2017-11

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≪ テイラー展開の世界その② ALL テイラー展開の世界④ ≫

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テイラー展開の世界③

第三回目はテイラー展開を使って積分を計算してみよう!です。
また新しいテイラー展開の公式を追加しましょう。


 sin(x)= x -x3/3! +x5/5! -x7/7! +x9/9!…


一寸複雑そうに見えますが一定のルールが見えるところが面白いです。 今回はこの式をつかって積分を計算するという例題をやって見ましょう。
積分領域は0~∞の以下の積分を考えて見ます。

∫dx e-x sin[x]=1/2  (0~∞の積分)


この積分は実行可能なので何も難しい事をする必要はありませんが、テイラー展開を使って同じ答えが出せるかどうかやってみようと言うわけです。複雑な例をやる前に、答えが分っている簡単な場合からやってみましょう。

sin[x]をテイラー展開した式を上の積分に代入して各項を積分してやります。その際に


∫dx e-x xn=n! (0~∞の積分)


という計算は知っているとしましょう。公式集を見れば載っています。これを使ってテイラー展開の各項を積分してから足して見ましょう。


∫dx e-xsin[x]
  =∫dx e-x (x -x3/3! +x5/5! -x7/7! +x9/9!…)
    =1 -3!/3! +5!/5! -7!/7!+9!/9! …
    =1 -1 +1 -1 +1 +…


なんと符号が交互に変わる1を無限に足すと1/2になるはずなのか?という驚きです。そんなはずは有りませんね。この計算はテイラー展開を使うときの良い教訓を教えています。テイラー展開は積分の中で使うときには気をつけなくてはいけません。テイラー展開をつかって各項を別々に積分した後に足すとおかしな答えが出てきたというわけです。sin[x]のテイラー展開は|x|<∞で使えるのですが、積分領域は∞まで入ってますからx=∞でおかしなことが起こったと予想されます。こういうことは良くありますからテイラー展開を使うときには収束半径をつねに気にしてなければいけません。


さて物理や工学の人はここであきらめるわけにはいきません。会社なら「こんな計算できないよ~」と諦めていたのでは給料がもらえません。何か工夫しなければいけません。そこで先程の積分にちょっと細工を施して


∫dx e-a xsin[x]

という積分を考えてみます。a=1とすれば先程の積分に帰着します。テイラー展開の式を代入して、変数変換なんかして計算を実行すると


∫dx e-a xsin[x]
  =∫dx e-a x (x -x3/3! +x5/5! -x7/7! +x9/9!…)
    =(1/a)(1/a -3!/3!/a3 +5!/5!/a5 -7!/7!/a7+9!/9!/a9- …)
    =(1/a)(1/a -1/a3 +1/a5 -1/a7 +1/a9 +…)


となります。この級数は等比級数の足し算なのです。高校で習った懐かしい計算を思い出してこの和を実行しましょう。又はを思い出せばx=-1/a2の場合の1/(1-x)のテイラー展開です。そんなわけで無限和を実行することができます。


∫dx e-a xsin[x] = 1/(1+a2)


なんと今度は a=1の極限が取れてテイラー展開を使った計算でも


∫dx e- xsin[x]
= Lima→1∫dx e-a xsin[x]
= Lima→11/(1+a2)
=1/2


と正しい答えが出てきます。 何故こんなことがうまくいくのかというのは機会があれば書きます。自分で理由を考えるのも楽しいので、是非理由を考えてください。

何か一寸工夫すればうまくいくことは世の中にいっぱいありそうです。テイラー展開の収束半径を知らずにおかしな答えだしたり、少し工夫して正しい答えをだしたり・・・・何でもほんの少しの努力があれば随分変わるのかもしれませんね。

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