2017-10

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≪ Q001 滑車問題 ALL 振り子入門 その1 ≫

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うなり

波は比較的簡単な数学をつかって調べることができ、また身近に存在する物理現象なので比較的親しみやすいのではないでしょうか。これから波の性質について調べてゆきますが、基本的なところが分らないと思った方は是非解波新書にアクセスしてみて下さい。動画を効果的に使った丁寧な解説があります。 正弦波; y(t)=sin(wt) を考えます。y(t)は時刻tにおける波の高さで、wは角振動数, 波の周期Tと

T = 2π/w

の関係があります。何故なら、一周期の間にsin(wt)関数は角度にして2π回転しますからwT = 2πです。これを解いたら上の式が出るというわけです。また一秒間に波が何回振動するかという量は振動数と呼ばれています。周期が0.5[秒]だったら一回振動するのに0.5秒の時間がかかり、つまりこれは一秒間に波が二回振動できるということです。よって振動数はf=2となります。振動数は周期の逆数だということが分ります。

f = 1/T


nami01.gif

図はw=2π、つまり周期T=1の波です。一周期、例えば時刻がt=0からt=1に変わる間に波が一つあることが分るでしょう。一秒間に一回振動しています、f = 1。

波と波の重ね合わせを調べてみましょう。先ず同じ波を二つ重ね合わせるとどうなるでしょうか?

y(t)+y(t) = 2y(t)

同じ波を重ねあわせると高さが2倍になるということです。次に一方の波の高さをひっくり返して重ねあわせると

y(t)+(-y(t)) = 0

波が打ち消しあいゼロになってしまいます。よって同じ波を足すと2倍になるかゼロということが分ります。周期の同じ波を重ねあわせるだけではこれ以上複雑なことは起こりません。そこで周期が異なる二つの波、T1=1とT2=2の二つを重ね合わせてみましょう。図が下にあります。

nami02.gif

↑ 周期が T1=1, T2=2の二つの波の重ね合わせ。 振動数にするとf1=1, f2=0.5

心電図のような形が規則正しく並んでいます。まあそれはそうですね、二つの周期関数を足したら合成波も周期関数になったというわけです。更にいろいろやってみましょう。

nami03.gif

   ↑ T1=1とT2=0.984。振動数にするとf1=1, f2=1.016

周期がかなり近い波を重ね合わせみました、なかなか面白いですね。時間は先ほどのグラフよりもかなり長く取ってあります。これは「うなり」と呼ばれる現象です。うなりの特徴は大きな波の中に細かい波が入っていることです。

音の波で起こるうなりについて考えてみましょう。私達の耳は音波のあまりにも細かい揺れを聞き取る事ができません。よって音のうなり現象では波長の大きな波が耳から聞こえる音として認識されます。楽器の音あわせなどで周期が近い音を重ねると、初め大きな音が、しだいに小さくなり、そしてこの繰り返しが続きます。これが音のうなり現象です。うなりをきいたことがない人は是非楽器を使ってうなりを作ってみてください。 周期をもう少しずらしてうなりを調べてみましょう。

nami04.gif

  ↑  T1=1とT2=0.969。 振動数にするとf1=1とf2=1.032

nami05.gif

  ↑  T1=1とT2=0.926。 振動数にするとf1=1とf2=1.080

うなり現象は周期が比較的近い場合におこりますが、周期が離れてゆくとうなりの起こる回数が増えていくのがわかると思います。つまり振動数が近いとうなりの回数は多いわけです。一方大きな波の中に入っている細かい波はどうなっていますか? 図からわかるのは細かい波の波長はあまり変化していないようだということです。そのため大きな波のサイズが短くなればなるほど、中に入っている細かい波の数が減っているようです。大きな波長の波のサイズを小さくしてゆけば最後には大きな波の中に細かい波が2つか3つになるでしょう。それは先に見た図(T1=1, T2=2)のようになるでしょう。周期があまり離れすぎるとうなりの構造が壊れて心電図のような波になってしまいます。

さて一秒間におこるうなりの回数Fに関して

F= f1 - f2

という公式が知られています。楽器の音あわせを行う人はこのうなり現象を利用します。正しい振動数を発生させる音叉があるとしましょう。これを用いて楽器の音を合わせるわけですが、どうすれば良いでしょうか? 答えは「音叉と楽器の音でうなりを発生させて一秒間に起こるうなりの回数を数える」です。うなりの回数から、上の公式を用いると振動数のずれが計算できます。楽器の弦を張ったり弛めたりすることで振動数のずれを調整するわけです。


(問題)うなりの回数を数えて、記事中の図に対して振動数のずれを計算できるでしょうか? やってみてください。


(補足)公式の導出に興味のある人は下の三角関数の合成公式とヒントを見て下さい。

================================
[ヒント]sin(w1t) + sin(w1t) = 2 cos[(w1-w2)t/2] sin[(w1+w2)t/2]
[ヒント]うなり現象での大きな波のゆれはcos[(w1-w2)t/2]が作っています。
[ヒント]うなりの周期はcos[(w1-w2)t/2]の振る舞いで決まっています。
[ヒント]F = 1/T = [w1-w2]/(2π) = f1 - f1

最後の公式で1/2が足りないように思えますが、これで正しいと思います。理由を考えてみてください。

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