物理の心? その6
少しだけ複雑な例を追加しておく。物理学科の学生なら種が何処にあるのか直ぐに分ると思うが、対称性の観点から問題を見直すと新しい発見があるかもしれないので、是非考えてほしい。 
宇宙空間において、無限に長い線が延びている(上図を参考)。さてこの線の周りで貴方は実験を始める。線に向かって電子を飛ばしてみるのだ。電子の飛んでいく方向が黒い矢印で示されている。そして電子の運動を観察する。すると不思議なことが分る、運動の方向が徐々に赤い矢印の方向へ変えられてゆくのだ(全ての矢印は一つの平面内にあるとする、また平面は説明のために描いただけで実際には存在しない)。前回「実験する前に対象性があるなら、実験の結果も対称なものでなくてはならない」という事を説明した。この実験では電子を飛ばす前には、引っくりかえした図と元の図で対称なように見える。よって電子を飛ばした実験の結果もひっくり返し対称性が成立する.......と予想されるのだが、実験結果はそれとは異なる(下の図参照:元の図とひっくり返した図)。

こういう運動は実際に存在しておりローレンツ力による運動と呼ばれる。簡単に話をまとめると
論理の流れ:
運動平面の表裏の区別がない、つまりひっくり返し対称性がある
→ 電子を飛ばす実験をすると左の図の運動のみが観測される
→ 実験の結果はひっくり返し対称性がない(赤い矢印が元の図と違う方向へ向いている。)
という事だ。 つまりこの例では「ひっくり返し対称性は破れている」ように思われる。それでは前回学んだ事と違うと怒る読者もいるだろうが、実はこの運動には種があるのだ。混乱する読者がいると困るのであっさり種明かしをしよう。実は上の論理の流れは最初の出発点が間違っている。ローレンツ力による運動ではひっくり返し対称性がもともとないのだ。ローレンツ力とは導線に電流が流れている時に、その周りを運動する電子に働く力だ。つまり上の図に描かれた無限に伸びる線には電流が流れている(下の図参考)。電流が流れを矢印で示すとひっくり返し対称性はもはや成立しなくなる事がわかるだろう。つまり実験する前に電流が流れていることに気がつけば、実験の結果にひっくり返し対称性がなくても何の不思議もないというわけだ。

かくして電流が流れているとひっくり返し対称性はもはや成り立たない。よって最初に説明したような左図の運動がいつも起こるという事も普遍性の要求と合致する。電流の流れている方向が分っているのだから、この実験では表裏の区別があるのだ。図を見れば一目瞭然だろう。電流の存在を知らない人にはとってはこれは対称性が破れているように見えるのだが、実はそうではなく「電流の存在自体が対称性を破る種なのだ」
記事を書いていて思ったが人に説明するのはなかなか難しい。特に顔の見えない相手に文章だけで説明するのは暗闇を手探りで進むようなものだ。この記事をより良いものにするために、分りづらい箇所を教えてもらえると有り難い。

宇宙空間において、無限に長い線が延びている(上図を参考)。さてこの線の周りで貴方は実験を始める。線に向かって電子を飛ばしてみるのだ。電子の飛んでいく方向が黒い矢印で示されている。そして電子の運動を観察する。すると不思議なことが分る、運動の方向が徐々に赤い矢印の方向へ変えられてゆくのだ(全ての矢印は一つの平面内にあるとする、また平面は説明のために描いただけで実際には存在しない)。前回「実験する前に対象性があるなら、実験の結果も対称なものでなくてはならない」という事を説明した。この実験では電子を飛ばす前には、引っくりかえした図と元の図で対称なように見える。よって電子を飛ばした実験の結果もひっくり返し対称性が成立する.......と予想されるのだが、実験結果はそれとは異なる(下の図参照:元の図とひっくり返した図)。

こういう運動は実際に存在しておりローレンツ力による運動と呼ばれる。簡単に話をまとめると
論理の流れ:
運動平面の表裏の区別がない、つまりひっくり返し対称性がある
→ 電子を飛ばす実験をすると左の図の運動のみが観測される
→ 実験の結果はひっくり返し対称性がない(赤い矢印が元の図と違う方向へ向いている。)
という事だ。 つまりこの例では「ひっくり返し対称性は破れている」ように思われる。それでは前回学んだ事と違うと怒る読者もいるだろうが、実はこの運動には種があるのだ。混乱する読者がいると困るのであっさり種明かしをしよう。実は上の論理の流れは最初の出発点が間違っている。ローレンツ力による運動ではひっくり返し対称性がもともとないのだ。ローレンツ力とは導線に電流が流れている時に、その周りを運動する電子に働く力だ。つまり上の図に描かれた無限に伸びる線には電流が流れている(下の図参考)。電流が流れを矢印で示すとひっくり返し対称性はもはや成立しなくなる事がわかるだろう。つまり実験する前に電流が流れていることに気がつけば、実験の結果にひっくり返し対称性がなくても何の不思議もないというわけだ。

かくして電流が流れているとひっくり返し対称性はもはや成り立たない。よって最初に説明したような左図の運動がいつも起こるという事も普遍性の要求と合致する。電流の流れている方向が分っているのだから、この実験では表裏の区別があるのだ。図を見れば一目瞭然だろう。電流の存在を知らない人にはとってはこれは対称性が破れているように見えるのだが、実はそうではなく「電流の存在自体が対称性を破る種なのだ」
記事を書いていて思ったが人に説明するのはなかなか難しい。特に顔の見えない相手に文章だけで説明するのは暗闇を手探りで進むようなものだ。この記事をより良いものにするために、分りづらい箇所を教えてもらえると有り難い。
コメント
コメントの投稿
トラックバック
http://letsphysics.blog17.fc2.com/tb.php/51-45865570