2017-08

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≪ 生き物たちのエレガントな数学  ALL マンガでわかる 構造力学/材料力学 ≫

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熱力学入門



熱力学入門 (佐々真一著 共立出版)

カルノーサイクルに打ちのめされた。一番肝心な箇所の証明が
なかなか理解できずに、取りあえず先へ進んでおこうと、逃げ
てしまった。熱力学の肝である第二法則をいつかは理解して
やると思いつつも勇気ある撤退(?)を何度繰り返すのか。しかし、
今回の勉強で得る物の多かった。その辺を強調しつつ、この本
の紹介をしておこう。
まず、この本、熱力学の教科書としては最もコンパクトにまと
まっているのではないかと思われる薄さ。全体で130ページ
程度である。最初にこまごまとした設定を丁寧に説明してある
第2章までが30ページ、熱力学第一法則の第3章が10ペー
ジ程度、カルノーサイクルの説明を完結にまとめた第4章が
16ページ(ここで挫折)、そしてエントロピーの説明が20
ページ程度で、ここまでで83ページを費やしている。この辺
までを熱力学の講義として行い、後は演習に委ねるという講義
もあるのではないだろうか。そういった意味では、熱力学の
本質的な部分の説明が50ページにまとまっているわけだ。
もう、これ以上薄い本はあり得ない!

僕は、「教科書はコンパクトである」必要はないが、「コンパ
クトな教科書が、少なくも一冊は存在しなければならない」と
考えているので、熱力学に関してはその一冊を見つけたことに
喜びを感じた。残念ながら,カルノーサイクルで挫折したが、
この一冊を何度も繰り返し読めば良い、まさに心の糧となるよ
うな一冊にめぐり会えた気がする。何度もチャレンジするとき、
教科書は薄ければ薄い程良い。内容までページ数に比例したの
では困ることになるが。

内容に関して書けば、この本の特徴は、熱力学を最初から無理
に抽象化していないことだと思う。最初は内部エネルギーを温
度と体積の関数として導入する。つまりU=U(T,V)。これは、と
ても自然なわけだが、通常完全な熱力学関数としての内部エネ
ルギーを意識して、エントロピーと体積を変数とするU(S,V)表示
が強調される。しかし、敢てTV表示でスタートしたおかげで、
気体の熱力学的性質の決定に状態方程式と比熱が必要であるこ
とが浮き彫りにされていて分かりやすい。この方法では後半の
エントロピーの導入後の完全な熱力学関数の意味がしみじみと
分かるようになっている。

ということで,全体としてこれ以上ないくらいにコンパクトに
熱力学が学べる、そしてとても分かりやすい一冊であると感じ
た。特に初学者は、この本にそって勉強するのが、最も時間の
節約になるだろう。

*多少気になったのは、最初に熱がエネルギーの一形態で
あることが述べられずに、いきなり議論がはじまったよ
うに感じているが、何処かに一言あったのだろうか。


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