Dirac磁荷2:磁荷の作るゲージ場と磁場
原点に単位磁荷がある場合の磁場Bは
BM=g r/r3
となるだろう、Mは磁荷(magnet)の頭文字でこの磁場が単位磁荷が作るものであることを示す。逆に言うと、磁場がr/r3という形になればそれは原点に単独の磁荷が存在することを意味する。この場合の磁場をxy平面上に描いてみると

磁場(または磁束線)は原点を中心にして放射状にでていくのが分るだろう。
一方で磁石はS極とN極がいつもペアーになっているのでこういう磁場はできない。磁荷の正と負がペアーである場合には磁場はまっすぐ放射状にでるのではなく正磁荷から負磁荷に吸い込まれるような弧を描く。例えば下のようになる。少し見づらいが、磁場が放射状に出ていくわけではないことは分るだろう。

さて、単位磁荷の作る放射状の磁場があったときに、ゲージ場はいったいどんな形をしているのだろうか? 電磁気学の基本法則、Maxwell方程式では単位磁荷はないことを前提に構成されている。またゲージ場を使った電磁気学では磁場はゲージ場の回転 B=∇×Aで表され、この式から自動的に
∇.B = ∇.(∇×A) = (∇×∇).A) = 0
何故なら (∇×∇)x =∂y∂z-∂z∂y =0 が満たされるのだった。つまりゲージ場を使って表される磁場では単位磁荷のよる磁場分布を作れない。なぜなら単位磁荷がつくる磁場に対しては
∇.BM = 4π g
となるのだ。つまり「ゲージ場で書けるような磁場はBMの形にならない」。よって通常の電磁気学、特にゲージ場を使った電磁気学では単位磁荷は存在しない、もし単位磁荷を導入するのであればそれはMaxwell方程式を作り変えなければ無理だということだ。
さて、ここまではディラックが単位磁荷を調べ始めた頃の一般的な知識であったろうと思われる。つまりこの問題を調べること自体、Maxwellの電磁気学と相いれないことのようだ。そこでDiracは言う
「BMを作るようなAがあればいいんでしょ?」
まあ確かにそうだ、そんなゲージ場があれば単位磁荷の存在も可能なわけだが、それは先ほど示したように ∇.B=0と矛盾するように思われる。たぶん無理だと思うが、天才Diracは何か新しいアイディアがあるののだろうか?
Diracによると単位磁荷がつくるゲージ場は
AM=g(-y, x, 0)/[r(r+z)]
ということだ。どんな表式をもってこようが、一般論で証明されてるんだから無理というものだ。一応ゲージ場の回転を計算してみると
∇×AM=gr/r3
となる。あれ!?これは単位磁化がつくる放射状の磁場になっている!!これが我々が知りたかった答えだ。どこでインチキしたの?といいたくなってしまう。読者は自分でチェックして欲しい。タネ明かしは後々するとして、このゲージ場がどんな風な分布をしているのか興味がある読者もいるだろうから、xy平面に限ってゲージ場の様子を描いてみた。

特にこれといって理解が深まるわけではなさそうだ。とにかくDiracの提出したゲージ場は単位磁荷がつくるものだ。実はここまでならDirac以前に数学者達は気がついていたことだと思われる。しかしDiracはここにとどまらない。このゲージ場を用いて更に面白いことを考えた。それは電磁気学と量子力学の間にまたがる不思議な空間のベールを剥がすことになるのだが......次の記事を楽しみに。
BM=g r/r3
となるだろう、Mは磁荷(magnet)の頭文字でこの磁場が単位磁荷が作るものであることを示す。逆に言うと、磁場がr/r3という形になればそれは原点に単独の磁荷が存在することを意味する。この場合の磁場をxy平面上に描いてみると

磁場(または磁束線)は原点を中心にして放射状にでていくのが分るだろう。
一方で磁石はS極とN極がいつもペアーになっているのでこういう磁場はできない。磁荷の正と負がペアーである場合には磁場はまっすぐ放射状にでるのではなく正磁荷から負磁荷に吸い込まれるような弧を描く。例えば下のようになる。少し見づらいが、磁場が放射状に出ていくわけではないことは分るだろう。

さて、単位磁荷の作る放射状の磁場があったときに、ゲージ場はいったいどんな形をしているのだろうか? 電磁気学の基本法則、Maxwell方程式では単位磁荷はないことを前提に構成されている。またゲージ場を使った電磁気学では磁場はゲージ場の回転 B=∇×Aで表され、この式から自動的に
∇.B = ∇.(∇×A) = (∇×∇).A) = 0
何故なら (∇×∇)x =∂y∂z-∂z∂y =0 が満たされるのだった。つまりゲージ場を使って表される磁場では単位磁荷のよる磁場分布を作れない。なぜなら単位磁荷がつくる磁場に対しては
∇.BM = 4π g
となるのだ。つまり「ゲージ場で書けるような磁場はBMの形にならない」。よって通常の電磁気学、特にゲージ場を使った電磁気学では単位磁荷は存在しない、もし単位磁荷を導入するのであればそれはMaxwell方程式を作り変えなければ無理だということだ。
さて、ここまではディラックが単位磁荷を調べ始めた頃の一般的な知識であったろうと思われる。つまりこの問題を調べること自体、Maxwellの電磁気学と相いれないことのようだ。そこでDiracは言う
「BMを作るようなAがあればいいんでしょ?」
まあ確かにそうだ、そんなゲージ場があれば単位磁荷の存在も可能なわけだが、それは先ほど示したように ∇.B=0と矛盾するように思われる。たぶん無理だと思うが、天才Diracは何か新しいアイディアがあるののだろうか?
Diracによると単位磁荷がつくるゲージ場は
AM=g(-y, x, 0)/[r(r+z)]
ということだ。どんな表式をもってこようが、一般論で証明されてるんだから無理というものだ。一応ゲージ場の回転を計算してみると
∇×AM=gr/r3
となる。あれ!?これは単位磁化がつくる放射状の磁場になっている!!これが我々が知りたかった答えだ。どこでインチキしたの?といいたくなってしまう。読者は自分でチェックして欲しい。タネ明かしは後々するとして、このゲージ場がどんな風な分布をしているのか興味がある読者もいるだろうから、xy平面に限ってゲージ場の様子を描いてみた。

特にこれといって理解が深まるわけではなさそうだ。とにかくDiracの提出したゲージ場は単位磁荷がつくるものだ。実はここまでならDirac以前に数学者達は気がついていたことだと思われる。しかしDiracはここにとどまらない。このゲージ場を用いて更に面白いことを考えた。それは電磁気学と量子力学の間にまたがる不思議な空間のベールを剥がすことになるのだが......次の記事を楽しみに。
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