2017-07

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≪ プラク分布と3K輻射 ALL 映画「ぐるりのこと」 ≫

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フェルミ統計

今回はパウリの排他原理に従うフェルミ粒子(何故かパウリ粒子とは呼ばれていない理由はよく知らない)についての統計分布を導く。これはフェルミ統計(又はフェルミ・ディラック統計)と呼ばれるものである。 ここでも場の量子化について詳しくはやらないが、フェルミ粒子というのは、その生成消滅演算子が反交換関係に従うものである。つまりフェルミ粒子の生成消滅演算子の代数は

{a, a}=1 , {a, a}=0

である。しかし、このような関係式から出発するのは面倒なので、ここではフェルミ粒子の取り得るエネルギー準位の結果だけを拝借するとしよう。 つまり、ここまで書いてきた数式は一切必要ない。我々に必要な情報はフェルミ粒子のエネルギー準位が

En = hw (n-1/2)

で与えられるという事であって、その導出過程などは言ってしまえばどうでも良い事なのである。この式は通常の調和振動子の答えと殆ど同じであって、異なるのはゼロ点エネルギーがE0= -hw/2である事(つまりボーズ粒子の場合と符号が異なる)。見かけ上の違いはこれだけである。ところがもっと本質的な違いは、量子数nの取りうる値がn=0,1の二通りだけに限られるということであう。その理由はフェルミ粒子の生成消滅演算子の性質、反交換関係にある。例えばフェルミ粒子が2個存在する状態|2>を作ろうとすると

|2> = (a)2 |0 >

であるが、実はこの状態はゼロである。何故なら {a,a}=0 → aa+aa=0 → aa=0 、この関係式の複素共役をとれば

(a)2 =0

この結果はフェルミ粒子が同じ状態に2個は入れないという排他原理と対応していて、そのの数学的表現がフェルミ粒子の反交換関係なのである。

さて、本題へ入っていこう。フェルミ粒子の取り得るエネルギー準位はボゾンの時とよく似ていて

En =hw (n -1/2)

(n=0, 1 )

また各状態の取り得る確率はボルツマン分布で与えられるので

P(En) = N e-βEn

ボルツマン分布の規格化因子は全ての状態についての和が1になれという要請からきまり N=1/[eβhw/2+e-βhw/2]である。フェルミ粒子系の粒子数分布は

< n > = Σn n P(En) = N e-βE1 =1/[eβhw+1]

となる。和を取る際にn=0の場合の寄与がゼロになるので実質n=1だけが結果に効いている。ボーズ粒子の場合と同じように一個のエネルギー量子が取りうるエネルギーhwをεと表しておくと

フェルミ分布: < n > = 1/ [eε/(kT) + 1]

となり、その分布を幾つかの温度に関して図にすると以下のようになる。
fermiparticledistribution

図からは、フェルミ粒子は温度が低くなるとε<0の状態にのみ存在することがわかる。またフェルミ粒子は一つの状態に一つの粒子しか入り得ないという事情から分布関数自体も ≦1となる。

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