2017-05

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≪ 振り子入門 その2 ALL 高校生でもできるテイラー展開 その1 ≫

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振り子入門 その3(前編)

前回は二つの単振動解を接続する方法について説明しました。今回は問題をもう少し複雑にします。下の図のように振り子を固定する天井を上下に加速度運動させます。つまり振り子を周期Tで上下に揺すると何が起るか調べようというわけです。
furiko30.gif

簡単のために上下の加速度運動は周期的であるとしましょう。つまり振り子に働く力は時間によって

F+ = -m(g+a)θ   ( 0 < t < T/2, T < t < 3T/2, …)
F- = -m(g-a)θ   ( T/2 < t < T , 3T/2< t < 2T, …)

のようにT/2の間隔で変化するとします。計算は面倒ですが前回の方法を使えばやることは明らかでしょう。力がF+の場合は角速度w+=√[(g+a)/l]の時の単振動の解、力がF-の場合には角速度がw-=√[(g-a)/l]の解がそれぞれ運動方程式の解です。それぞれの場合の単振動の一般解が判っているわけですから後は角速度 w±=√[(g±a)/l]の解を周期T/2ごとに滑らかにつないでいけばよいわけです。

詳しい解説は次回にしますが、今回は実際にこうやって求めた振り子の運動がどうなるのかをグラフにして見せたいと思います。この計算に必要な値をまとめると

g=9.8 m/s2
a=2.94 m/s2 ←重力加速度の30%の加速度に相当します
l= 1 m
T/T0 = 0.98~1.05まで 0.01刻み (T0≡2π√(l/g) )

ここでT0は揺らす前の振り子の周期です、この場合T0=2.0071 sとなります。

para02.gif


上に与えた値をつかいグラフを描いてみました。最初の図の黒い線は何もしていない場合の振り子の運動です。赤い線は加速度a=0.3 gで揺らした場合のグラフで周期を T00.98 倍から1.05 倍まで変化させた場合です(図は左から右、上から下と揺さぶりの周期が長くなります)。振り子をゆすぶる周期がT00.98 倍だと振り子の振幅は減衰していきますが、0.99 倍になると振幅は徐々に成長していっているように見えます。そして周期T0でゆらした場合(左2段目の図)には振幅は急激に成長します。このように振幅が成長する現象を共鳴と呼びます。この場合は揺すぶりと振り子の振動が共鳴しているという言い方が正確でしょう。

これは当然に思えます、何故なら振り子の周期とゆすぶりの周期が一致していますから振幅を成長させる方向へ加速度が加わっているだろうと予想できます。最後の二つの図、 1.04,1.05 倍の周期で揺すぶった場合には振幅の成長はある程度時間が経つととまり減衰へと向かっているようです。

先ほどの図は揺すぶり周期が振り子の持っている周期T0=2π√(l/g)に近いと共鳴が起こるようだと言うことを教えてくれます。しかしこの現象を詳しく調べてみると、揺すぶり周期が振り子の周期の1/2,1,3/2,… 倍の場合にも共鳴が起きるのです。しかし物事はそんなに単純ではなく、共鳴は揺すぶり周期Tと力aがある値(正確には領域)になった場合のみ起るのです。下に共鳴が起こる場合のa-T図があります。赤い領域は共鳴が起こる(a,T)の領域で、色がついてない領域では共鳴は起きません。

para03.gif


結構複雑な図ですが、図中に小さい青の横線が見えますか? 実は先程描いたグラフはその青い線の左の点から右の点まで周期T/T0 を 0.01毎に変えて調べたものでした(縦軸の値は a/g=0.3 で固定です)。この図が何故こんなに複雑になっているのでしょう、私には計算したらこうなったとしか言えません。このようにあるパラメーターを変えていくと突如共鳴がおこる現象をパラメーター共鳴と呼ぶそうです。簡単な力学の問題でもなかなか予想できない問題があるもんですね。次回はこの図をどうやって作ったか、共鳴領域の求め方をやりましょう。


補足) 実際に実験をやるとこのパラメーター共鳴が全て見えるかという質問があるかもしれません。それはなかなか高度で、私は勉強不足のため完璧な答えを知りません。いくつかの注意点としては、単振動の運動方程式はθが小さいと近似したものなので、θが大きくなると、つまり共鳴が大きく成長すると使えません。次にここで考えた揺すぶりの力を実験でうまく再現できるかどうかも良く考えなければならないと思います。詳しい方は是非教えてください。

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