∇.E=ρ と -∂0 E +∇×B=j
となってMaxwell方程式の2つが出てくる。メデタクMaxwell方程式の2つがゲージ場の運動方程式からでてきた。さて残された2つのMaxwell方程式はゲージ場を使った定式かからどのようにして出てくるのだろうか?
考えてみるとゲージ場を使った定式化では電場も磁場もゲージ場Aから作られる二次的なものだったということに気がつく。つまり、電場と磁場には既になんらかの関係があるはずなのだ。なぜなら、元は一つのゲージ場なのだから。例えば磁場とは何かということを考えてみる。磁場はゲージ場の回転であった
Bi=εijk Fjk
ベクトル解析でよく知られた性質として回転という量の発散はゼロである(補足)。よって
∇.B=0 ⇔ Bi=Fjk (εijk=+1)
つまり磁場の湧き出しがないということは、磁場の定義そのものなのである。つまりゲージ場の回転として定義された量が磁場であり、それゆえに磁場の発散はいつもゼロなのだ。一昔前の洗濯機を知っている人なら回転している渦を何度も見ているだろう。渦には始まりも終わりもない、ただ渦が回っているのだ。ゲージ場の渦として定義された磁場にはそれを生み出す元がないのはそういうことだ。
これでMaxwell方程式の3つがゲージ場の定式化から導出された。残る一つは電場に関するものだが、これにはちょっとしテクニックがいるのだが、難しいというほどではない。電場の回転を取ってみる、回転というのは∂をイプシロン・テンソルで縮約した量ということである。
∇×E=εijk∂j Fk0
=εijk∂j(∂k A0-∂0 Ak)
=-εijk∂j∂0 Ak
=-∂0 εijk∂j Ak
=-∂0Bi
ベクトル表記を使うと、
∇×E+∂0 B=0
となりめでたく4つ目のMaxwell方程式が導出される。この式は直感的に理解するのは難しいだろう。4次元回転(時間回転+空間回転)に対する式だからだ。イメージはわかないのだが、電磁場はゲージ場から作られた2次的な量であるということから出てくる電場と磁場に関する関係式なのだ。
さて、Maxwell方程式の2つはゲージ場の運動方程式に含まれていて、残る2つは電磁場がゲージ場から作られる2次的な量だあることから生じる関係式だったのだ。この事が理解できた読者なら、「電磁気学をゲージ場だけ使って定式化したら簡単ではないか?」と思うのは当然だろう。まさにそうなのだ。少なくとも理論的な面においては、ゲージ場を使った方法が簡単であるし、物理の本質を理解するうえでも優れている。
電場と磁場と考えて、それらの間に関係式があって・・・・Maxwell方程式を解いて、というまどろっこしい方法ではなく、我々は
1)運動方程式からゲージ場を計算する
2)ゲージ場から電場磁場を計算する(微分するだけなのだからそう難しくないだろう)
という方法で電磁気学の問題を解く。このほうが実は簡単なのである。
また後に議論する電波の性質などを議論する際も私はゲージ場の方法のほうが優れていると思う。例えば通常の電波と磁場のイメージは、電場が時間的変化が磁場を生み出し、生み出された磁場の時間的な変化があらたな電場を生み出すというふうに理解するだろう。その理解に間違いはないのだが、ゲージを使った見方では伝播する波はゲージ場である。
電磁波の問題で実際に計算をしてみると、ゲージ場を使った方法のほうがすっきりするということが分る。
(補足)回転の回転はゼロである。なぜなら
∇iBi=εijk ∇iFjk=εijk ∇i∇jAk=0
ここで、εijk∇i∇j=0を使った。
∂μ Fμν = j ν
これ一本で電磁場の運動を記述するのである。もちろんFμνやjνの意味をしらないと意味がないのだが、とにかく基本方程式は1つなのだ。
さて、ゲージ場を使った定式化から離れて、通常のMaxwell方程式をつかった電磁気学を見直してみよう。通常習う電磁場の基本方程式は4つあり、それらは方程式をまとめたMaxwellにちなんで、Maxwell方程式とよばれている。
この電磁気学ノートでMaxwell方程式について詳しく説明するつもりはないのだが、先人が残してくれた偉大な業績を眺めてみる価値はある。ゲージ場の導入から出発すると、あまりにも数学的に綺麗な式だけで物理が表現されるため、物理的な意味合いをおろそかにしないかという心配があるからだ。Maxwell方程式では電場や磁場がスタート地点である。そして電場磁場の満たすべき性質として
∇.E=ρ
∇.B=0
という方程式が課される。第一の式は電場の湧き出しの元は電荷であること、つまり電場は電荷の周りに分布する事を意味しており、第二の式は、磁場の湧き出しの元は自然界に存在しない(磁化がない)事を意味している。これらの式は、電荷や磁化に対する境界条件であって、電磁場の時間的な変化を決定するものではない。なぜならこの式には時間が関係していないからだ。電磁場の時間的な変化を決定する方程式は
∂0 B + ∇×E =0
∂0 E - ∇×B =j
