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2024-03

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≪ ニコチン君復帰おめでとう ALL パリティー2 ≫

パリティー 1

パリティーという物理用語はどうもあらゆるところで使われているようだ。Googleで検索すると製品や会社名が多く出てくるようだ。 またパリティーという雑誌は物理好きの間ではある程度メジャーであろう。 私が初めてパリティーの正確な定義を知ったのは電磁気学の授業においてであった。その頃はそれがいったいどう役にたつんだ?という疑問を持ちつつ、何時もの如く《なんとなく理解》で済ました。 その後量子力学でもまたパリティーが現れた。 量子力学では結構パリティーの応用例が多いのでその有用性とともに理解も深まった。

パリティーとはパリティー変換(x,y,z)→(-x,-y,-z)に付随した保存量の事である。 系がパリテイ-変換の下で不変な場合には《パリテイ-対称》だとか《パリティー対称性がある》と言われる(補足)。 
一見単純なパリティー変換であるが物理的な応用に使い、分かったつもりになるまでそれなりに時間が掛かるのではないだろうか。私は多少苦労した覚えがある。 その理由として、パリティーという保存量は連続変換に付随したものではないのでネイターの定理から導かれる保存量とは異なること、 また具体的な問題を解く際には座標に対するパリティー変換以外にもベクトルやスカラーに対する変換性も知らなければならない事からくる複雑性が考えられる。

そういった点を踏まえながら、2,3回にわたってパリティーに関する解説を試みたい。内容としては
(1)なぜ対称性を考えるか
(2)で、パリティーって何?
(3)電磁気学での例
(4)量子力学での例
を考えている。

(補足)系が何らかの変換性に対して不変かどうかの判定はラグラジアンやハミルトニアン、または作用を使って行われる。よって正確には「系が対称性をもつ」というよりは「ラグラジアンが対称性を持つ」、「ハミルトニアンが対称性をもつ」 等と具体的に言うべきである。 ところが、ラグラジアンやハミルトニアンは自然を記述するために人間が考え出した量であるから、私としては、「系が対称性を持つ」と言った方が気持ちが良いのである。 ラグラジアンやハミルトニアンの対称性は人間が自然から得た知識、実験結果をうまく説明するように設定したものであるから、対称性は自然が本来持っていたという事に重点をおきたいわけだ。




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