2008-05

教訓

今や名前を知らない人も多いと思われるが、加川良の教訓 1は忘れてはならない一曲であろう。

日本のフォーク・ブームで一大スターとしてのし上がり、その後も芸能界で活躍を続けている吉田拓郎はすごいの一言だが、歴史に残る、そして歴史に残さなければならないような曲を作ったという意味では加川良の存在は大きい。

「教訓1」 加川良

命は一つ
人生は一回
だから命を捨てないようにね
慌てると、ついふらふらと
「お国のためなの」といわれるとね

青くなってしり込みなさい
逃げなさい、隠れなさい

お国は俺たち死んだとて
ずっと後まで残りますよね
失礼しましたで終わるだけ
命のスペアーはありませんよ

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これは名曲となどと軽々しく扱うことはできない。 詩がこれほどに力を持っているという事実、我々の心を震えさせる程の影響力があるのだということを考えると、良いとか悪いとか、そういうレベルのものではなく、凄いの一言である。

それが(恐らく)我々日本人にしか理解できないであろう複雑な感情を誘発するのは、我々とて先人の歩いてきた歴史の上に存在することを思い出させてくれる。 我々の祖父やその兄弟たちが、「お国のため」という大儀名分のために命を落としていった事実。 彼らとて好きで死んでいったわけではない。親や兄弟、そして未来の子供たちのためという思いで戦場へ向かったであろう事を思うと胸が絞めつけられる思いである。 湾岸戦争、世界に蔓延るテロリズム、そういった現在でも平々凡々と過ごす我々はこの曲の持つ意味を考えるべき時に来ているように感じる。


ある日父がフィリピンでの戦没者名簿を本棚の奥に隠すのを見た。
祖父が名簿を見ると悲しみに暮れるというのである。
その後祖父は弟の死を確認することなくこの世を去った。
名簿に名前が載っていればけじめをつけることができたのだろうが、
どこを探しても弟の名前は見つけることができなかったという。
結局のところ祖父の中では終戦など訪れなかったのであろうか?
天国では弟を見つけていると信じたい。
冥福を祈ります。

また今年も広島長崎の夏が訪れます。

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