2017-07

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≪ パリティー2 ALL どうなる? ゴキブリ ≫

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パリティー 3

具体的な例題にふれて理解を深めたいと思う。 ただしこの記事は全くの数学的なオモチャなので物理的な議論とは切り離して考えてほしい。 あえて数学的なオモチャを持ち出した理由は

①簡単な問題でパリティー変換になれる目的
②簡単な問題でパリティー値の定義がどのようにして決められてゆくのかを知るため

の二つである。 
ところが記事を書いていて分かった事だが、今回の単純な例題ですら多少込み入った事になる。
当初の目論見は「すごく簡単にパリティーが分かる例」を示す事であったが、残念ながらそれは達成できなかった。 まあ、それでも公開しとくか・・・・・・
さて、次のような微分方程式を考えよう。

d/dx f(x)= cos(x)

答えを求める前に与えられた方程式だけを見てf(x) の性質を整理しておこう。 先ず出発点は P: x → -x という変換を《考える》わけである。 何故そういった変換を考えるとかというと、それが有用だからという事くらいであろうか。兎にも角にもこの変換を上の方程式にほどこしてみよう。

d/d(-x) f(-x) = cos(-x) ⇒ d/dx [-f(-x)] = cos(x)

矢印の右側では[-f(-x)]に対する微分方程式のように書き直したが、これは元のf(-x)が満たす微分方程式と同じである。 するとf(x)とf(-x)は実は同じ関数ではないか

f(-x) =?= f(x)

という予想が生まれる。 ところが一回微分方程式は任意定数だけの自由度があるために、この予想は一般には成り立たずに

f(-x)=f(x)+C       (C=定数)

という関係までしかたどり着けない。 ところでパリティー値というものはパリティー変換をした際に元の関数と(±1)の因子だけ異なるという関数に対して定義するのであった。(実はそういうことをはっきりと書いてなかったが、そうなのである。よって今のままでは f(-x)=f(x)+C となるような関数にはパリティー値というものは定義できない。 微分方程式を解いてその事を具体的に示してみよう。

一回線形微分方程式であるから、その答えは

f(x)=sin(x)+c   (c=任意定数)

というのは、高校でも習うだろう。 一般解からは確かに f(-x)=f(x)+定数,であり、このままではパリティー値は定義されないようである。 そもそももともとの微分方程式を見るとf(x)の微分がcos(x)であり、これは偶関数である。 微分の逆は積分であり、偶関数の積分は奇関数であるから

f(x)=∫dx cos(x)=sin(x) ?

であれば良かったのだが、ここで任意定数cが入ってきて、「偶関数の積分は奇関数」という法則を壊してしまう。だからf(x)の答えは奇関数であるsin(x)と偶関数であるc(定数も隅関数に含める)との和となり、f(x)自体は偶関数、奇関数、どちらとも言えぬ中途半端なものになったというわけだ。


「それならばc=0の場合だけに限ってパリティー値を決めてしまえばよいだろう。」

という意見が出そうである。 うーん、そうだな・・・とあきらめてしまいそうになるが、コロンブスの卵的な発想があって、「それならばパリティー値を定義できるようにしてしまえ!」という事になる。 つまりパリティー変換はP:x→-x であったがf(x)に対するパリティー変換を考えるときには c→-cという変換も同時に行って P:f(x)→ -f(x) となるように「f(x)に対するパリティー変換を修正する」わけだ。

パリティー変換は座標に対する変換P:x→-x を考えたわけだが、関数f(x)に対してどういう変換が対応するかは自明ではなかったと言える。 よって f(x)に対してはx→-x という変換に加えてc→-cという付加的な変換を付け加えて、これはf(x)に対するパリティー変換と定義するわけである。 このことを明示的に

P:x→-x
P: f(x)→fP(-x)

と書いて更に

P(-x)≡-f(x)

となるようにf(x)に対するパリティー変換を定義することになる。 これでめでたくf(x)はパリティー値+1の関数であるといえることになる。 

さてこんな複雑な事をして何かメリットがあるのかということになるが、はっきりいってこの例ではあまりメリットがない(笑)。 多少言い訳をさせてもらうと、メリットがなくもないのだが、わざわざこんな大げさな事をしなくても良いということになるだろうか。 次回その(デ)メリットを考えてみよう。

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