2017-07

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≪ 直感と論理のはざまで 2 ALL identifyせよ ≫

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直感と論理のはざまで 3

第三夜


イプシロン・デルタ論法は直感的に分かり辛いというのが、よく言われることではある。確かに一見分かり辛いことを承知のうえで、実はそう難しいことを言っているわけでもないだろうという事を書きたい。

突然クイズだが、当たると賞金100万円!


司会者:「さあ、問題です。箱の中に私の所持金を入れました。さあ、金額を当ててもらいましょう!」


これは難しい・・・。100万円が懸かっている。当てずっぽうにしても少しばかりドキドキするだろう。


司会者:「これではあまりにも難しいですから、ヒントあげましょう。」


やはり、TV番組なので面白くしなければならない。視聴者に夢を売る商売であるから、TV局も多少のリスクを負うべきだ。視聴率を上げるためには。


司会者:「1万より上をいうと外れます。」


ほほう、TV司会者といってもそれくらいしか小遣いを持っていないのだななどと関心しつつ、5,000円くらいにしようか、それとも9,980円などと半端にしようか。悩んでしまう。


司会者:「いや、これくらいのヒントじゃかわいそうですから、もう一つ」


司会者:「一万円より下をいうと、これまた外れますよ。」


解答者:「え!? 一万円より上はダメ、下もダメ・・・」


    「それはつまりのところ正解は1万円ではないのか?」


司会者:「ファイナル・アンサー?」


解答者:「いやいや、馬鹿な、そんな単純なヒントであるはずがない・・・・。どうしようか・・・・」


 


とまあ、こんな馬鹿な例えで申し訳ないが、イプシロン・デルタ論法はそういったものである。


==================================


イプシロン・デルタ論法:有限ではあるが任意のεに対して、x0に十分近いxを取れば | f(x)-a| をεよりも小さくできることを主張する。ただし「x0に十分近いx」というのは | x- x0| < δ となるようなxの事であり、δの具体的な値はεを決めてくれれば、それに伴って決定して差し上げましょうという態度である。


 更にくだけた言い方だと、f(x)の値はx0±δの範囲では殆どaだり、その誤差は| f(x) - a| < εで抑えられるという感じだろう。 何とも、人間味のある論法ではないか。所詮我々は限られた時間の中で生きる存在。「ある点に無限に近づく」とか、「極限操作をとる」などということは実際上できない。言ってしまえば極限操作などは全て妄想の世界である。我々の人生が無限にあればできるであろう、またできそうに思える操作という程度の事だ。イプシロン・デルタ論法ではそういった無限のステップを行うことなく、


「あなたが望むならいくらでもf(x)をaという値に近づけてお見せしましょう。ただし、どのくらい近づけるかを指定してくださればの話ですが」


と主張するわけである。トリックは「任意のεに対して」というオマジナイを唱えるところにある。なんとも人間的な論理だと感じないだろうか?


 

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