2017-05

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≪ うなり ALL 振り子入門 その2 ≫

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振り子入門 その1

振り子は物理の入門としては非常に分りやすく、いろんな意味で物理の基礎が詰まっていると思う。実際大学の物理でも様ざまなところで顔をだし、その奥の深さに驚かされることもある。そこで振り子に関する一寸したまとめを作っておこうと思う。数回にわけて高校生から大学1年レベルのことを書こうと思う。もちろん単純な振り子は高校で学んだことで尽きている、ここでは二重振り子、振り子の共鳴問題などちょっと手が込んだ問題について解説したい。 第一回目は準備として単振動の復習をする。ここが理解できていないと話しにならないので、知っている読者には退屈だろうが基礎からやっていこうと思う。
furiko01.gif

ここでは長さの棒の先に質量の質点がついた振り子を考える。棒は軽く伸び縮みしないとする。つまり振り子の運動はθ方向に限られる。図を参照にして重力による力を運動方向とそれに垂直に分解する。

Fθ = - m g sin(θ)
Fr = cos(θ)-T = 0 (棒の伸び縮みなしの条件)

g=9.8m/s2は重力定数、Tは棒による抗力で重力のそれとつりあう。さて質点のθ方向の速度vθと加速度aθ

vθ = lθ'(t) ,   aθ = lθ''(t) ,   

である。θについた「’」は時間微分を表す。 m aθ = Fθ からニュートンの運動方程式を立てると

θ''(t) = - (g/l) sin(θ)

となる。この式なかなか解けない、というか解析的には解けないことが数学者によって証明されている(数値的に解くには何の問題もない)。ここでは振動が微小であるという近似のもとに答えを調べてゆこう。つまり θ = 十分小さい → sin(θ)~θ。この近似を行えばニュートンの運動方程式は

θ''(t) = -(g/l) θ

となり、これを単振動と呼ぶ。この方程式の特徴はθに関して線形だということだ(補足)。ところで二回微分すれば元の関数に(g/l)をかけたものになる関数θ(t)、sin(w t) や cos(w t) がこの性質を満足することは高校で習った(wは時間に依らない定数)。よってsinとcosの重ねあわせが一般的な答えである。

θ(t) = A sin(wt) + B cos(wt)     (ただし w=√g/l)

定数A, B は初期条件、つまりt=0での位置と速度が与えられればきまる。何故ならθ(0) = B , θ'(0) = w A となることから、A,Bはt=0でのθ(0)とθ'(0)を使って書ける。ここまで微分方程式を使った事以外高校の物理で学んだことを復習しているに過ぎない。簡単なことかもしれないが基礎を固め,次回は二重振り子を調べてみよう。少しずつ面白くなる予定。

さて最後に得られた解析的な答えと、θに関する微小近似をする前の微分方程式の答え、どのくらいずれているのだろうか。近似などして大丈夫だろうかと心配する読者のために、二つの解を比べてみよう。厳密な運動方程式は数値的に答えを求めた。時刻t=0に初速度はゼロ、位置はθ(0)の高さyから読み取れるだろう。黒い線は厳密な運動方程式の数値計算の結果、赤い点線がθが微小であると近似して解いたものである。θ(0)が小さくなればなるほど厳密な解との一致は良い。最後の図はθ(0)=0.1πであり、非常に良い近似になっていることが分るだろう。
furiko02.gif


(補足)線形性とは、ある関数f(t)という答えが見つかったら、それを定数A倍だけした関数も微分方程式の答えになること。つまり
θ(t) = f(t)  →   A f(t) も答え。
また、別のg(t)という関数が新たな答えとして見つかった場合には
θ(t) = f(t) and g(t) → A f(t)+ B g(t) も答え
という性質を持っている( A,Bは定数 )。つまり線形二階微分方程式は解の重ねあわせも微分方程式の解である。

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