2017-09

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≪ Dirac磁荷2:磁荷の作るゲージ場と磁場 ALL 電子による電荷密度、電流密度 ≫

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磁場がある場合のシュレディンガー方程式

ゲージ場が

A=g(-y, x , 0)/r2,     (r=√(x2+y2

で与えられる場合、このゲージ場ポテンシャルの中を運動する電子の運動を調べてみようと思う。 ゲージ場が与えられただけでは物理が見えてこないだろうから磁場を計算してみよう。

B=×A=gr/r3

これは原点にある点電荷がつくる電場と形が同じである。このことから与えられたAは原点に単位磁化gが存在する場合のゲージ場であることがわかる。次にこの磁場の中で運動する電子を考える。波動関数は定常で、運動はx-y平面内だけに限られるとしよう。シュレディンガー方程式は

[p-eA]2/(2m) Ψ(r)= E Ψ(r)

で与えられる。ここでpは微分演算子p=-ihであった。この方程式を真面目に解けば答えがでるわけだが、いささか面倒なので次のような方法で答えを求めてみようと思う。まずこのシュレディンガー方程式は、自由粒子の方程式において  pp-eA  と置き換えをしてやったものと同じだ。また自由粒子の波動関数は運動量の固有関数でもあった。つまり運動量演算子の微分方程式を満足する。

-ihΨ=kΨ → Ψ=eik.r/h

そこで運動量の固有値方程式においてゲージ場が存在する場合の置き換え pp-eA をして

[-ih-eA(r)] Ψ=k Ψ 

を考えれば、これは定常状態のシュレディンガー方程式も満足するはずだ。右辺で演算子の固有地をkとしたが、これは定数ベクトルであることが大事である。これで問題が二回の微分方程式から一回の微分方程式になった。次はこの方程式を解くわけだが、まず自由粒子の波動関数の部分だけを分けておくと良いだろう。

Ψ(r)=ei/hk.r Φ

運動量固有値方程式にこの形を代入してΦに関する方程式を導くと固有値ベクトルkを含んだ項が消えて簡単になる。

(-ih-eA)Φ=0

ゲージ場はθ方向の成分しか持っていないために(補足)、この方程式は円柱座標を使って解くと簡単に解けるだろう。r,θ成分を書き下してやると

-ih∂rΦ=0
-ih(1/r)(∂θ-ieg/h)Φ=0

となる。ここで補足で計算したゲージ場のθ成分の表式Aθ=g/rを使った。この微分方程式を解くのは簡単だろう。最初の式はΦがrに依らないことを示しており、二番目の式は簡単に積分できてしまうので答えは Φ~ei(eg/h)θ という事だ。これに自由粒子の波動関数の部分も含めて

Ψ=ei/h(k.r+egθ)

これが我々が求めていたシュレディンガー方程式の解である。今回は磁場中で運動する電子のシュレディンガー方程式の解法を詳しくやった。
結果の物理的な考察は「Diracのモノポール」とタイトルして記事を書いたので見て欲しい。実はこの結果、量子力学の奥の深いところへ我々を導いく鍵となるのだ。


(補足)
シュレディンガー方程式を真面目に解きたい人には次のようなことが役にたつだろう。
(1)このゲージ場の発散をしらべると.A=0 であることが分る。

(2)ゲージ場を円柱座標を用いて A=(g/r)eθ と書いておくと便利である。ここでeθ=(-y,x,0)/r はθ方向の単位ベクトルであり他の基本ベクトルと直行する。 eθ.ez = eθ.er = 0

(3)微分演算子∇の円柱座標表示は  ∇=err+eθ(1/r)∂θ+ezz

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