2008-08

漸近級数 2

漸近展開の具体例として積分表示

E(x) ≡ ∫[-∞, x]dt et-x/t = ∫x dt et-x/t

を考える。最後の式では積分の下限は−∞であることを省略した。この関数のx=−∞における漸近展開は

En(x) =  0! x-1 + 1! x-2 + 2! x-3 + 3! x-4 + … + (n-1)! x-n

である(補足1)。

全文を表示 »

漸近級数 1

応用数学では頻繁に使われる漸近展開だが、通常のテキストでは、その数学的な取り扱いをあまり見かけない。そもそも漸近展開が数学的に認められたのはH・ポアンカレ(1854−1912)以後であり、テイラーの定理が1712年に述べられている事実と比較してみると、数学の歴史としては比較的新しい。

テイラーの定理を用いて、関数を級数和として定義する方法は、その厳密性の面からも標準的な手法であろうが、漸近展開は級数としては発散型であり、その意味は捉えにくい。ポアンカレによる漸近級数の定義を見ると分かるように、それは級数和そのものに対してではなく、その剰余項によって定義されている。

全文を表示 »

Airy関数の理論 その3

漸近展開に入る前に、積分経路の変更について補足しておきたいと思います。 第一回目の記事でAiry関数をフーリエ変換を用いて求めました。

Ai(x)=(2π)-1∫dk exp[i(kx + 1/3 k3)]

その後、フーリエ変換から積分経路を複素平面に拡張して、収束性の良い表示を得る方法を調べました。フーリエ変換でkを複素平面へ拡張するというのはラプラス変換との関係から良くやられる事ですが、そうなると結果はすでにフーリエ変換ではありません。つまり最初にフーリエ変換を導入したのは全く便法であって、実際はAiry関数の積分表示を考えようといっても良かったわけです。

全文を表示 »

Airy関数の理論 その2

前回はAiryの微分方程式をフーリエ変換を使って解きました。答えは次の積分で定義されるAiry関数となります。

Ai(x) = 1/(2π)∫C dk exp(ik3/3+ikx) =1/(π)∫C+ dk cos(k3/3+kx)

ここで積分領域は C=[-∞,+∞]、C+=[0,+∞]とします。
Airy関数の振る舞いを図で見てみましょう。x>0の領域ではスムーズにゼロに漸近しているようです。しかしx<0の方では振動解です。ゆっくりと絶対値は小さくなって行くようですが、どうなんでしょう。xが大きい場合のAiry関数の振る舞いは、漸近展開を使って三回目の記事で調べようと思います。

全文を表示 »

Airy関数の理論 その1

量子力学のWKBJ近似の話で、求めた漸近解をトンネリング・ポイントを超えて接続する必要がでてきます。そこで活躍するのがAiry関数の知識です。Airy関数とは、微分方程式

y''(x)−xy(x)=0

の解で、物理学者Airyによって研究された特殊関数です。Airy関数を使わずに漸近解を接続することも可能で、その方法は例えばランダウの量子力学には詳しく解説されています。しかし、やはりすっきりとした理解を得るためには一度Airy関数を経由したWKBJ解の接続を知っておくべきだと思います。

全文を表示 »

級数和の数値計算 その2

前回ゼータ関数のs=2での値 ζ(2)=π2/6 を級数和を取って評価しました。ζ(2)は級数和の収束性が問題になり、単純な和を取る方法では10桁の精度で答えを出すのは難しいという結論になりました(勿論コンピューター・パワーによりますが)。そこで以前調べたオイラー・マクローリンの総和法を使って級数和を評価してみましょう。オイラーは収束性の悪い級数を評価するためにこの方法をあみ出したということらしいです(自分で歴史を調べてないのでちょっと自信がありませんが、多分間違ってないでしょう)。

全文を表示 »

級数和の数値計算 その1

級数和の値が知りたい場合にどうすれば良いか考えてみたい。簡単な例としてゼーター関数ζ(s)=Σk=1→∞ 1/ks の値を調べて見よう。ゼーター値を10桁まで表示すると

ζ(2)= 1.644934067... (= π2/6)
ζ(3)= 1.202056903...
ζ(4)= 1.082323234... (= π4/90)

である。この値をどのように導くかというのが今回の目的だ。

全文を表示 »

オイラー・マクローリンの総和公式 (使用例)

オイラ・マクローリンの公式を使って和を積分で表してみると結構面白い。高校で習ったniの和の公式が全てこの中に含まれている事がわかる。正数冪の関数は適当な回数微分するとゼロになるため、pを十分大きく取れば オイラー・マクローリンの公式の補正項R2p+1はゼロになる。つまりオイラ・マクローリンの公式は整数冪関数に対しては正確な答えを与える。下の公式すべてはそうやって得られたものである。


«  | HOME |  »

カテゴリー

ブログ内検索

プロフィール

アトム 

  • Author:アトム 
  • 趣味   近所散策と物理
    興味   頭髪濃度
    ID  letsphysics
    メイル  IDの後にyahoo.co.jp