2017-04

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≪ ボルツマン分布 ALL 7月 ≫

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ボーズ分布

前回のボルツマン分布(補足1)を量子力学的なエネルギーの量子化と組み合わせるとボーズ分布とフェルミ分布という二つの重要な分布が得られる。ここではボーズ分布を導出する。量子力学的な調和振動子を考えよう。ハミルトニアンは

H = p2/(2m) + (m/2)w2 x2

で与えられる。このハミルトニアンを用いてシュレディンガー方程式を解くことによって離散化されたエネルギーの式

En = h w (n+1/2) = ε (n+1/2)

を得る。ここでhはプラク定数を2πで割った数とする、またε=hwは、調和振動子問題に現れるエネルギーの基本単位である。

取りうるエネルギーについてボルツマン分布を足し上げると

Z = Σn e-βEn
= e-βhw/2 (1+e-βhw+e-2βhw+....)
= e-βhw/2/[1-e-βhw]
= e-βε/2/[1-e-βε]

Zはボルツマン分布を全て足し上げると確率が1になるように規格化するための因子で

P(En) = e-βEn/Z = e-βεn [1-e-βε ]

はエネルギー状態がEnである確率を与える。nをエネルギー量子の個数だと考えると、エネルギー量子nの期待値は

< n >=Σn n P(En) = Σn n e-βεn [1-e-βhw ]
= [1-e-βε ] (-d/dx) Σn e-n x
= [1-e-βε ] (-d/dx) 1/[1-e-x]
= [1-e-βε ] e-x/[1-e-x]2
= 1/[eβε-1 ]

計算の都合上、途中でx=βεとおいて和を取った後に微分した。この式をボーズ粒子の粒子数密度に対する分布関数として、ボーズ分布と呼ぶ。

繰り返しになるが、温度Tにあるボーズ粒子の個数nに対する期待値< n >は以下の式で与えられ、これをボーズ分布とよぶ。

ボーズ分布: < n > = 1/[eε/(kT)-1]

ε = hw は一個のエネルギー量子が持つエネルギー。よって一体問題の量子力学ではεはある決まった数であった。例えば調和振動子ならhpwという振動数wの取りうる基本振動のエネルギー。この問題を多体問題へ拡張すると、空間には様々な角振動数wをもった振動子が存在すると考えることができる。つまりwは変数となることができる。そのような状況を考えるとボーズ分布をεの関数としてみることも可能である(下の図)。この考え方はもう少し説明が必要なのだがそれはまた別な機会にすることにしよう。
ボーズ分布の図

図には温度をkT=0.1, 1, 10 と変えた場合の粒子数の分布を、エネルギーεの関数として描いた。温度が低い場合には、はε=0の低エネルギー状態にだけ値を持つようになる。つまり全ての粒子がエネルギーのゼロ点に落ち込むというボーズ・アインシュタイン凝縮という現象である。これは電子のようなフェルミ粒子の場合とは異なるボーズ粒子の特徴である。

(補足1)ボルツマン分布 P(E)~e-βEはミクロカノニカル集団に等確率の仮定を持ち込めば導出が可能である。つまり「なぜボルツマン分布が成り立つのか?」という疑問にはもっともらしい答えを与えることができる。

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