2008-05

書評 解析力学(並木美喜雄)

総合評価: ☆×5
お薦め度: かなりお勧め
レベル : 工学部や物理学科向け
コメント: 説明が丁寧で良い。

ゴールドシュタインを除けば、解析力学の入門でしっかりとした本というのはなかなかないと思う。その意味でこの本はかなりお勧めではないかと思う。内容も徐々に高度になって行くが、じっくりと説明してあるのでいつの間にか高い壁が立ちはだかってどうしようもないと状況にはならないと思う。物理学科の学生に勧める解析力学の一冊を選べといわれたらこの本を選ぶような気がする。それくらい一押します!

書評:解析力学(大貫義郎)

総合評価: ☆×4
お薦め度: 。。。謎
レベル : 物理学科学生向け
コメント: コンパクトだが侮ってはならぬ。マニアを唸らせるラグランジアン形式の秘技の詰まった本

値段もお手ごろで小さいポケットサイズの本なので気軽にかえますが侮ってはなりません。まさに小さな巨人、本の重さと内容の濃さからいえばランダウのテキストに迫る,いやもしかしたら拘束系の話はこっちの方が詳しかったか・・・。(20年近く前のことですからだいぶ忘れました)力学なんて簡単と思っている人はトライして見るとよいかと思われます。



書評:現代の量子力学(JJサクライ)

総合評価: ☆×5
お薦め度: 物理学科の学生なら持っていて損はない。
レベル : 物理学科学生向け
コメント: ゴチャゴチャと書いてないので数学の人でも割と読みやすいのではないかと思える一冊(書き方は物理学科のスタイルです)。

素晴らしい! この一言に尽きる本です。量子力学を一度習って今だ納得のいかない人はこの本を是非読んで下さい。私達は輪講でこの本使いました。参加した全員が簡潔な量子力学の定式化に満足しました。JJサクライはアメリカで教育をうけた日本人。若くして亡くなったそうです。この本を読めばJJサクライが非常に優秀な教育者だったであろう事は想像がつきます。世の中には本があふれていますが、こんなに分りやすくそれでいてごまかしのない説明にはなかなか出会えません。一度でもJJサクライの講義を受けてみたかった、そう思わせる簡潔さです。この本ではシュレディンガー方程式は量子力学の基本法則ではありません。何故シュレディンガー方程式が出てくるのかといったところから出発しています。同じような記述は例えばランダウの本にもありますが、サクライの方が簡潔で分りやすいです。全体を通して一貫現代的な量子力学のスタイルを貫いています。演習問題も良い物がいっぱい載っています。吉岡書店から日本語訳がでています、演習の解答も出版されています。



書評:統計力学入門(高橋 康著)

総合評価: ☆×4
お薦め度: 初学者にもお薦め
レベル : 物理学科や工学部の学生向け
コメント: 統計力学を専門的に勉強するには少し内容が足らない気がするので星は4っつですが是非読んで欲しい本です。


副題が -愚問からのアプローチ- となっていますが、私の記憶が正しければ目から鱗な話がつまった本です。高橋康の書いた本は色々と読みましたがその中でも一番好きな本です。私は統計力学の講義が全く言って良いほど理解できなかったのでこの本で勉強しました。読んでいても楽しいし、非常に分りやすく色んな疑問に答えてくれる本です。大体先生は特色のある面白い本を書く人ですよね。好きです。



書評: 電磁気学 (J.D. Jackson)

総合評価: ☆×5
お薦め度: それなりにお薦め
レベル : 電磁気マスターになりたい人向け
コメント: テキストとしてこれを使って勉強するといけませんよ。


電磁気学のテキストを書く人のためのテキスト?、かと思うくらい内容が豊富なジャクソンの電磁気学。友人猪木さんに依れば

「とにかく電磁気のことで分らない事があればジャクソン!」

というくらい何でも載っています。その演習問題の多さは群を抜いていますし(解答はないと思いますが)、理論の定式化の精密度という面でも文句なしだと思われます。といっても初学者がこれを使って電磁気を勉強しようと思えばかなり大変な事になるでしょう。辞書として使うような本だと思います。または一度電磁気を勉強した人が理解を深めルために使うのには最適でしょう。写真は洋書の方ですが、もちろん日本語も出ています。ただ一冊の洋書が二冊の翻訳書になるのってあまり好きじゃないんですよね。



