2017-11

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≪ ダムの水位と流量 ALL 数 -自然数 2  ≫

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数  - 自然数 1

大分前になりますが、集合論に興味をもって入門書などを読み漁ったことがありました。
今でも時々雑学的に勉強していますが、なかなか敷居が高く、未だ全体像がつかめません。 それでも当初の目標であった数の定義くらいはなんとなく抵抗感がなくなってきたので、少しずつ理解を纏めていきたいと思います。 あまり壮大な目標を持ってきても挫折してしまうので、デデキントの切断を目安に数回の記事にしたいと思います。


さて、話を自然数からスタートしたいのですが、集合論の解説などでは自然数の存在さえも自明ではないようです。 そして数の出発点はゼロとなっているようです。 と、こんな出発点にすら躓いている状態なのですが、ゆっくりと行きましょう。  今から私たちは自然数を定義したいと思っているわけなので、あらゆる偏見や予備知識を一度捨ててみる事が必要です。すると、数(とりあえず自然数の0,1,2,3,4等々)というものは未だ存在しません。私たちは数を使わずに数を説明しなくてはなりません。 だから足し算や掛け算は相当に高度なことでして、それ以前に数とは何かという事を決めなくてはなりません。 今でこそ数を自由に使いこなす大人ですが、幼い子供に返って、数をどういうふうに捉えたら良いか、またはどういうふうに子供に教えたら良いか考えてください。

暫く考えると自然数の最も大事な性質は、「1、2、3、4、・・・」と数えたときの順番、つまり1の次が2で、2の次が3でという事に気づくでしょう。 だから2の定義は1の次の数、3の定義は2の次の数というふうに、全ての数は1から《その次》、《またその次》というふうに創ってゆけます。 また自然数の順序とは自然数の大小関係に他ならないことも分かるでしょう。 よって自然数とはあるものを基準にして作られ、大小関係の定まった数(又はそれに変わる抽象的何か)と言えるでしょう。

数学書(参照)にしたがって、自然数の出発点はゼロ集合のφ={}とします。 集合を表す括弧 { } の中には何も入っていないのがゼロ集合です(たんにゼロと呼んでも良いでしょう)。これは、中身の無い集合、つまり括弧だけなのです。 これをゼロだとするのはなんとなく頷けるでしょう。 説明を分かりやすくするために集合を表す括弧の事を 《箱》 と呼ぶ事にしましょう。 すると

ゼロは箱の中に何も入っていない: φ≡{}


《箱の中を開けてみると何もない》、これがゼロという事です。 次に1を定義したいのですが、1 という記号は使わない方が良いでしょう。 私たちは1をこれから定義したいのでその存在そのものを知りません。通常と同じ記法をつかうと混乱を生じますから。 そこで我々がこれから定義する一を①と書く事にしましょう。 そして①がゼロの次の数である事を定義したいのです。 それを数学書では

 ①は箱の中にゼロが入っている:  ①={φ} 


としています。 「ふむふむ」 ゼロの次の数を,《つまり1ですが》、箱の中にゼロが《一つ》入っているという状態で表しているとも読めるわけです。確かに1を使わずに、我々が素朴に持つ1という概念を表しています。 だって、箱の中にゼロ(=φ)が《一個》入っていますから。 こうやっていくと、自然数を定義するのに集合を表す括弧{ }、つまり箱の個数をうまく使っている事が分かります。 数が生まれた頃は一を木か土の上にでも傷を一つつけて表したりしたのではないでしょうか。
そして二は傷が二つ、三は傷が三つというように。 例えば

一: ヽ
二: ヽヽ
三: ヽヽヽ

という感じです。 今のところ、私たちは太古に数が誕生した頃と同じことを整理された方法で繰り返しているに過ぎません。 私たちの出発点はゼロ:φ={}であって、ゼロの次の数を表すために傷(ヽ)を増やすのではなく、ゼロを集合の要素に入れました。今のところ傷を増やす昔の方法と本質的に違うところはないようです。 それでは②を定義しますが、②は箱の中に①が入っている状態: ②={①} としてもいいのですが、通常の流儀にしたがって

②は箱の中にゼロと①が入る: ②={φ,①}


としておきます。 こうやって順番に数を作ってゆく作業が永遠に続きます。例えば⑩は

⑩は箱の中に①~⑨が入る:  ⑩={φ、①、②、③、…、⑧、⑨}


となります。なんとも退屈に思える作業ですが、自然数を定義するということは、このようにして順番に大きい数を作り出してゆく作業なのです。 ここでの私たちの方法は傷を増やして数を定義する方法よりも多少うまいやり方に思えます。なぜかは大きな数を考えれば分かります。 例えば上で示した⑩を見れば私たちは、これが⑨の次の数である事が直ぐに分かります。 傷をつける方法では

十: ヽヽヽヽヽヽヽヽヽヽ

が十に対応していますが、これが九=ヽヽヽヽヽヽヽヽヽの次の数だと一目で分かりますか? このように、私たちの定義した方法は単に傷を増やして新しい数を作るというものよりもは整理されているのです。後々足し算や引き算を考えるときにもそういった違いが見えてくるでしょう。

