2017-06

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≪ 運動と微分方程式 ALL Dirac磁荷2:磁荷の作るゲージ場と磁場 ≫

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Dirac磁荷

電子はマイナスの電荷をもった粒子であり、原子核はプラスの電荷をもった粒子である。電気的な性質はプラスとマイナスがあり、それぞれが別々に存在する。さて、磁石にはN極とS極という二つの磁気的性質があるのだが、N極だけとかS極だけの磁石というものは見たことがない。磁石はNとSの二つがいつもペアーで存在するようなのだが、S極だけを切り離したりできないのだろうか?もしできたとしたこれはS極の磁荷をもった塊であり、その塊を顕微鏡などで研究してみればS極の性質をもった粒子、単位磁荷というものが見つかるのではないだろうか。
20051211105049.gif

しかしこれまで磁荷をもった粒子という話を聞いたことがない。実は電磁気学の基本方程式Maxwell方程式はこの世の中には磁荷というものは存在しないということを前提としている。なぜなら磁荷をもった粒子などなくても電磁気学は構成できるし実験的にも磁荷をもった粒子というものは見つかっていない。それに磁荷はなくとも、ちゃんと磁石の性質は説明がつく。なぜなら磁場というものは磁荷によってではなく電流が作るものなのだ。磁荷をもった粒子はなくても理論的にはなにも問題ない。どうもこの世の中には磁荷をもった粒子というものは存在しないようだ。

さて磁石を切り離した場合のことが気になっている人もいるだろう。答えはS極の棒の切断面にはN極が現われ、N極の棒の切断面にはS極が現れることが知られている。トカゲの尻尾きり(?)、尻尾を切ってみても切断面から尻尾が生えてくるようなイメージだ。ということでS極だけの磁石やN極だけの磁石は存在しない。
20051211105108.gif


しかし世の中には磁荷をもった粒子が存在するのではないかと信じる人もいる。あの天才Diracも単位磁荷の問題、「この世の中にN極やS極だけの磁石は存在するのか?」を考えた。そして彼が出した答えは(補足)

「単位磁荷は存在する!ただし......」

彼の予言した単位磁荷をDirac磁荷と呼ぶ。天才が「単位磁荷は存在する!」と言っただけでDirac磁荷などと名前ついたのだろうか? いや違う。やはり天才は普通ではない。彼が予言した磁荷というものは普通の粒子ではなく、単位磁荷のように見えるゲージ場なのだ。何も磁荷を持った新しい粒子など考える必要はなく、電磁気学の中に既に存在するゲージ場を使ってS極だけの磁石を作ることができるというのだ。
これにはMaxwell先生も驚いたことだろう。単位磁荷は存在しないということを理論の基本法則に取り入れたにもかかわらず、単位磁荷はその理論の中に隠れているというのだから!


今回から2,3回の予定で単位磁荷(モノポール)と呼ばれる電磁気学に残された最後の難問(?)を記事にしてみたいと思う。勉強不足のためにかなりいい加減な事になるのではないかと思うが、ネット上にあまり関連した解説がないので誰かの役に立つかもしれないと少し期待しつつ自分の勉強もかねている。



(補足)彼が本当に声を大にしてこういったかは不明である。説明を分りやすくするためにちょっと脚色してみただけなので、歴史的に正確な記述は期待しないでほしい

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