書評:Classical Mechanics (Goldstein著)

総合評価: ☆×5
お薦め度: これはかなりいいです。読みやすく丁寧です。
レベル : 物理学科や工学部の学生向け
コメント: 洋書はコンパクトで、友人達は洋書で買って読んでいたりしました。大学へ入って直ぐの頃洋書で勉強する友人達が眩しく見えました。


これも有名なゴールドシュタインの力学です。私が昔買ったやつは結構薄かったんですが、その後改訂を重ねかなり分厚くなりました。写真は最近の版なんでしょうね、派手派手であまり好きではありません。記述は丁寧でしっかりしています。非常に読みやすい本でした。特殊相対性理論などはワザワザこの本で勉強する必要はないと思います。あの部分なければもっとコンパクトになるのになーと呟いたりします。総じて非常に良くできた本です。



書評:力学 (ランダウリフシッツ理論物理学教程)

総合評価:☆×5
お薦め度:物理学科の学生にのみ120%、その他50%
レベル :向学心旺盛な学生や解析力学を一度受講した学生向け
コメント:ランダウに噛みつかれます。 ある意味カルチャーショックな一冊。

東大で宇宙論をやりたい学生はランダウリフシッツの理論物理学教程を全て読むことが義務だとか。このシリーズ読破した時点でどこに行っても通用するだろうと思われる。というかその時点でランダウスクールの門を叩くレベルなわけだから、かなりでしょう。旧ソビエト連邦のエリートクラス?貴方も是非理論物理学教程読破してランダウスクールへ入ろう!(理論物理学教程は「巨人の星」でいう大リーガー養成ギブスです。大リーガーを目指さない人が使うと体を壊すかもしれません(笑))

因みに私は力学と場の古典論をもってました。この二冊だけ読むんでも相当なエネルギーを注ぎ込みました(それでも最期までは読んでません)。行間にも物理が詰まってますから、2,3行読むだけで1時間かかったり平気でします。ランダウにかかれば証明が一行ですんだり、『自明』という一言で片付いたりします。それを「ああ、自明だな」と思えるようになるまで1時間くらい平気で掛かりますが分った時の感激は何物にも変えがたいものがあります。

理論物理学教程は絶版がおおいんでなかなか手に入りません。図書館で読みましょう。流体力学は比較的読み安いです。統計物理学は名著らしいですが、読んだ事ありません。量子力学は図書館で読んだ事があります、比較的読み安いです。その他あまりにもマニアックなため私は開いた事すらない「媒質中の電磁気学」やら「量子電磁気学」があります。きっといい本ですよ。

書評:ファインマン物理学

総合評価: ☆×5
お薦め度: 120%
レベル : 大学初年度〜
コメント: 最初は『大したことないな』と思っていたりした;読めば読むほど味が出てくるスルメ本

物理学科の学生なら誰でも一度は評判を聞いたことがあるであろう名著。講義でのファインマンの語り口調がそのまま反映されたスタイルで書かれている。カルファルニア大学でファインマンが学部1、2年生を対象に行なった講義が基になっているため数式はあまり高度にならない程度に抑えられている。内容は具体例が豊富でかなり高度なレベルまでいく。自然の不思議を解き明かしてゆく楽しみを味わえる。ノーベル物理学者ファインマンの物理に対する深い理解と愛を感じる一冊である。

数式をただおってゆくだけに疲れた人は是非ともこの一冊で物理本来の楽しみ、自然の謎を解き明かしてゆくという目的を思い出して欲しい。
私も時に開いて読み直す、そのたびに若い頃の情熱が蘇って来るような一冊である。シリーズは5冊、

I 力学
II 光、熱、波動
III 電磁気学
IV 電磁波と物性
V 量子力学

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