2017-08

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≪ 波動関数の接続条件 δ関数ポテンシャル ALL 今でも輝くを放つ名曲たち 7 いちご白書」をもう一度 ≫

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δ関数

δ関数の定義として次のようなものが使われる


δ(x) = limε→0 ≡(1/π) [ε/(x22)]


この極限の意味を多少説明しておきたい。 便宜のために極限をとる前の関数を

δε(x) ≡(1/π) [ε/(x22)]

と定義しておこう。さてここで単純にεをゼロと取ると δ0(x) =0 となるが、これはxがゼロの場合を考慮していないので注意深くやると

limε→0δε(x) =  0  (x≠0)、 ∞ (x=0)

という二つの「値」がでる。数学的には∞を値と言ってはいけないのだろうが大目に見て欲しい。
さて、εのゼロの極限そのまま取ると、われわれの持つδ関数のイメージ 「x=0に非常に高いピークを持つ関数」 には当てはまるが数学的にはおかしな事になってしまう。このことをもって通常δ関数が普通の意味での関数ではなく超関数と呼ばれる。

ここでは難しいことをいうつもりはない。このεをゼロにする極限について

「適当に小さく取ればいいんだよ」

という事を説明したいだけなのだ。 つまり何もゼロにする必要はないのである。それにゼロにするといろいろと難しい問題が起こることもある。 ゼロではなく有限で、適当に小さい値を取れば良いのだと思えば、難しい事(例えば極限操作の交換とか微分積分の交換とか)がかなり理解しやすい。
早速具体例でいこう。 今デルタ関数を含む積分

F=∫cos(aπx)δε(x) dx =exp(-a*ε)


を考えているとしよう(積分領域は(-∞、∞)とする。この積分は計算できる。
さて下図に cos(πx) ,  cos(πx/5)と δε(x) の ε=1/10, 1/100を描いた。破線がcosカーブで赤い方がε=1/10のδε(x) 、青い方がε=1/100である。 
delvscos.jpg


図を見てもらえば分かると思うが、cos(πx/5) (うねりの少ない方のコサインカーブ) に対してはε=1/10, 1/100のどちらのδε(x)を使った積分でも答えは大体同じである。 実際

F=0.980 (ε=0.1)
F=0.998 (ε=0.01)

である。どちらもほぼ1でそれはcos( a x) のx=0の値に近いのである。つまり

∫cos(aπx)δε(x) dx ≒ cos(aπx) |x=0 (a=1/5, ε=0.1,0.01)

と見なせるわけだ。しかし、うねりの多いコサイン・カーブの方では

F=0.905 (ε=0.1)
F=0.990 (ε=0.01)

でε=0.1の方では誤差が10%もある。つまりこの場合はε=0.01程度には小さく取らないとデルタ関数公式を近似的ににも満足させることができない。 この事は数学的には単なる近似が良いか悪いかという問題であるが、物理的にはもう少し違った理解が得られる。つまり

「δε(x) はεが注目している関数(または被積分関数)の揺らぎよりも細かくなればデルタ関数と見なせる。」

という事を意味している。物理的にはε=0の極限を取る必要は全くない訳である。適当に小さければ良いというのはそういう意味である。

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