2008-05

古典力学の理想的状況について 3 の補足

時間が経ってから前回の記事を読み直すと、式変形が複雑するぎると思った。
通常のエネルギー保存則の導出方法に従えば式変形を簡素化できるのだが、そのことに気がついてなかったため回りくどい方法を取っている。ここに通常の方法を書いておく。


まず質量mとMの惑星1、2の運動方程式は

d/dt ( m1 x'1 ) = F1

d/dt ( m2 x'2 ) = F2

相対座標など使わずに、これらの式をそのまま使ってエネルギー保存則を出した方が簡単そうである。 其々にx'1, x'2を掛けて整理すると

(1/2) d/dt ( m1 x'1 2 ) = x'1 F1

(1/2) d/dt ( m2 x'2 2 ) = x'2 F2

この両辺を足して、作用反作用の法則 F1= - F2を使えば

d/dt [ (m1/2) x'12 + (m2/2) x'2 2 ] = F1 d/dt ( x1 - x2 )

右辺を移項して時間で積分したものエネルギー保存則と呼ぶのであった。この時点で相対座標 r =x1-x2を導入して右辺の力に関する線積分を書き直して(更に負号を掛けて)それをポテンシャルV(r) と呼ぶ。 また速度の二乗に質量(の1/2)を掛けた量を運動エネルギーTと呼ぶ。それらの定義は

T1 = (m1/2) x'12
T2 = (m2/2) x'2 2
V(r) = -∫r F 1 dr

よって上の式はこれら全てを加えた力学的エネルギー保存の法則

d/dt [ T1 + T2+ V(r) ] = 0

を導く。繰り返しになるが

====================================================
次のように定義された力学的エネルギーEは保存する:

E = T1 + T2+ V(r)  
====================================================

さてここで物体2の質量m2が大きく無限大になる極限を取るとどうなるかを示す必要がある。 そこで初めて前回の議論に戻って重心座標と相対座標を持ち出せばよいだろう。それは省くとして結果は

limm2→∞ T2 = 0

なので重い方の運動エネルギーは考慮する必要がない(これが運動量保存則との大きな違いでした)。 そして相対座標 r = x1-x2 においても x2=0として宜しいというのが前回やった事です。つまりこの極限操作では重い方の物体の運動の効果が、エネルギー保存則の式でどんどん小さくなるわけで r = x1 と見なしてよいことになります。そしてエネルギー保存則は

====================================================
質量m2が大きい極限では、次のように定義された力学的
エネルギーEは保存する:

E = T1 + V(r1)  
====================================================

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