である。誤解のないように注意したいのは、ゲージ場を使った定式化は数学的に綺麗な表現をあたえ相対性理論や量子論とも相性がいいのだが、古典的な電磁場の振る舞いに関するかぎりMaxwell方程式の地位を脅かすものではない。つまり、ゲージ場を使った定式化は、通常の古典電磁気学を含む、つまりMaxwell方程式を含む理論なのだ。それではゲージ場を使った定式化の内にどのようにMaxwell方程式が隠されているのだろうか? これはゲージ場を使った定式化を理解するうえでも、通常の電磁気学との関係を理解する上でも重要なことであろう。
そこで今回は4つの方程式としてまとめられたMaxwell方程式をゲージ場の立場から説明しておこうと思う。電場と磁場を使った通常の電磁気学がゲージ場の方法とどのように関係しているのか見ておくのも教育的だろう。忘れた読者のために電場と磁場がゲージ場の回転であったことを書いておこう。
Ei=Fi0=∂i A0-∂0 Ai
Bi=Fjk=∂j Ak-∂k Aj (εijk=1となるijk)
ここでFμνはゲージ場の回転と呼ばれ、我々が電磁場として観測するE,B場は回転の成分であった。
先ずゲージ場の運動方程式は4つ成分がある、書き下してみると
∂μ Fμν = j ν → ∂i Fi0 = ρ と ∂0 F0i+∂i Fik=jk
という二つの方程式である。 ベクトル表現を使って書けば、これらの方程式は
∇.E=ρ と -∂0 E +∇×B=j
となってMaxwell方程式の2つが出てくる。メデタクMaxwell方程式の2つがゲージ場の運動方程式からでてきた。さて残された2つのMaxwell方程式はゲージ場を使った定式かからどのようにして出てくるのだろうか?
考えてみるとゲージ場を使った定式化では電場も磁場もゲージ場Aから作られる二次的なものだったということに気がつく。つまり、電場と磁場には既になんらかの関係があるはずなのだ。なぜなら、元は一つのゲージ場なのだから。例えば磁場とは何かということを考えてみる。磁場はゲージ場の回転であった
Bi=εijk Fjk
ベクトル解析でよく知られた性質として回転という量の発散はゼロである(補足)。よって
∇.B=0 ⇔ Bi=Fjk (εijk=+1)
つまり磁場の湧き出しがないということは、磁場の定義そのものなのである。つまりゲージ場の回転として定義された量が磁場であり、それゆえに磁場の発散はいつもゼロなのだ。一昔前の洗濯機を知っている人なら回転している渦を何度も見ているだろう。渦には始まりも終わりもない、ただ渦が回っているのだ。ゲージ場の渦として定義された磁場にはそれを生み出す元がないのはそういうことだ。
これでMaxwell方程式の3つがゲージ場の定式化から導出された。残る一つは電場に関するものだが、これにはちょっとしテクニックがいるのだが、難しいというほどではない。電場の回転を取ってみる、回転というのは∂をイプシロン・テンソルで縮約した量ということである。
∇×E=εijk∂j Fk0
=εijk∂j(∂k A0-∂0 Ak)
=-εijk∂j∂0 Ak
=-∂0 εijk∂j Ak
=-∂0Bi
ベクトル表記を使うと、
∇×E+∂0 B=0
となりめでたく4つ目のMaxwell方程式が導出される。この式は直感的に理解するのは難しいだろう。4次元回転(時間回転+空間回転)に対する式だからだ。イメージはわかないのだが、電磁場はゲージ場から作られた2次的な量であるということから出てくる電場と磁場に関する関係式なのだ。
さて、Maxwell方程式の2つはゲージ場の運動方程式に含まれていて、残る2つは電磁場がゲージ場から作られる2次的な量だあることから生じる関係式だったのだ。この事が理解できた読者なら、「電磁気学をゲージ場だけ使って定式化したら簡単ではないか?」と思うのは当然だろう。まさにそうなのだ。少なくとも理論的な面においては、ゲージ場を使った方法が簡単であるし、物理の本質を理解するうえでも優れている。
電場と磁場と考えて、それらの間に関係式があって・・・・Maxwell方程式を解いて、というまどろっこしい方法ではなく、我々は
1)運動方程式からゲージ場を計算する
2)ゲージ場から電場磁場を計算する(微分するだけなのだからそう難しくないだろう)
という方法で電磁気学の問題を解く。このほうが実は簡単なのである。
また後に議論する電波の性質などを議論する際も私はゲージ場の方法のほうが優れていると思う。例えば通常の電波と磁場のイメージは、電場が時間的変化が磁場を生み出し、生み出された磁場の時間的な変化があらたな電場を生み出すというふうに理解するだろう。その理解に間違いはないのだが、ゲージを使った見方では伝播する波はゲージ場である。
電磁波の問題で実際に計算をしてみると、ゲージ場を使った方法のほうがすっきりするということが分る。
(補足)回転の回転はゼロである。なぜなら
∇iBi=εijk ∇iFjk=εijk ∇i∇jAk=0
ここで、εijk∇i∇j=0を使った。
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