さて、このようにして作った自然数は、その構成から明らかなように大小関係をつける事ができます。④と⑤どっちが大きいかと聞かれれば

④={①、②、③}
⑤={①,②、③,④}

なので⑤は④を(その定義の中に)含んでいるので5の方が大きい!と言えるわけです。但し大小関係をしっかりと定義するためには、その判定の基準を数学の言葉で書く必要があります。 今のように「○○は△を含むので、○○の方が大きい」という言葉での説明を精密な規則に書き直す必要があります。ここでは、そういった細かい事は置いておいて取り合えず、「大小関係をつける事ができる」を認めて話を進めてゆきます。
 
こうやって行けば自然数が無数に定義できるということは分かってもらえると思います。唯、私を含め多くの人がここで説明した方法が「通常の自然数の概念」をどのように精密化したものなのか?または何故精密化する必要があったのかというようなところが気になると思います。そして私自身そのことが引っかかり大分悩みましたが、今はこうやって自然数を定義することが自然に思えているのです。 何故そう思えるかというのは、コンピューターでプログラムを書く事を想定してもらえると分かりやすいのではないかと思います。 コンピューターで自然数を定義するとしたら、どうしても何かを基本にして数を帰納的に定義してゆくしかないように思えるのです。そしてその出発点はゼロであり、帰納的な定義は上で書いたようにゼロから一つずつ大きな数を定義してゆくというものです。 もう少し説明を続けると、貴方が書いたプログラムを使って、誰かが1000000000+1という計算をしたいとします。貴方のプログラムには1000000000という数が定義されているでしょうか?もっと大きな数は? ここで帰納的な定義を使っておけばどんな大きな数も x=[x-1]+1 という一行で定義されてしまいます。 大きな数は一つ小さい数から1を足す事で得られるのです。 あ、今私たちは足し算を定義してませんでしたね。 多少話が前後してしまいました。 ここらで弟一回目を終了しましょう。

コメント

チルノさんへ

先ず,テクニカルなコメント:
そうですか、私の記事のような定義では厳密性が失われますか。
そうかもしれません。私には良くわかりません。どの箇所が厳密性
を壊してしまうか教えてください。厳密性と分かりやすさのバラン
スを取って記事に反映させたいと思います。

数学記事を書くさいの姿勢にかんして:
チルノさんは「まず、物理ノートだからといって、
数学のルールに従わなくて良いいうわけではないのでしょうか? 」
とコメントしました。全くその通りだと思います。60%くらい
チルノさんの意見に同意しますが、数学の解説記事をブログで書く
私の目的から言えば、チルノさんのように、ペアノの公理をここに
列挙して厳密な定義はこれだ的な記事に、私は興味がありません。
それなら専門書を読めば良いわけです。私がしたいことは,難しい
ことを噛み砕いて、「物理や数学に興味を持つ人(その多くはアマチュアです)
の役に立つことを伝える」、または多少の感動を伝えることがができ
たらベストです。そういったことを目標にしているので、ある程度
厳密性は犠牲にします。ただ常に厳密性を保ちつつ,分かりやすく
という努力はします。

チルノさんは、厳密に展開する方を好みますね。そしてそれは素晴
らしいことだと思います。数学書を読み,厳密な定義を理解して、
数学を自由自在に使いこなせたらなんと素晴らしいことでしょう。
私も,多くのアマチュアの数学愛好家や物理愛好家も同じように
感じることでしょう。ただ、アマチュアの方で、数学や物理を厳密に
理解出来ない人にだって、知的な好奇心というものはあります。
しかし、厳密な定義を理解するだけの情熱、能力、時間などのなにかが
欠けています。それでも、やはり数学や物理が好きなんです。
接していたいんです。 そういうこともあるんじゃないでしょうか、
と40代のおじさんが言っていたと頭の片隅に覚えていてくれたら
幸いです。

公理

まず、物理ノートだからといって、数学のルールに従わなくて良いいうわけではないのでしょうか?

このblogは、とてもかみ砕いて説明しててわかりやすいと思います。

しかし、自然数の定義は公理としてwell-definedでなければいけないです。

ここの書き方だと、単に「1の次は2だから2」と書いているのとほぼ等しいような気がします。

ペアノ自身は自然数を次の様に定義した。
′は後続数を表す記号とする。

1は自然数である。

どのような自然数nに対しても、n′は自然数である

どのような自然数nに対しても、n′≠1が成り立つ。

どのような自然数m、nに対しても、m′=n′ならばm=nである

自然数nに関する述語P(n.)で、(A)と(B)が成り立つとする。
(A)P(1)である
(B)どのような自然数kに対しても、P(k)ならばP(k′)である。このとき、どんな自然数nに対しても、P(n)が成り立つ。


このような、1′をいまの世界では「2」という名前をつけてよんでいます。


わかりやすい説明は、とても大切ですが、それ以上に数学は公理に基づいて定義しなければいけないと思いますが。

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