2017-06

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≪ どうなるゴキブリのヒント ALL フーリエ級数 2 ≫

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フーリエ級数1

理系必須のテクニック、フーリエ級数を解説したいと思いますが、フーリエ級数に関しては非常に多くの良書があると思うので詳細はテキストを参考にしてください。 (私自身は特に何かの本で勉強したわけではないので推薦できる本は知りません。) ここではフーリエ級数に関する定理として私がもっとも大事だと思っている、パーセバル・ヤコビの不等式について言及したいと思います。 考えるのは x∈[-1,1]の区間でのフーリエ級数です。

F(x) = c0/√2 + Σn cn cos(nΠx) + sn sin(nΠx)     

nの和はn=1,2,3,・・・・とします。 c0の部分だけ√2で割った形になっていて、美しくないのですが、後々の便宜上この形を採用します。  cnやsnはフーリエ級数で表現したい関数に依存した係数で、これを求める事が関数のフーリエ級数展開をする事に他なりません。 関数f(x)が与えられたときに、この係数を

Cn=∫dx cos(nΠx) f(x)     
(n=0だけ特別でC0=1/√2∫dx f(x)とします。)     

Sn=∫dx sin(nΠx) f(x)     

で決めてやれば(積分区間は[-1,1])これはf(x)のフーリエ級数表示となり、その場合のFを特にF=F[f](x)と書く事にします。初歩的な注意ですが、フーリエ級数の係数cnやsnはxに依存しない定数です。また後々の便宜のためf(x)から得られるフーリエ係数を大文字のCやSを使って表すと約束しておきます。

 さてフーリエ級数が元の関数とどのような関係になっているかを教えてくれる公式としてパーセバル・ベッセルの不等式というのがあります。 通常はパーセバルの等式とベッセルの不等式として区別して呼ばれているようですが、ここではまとめてパーセバル・ベッセルの不等式と呼ぶ事にします。  フーリエ級数に関して私が知っている定理はこれぐらいなのですが、非常に大事な定理だと思います。 証明も初等的に遂行できますから一度自分で計算をおってみてください。 

それではパーセバル・ベッセルの不等式を導出してみましょう。 パーセバル・ベッセルの不等式は二つの関数がどのくらい近いのか、関数としてどのくらい似ているのかを表す式です。 そこで「近い」とか「似かよっている」を定量的に測る指標を定義しなくてはなりませんが、その答えはデーター解析で用いるχ二乗検定そのものです。 二つの関数の距離は次の内積で定義しましょう。

d(f, g)=∫dx [ f(x)- g(x) ]2     

(dに距離という意味を持たせたい場合は右辺の二乗根を取ったほうが良いのでしょうが、ここでは数式入力が面倒なので√を取らずにdを定義しておきます。)

二つの関数が等しいなら f(x)=g(x) → d(f,g)=0 が分かります。一方、こうして定義された距離がゼロなら《大抵の関数に関してf(x)=g(x)》が成立するだろうと予想されます。《大抵の関数》というのは、恐らくその二乗積分がリーマン積分可能な関数だろうと思われますが、この点に関して私は正確な知識を持ちあわせていないことを白状しておきます。例えばf(x)-g(x)が有限個の点で異なっていてもルベーグ積分の意味ではd(f,g)=0となります。よって明らかに「d(f,g)=0→f(x)=g(x)」は一般には成立しませんが、リーマン積分可能な関数群なら多分「d(f,g)=0→f(x)=g(x)」が成立するのではないかと思われます(本当?)。 ともかく私たちはこの距離をもって二つの関数がどの程度似ているかを測ります。

さて関数f(x)とフーリエ級数F(x)の距離を測ってみましょう。 但しF(x)はサイン・コサイン関数の和でかける級数ではあるが今のところf(x)との関係は無いものとしておきます。 最終的にパーセバル・ベッセルの不等式からF(x)がf(x)のフーリエ級数 F(x)=F[f](x) の場合にf(x)とF(x)の距離がゼロになる事、即ち二つの関数は似通っている事を示したいと思います。 関数f(x)とF(x)の距離は

d=∫dx [f(x)-F(x)]2
= ∫dx [ f(x)2 + 2 f(x) F(x) + F(x)2]

となりますが、F(x)自身の二乗積分とF(x)f(x)の干渉項の積分にF(x)のフーリエ級数表示を代入します。三角関数の二乗積分が良く現れますので自分の公式集を作っておくと便利です。 ここでは証明抜きに次のような関係があることを認めます。

∫dx F(x)2 = Σn cn2 + Σn sn2         
∫dx f(x) F(x) = Σn cn Cnn sn Sn     

c0の項に現れる√2は通常のフーリエ変換と異なる流儀で定義しましたが、それはここでの式を見やすくする目的でした。 またここではn=0もΣの和の中に入っていると解釈してください。サイン関数に関してはn=0の項はゼロである事も考慮されています。 これらを使うとf(x)とF(x)の距離dは次のように変形できます。

d=∫dx [f(x)-F(x)]2
= ∫dx f(x)2n[ Cn2 + Sn 2] + Σn[(Cn-cn)2 +(Sn-sn)2 ]
≧∫dx f(x)2n[ Cn2 + Sn 2]    (等号はc=C, s=Sの場合です)

最後に現れたΣn[ Cn2 + Sn 2] は実は∫dx F[f](x)2 であることが、上の式からわかりますから

d(f、F) ≧ d(f,F[f])              

が示されました。つまり関数f(x)とサインやコサインの級数で表されるF(x)の距離は、F(x)の係数cやsがCnやSnで決まる、所謂f(x)のフーリエ係数のときに最小になる事が示されました。 また距離の二乗積分が正であること、 d(f,F) ≧ 0 を認めるならば

∫dx f(x)2 ≧ Σn[ Cn2 + Sn 2]      

が言えます。この 式で級数和を有限で止めたものをベッセルの不等式と呼んでフーリエ級数の収束性などの議論に使う事があります。

∫dx f(x)2 > Σ有限和[ Cn2 + Sn 2]  

またf(x)のフーリエ級数F[f](x)が元の関数と同じ、又はその距離がゼロである場合には

∫dx f(x)2 = Σ無限和[ Cn2 + Sn 2]    

をパーセバルの等式と呼びます。 通常、性質の良い関数の場合にはd=0 ⇔ f(x)=F[f](x)であって上の式は証明なしに使われます。

纏めるとパーセバル・ベッセルの不等式はf(x)サインやコサインを用いて分解できるとすれば、F(x)をそのフーリエ級数としたときにd(f、F)が最小になる、つまり元関数に最も近いことを主張します。

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