2008-05

WKBJ 3

量子力学のWKBJ近似に関係して漸近展開の手法を簡単に説明しておきたいと思います。例としてよく使われるガンマ関数を使います。考えるのはガンマ関数の積分表示

n!=Γ(n+1)=∫[0,∞]dt exp(-t)tn

のn→∞での振る舞いです。

全文を表示 »

シュレディンガー方程式の数値解 その1

シュレディンガー方程式を簡単に解く事ができたら、様々な物理現象を調べることができて楽しいだろう。 そんな思いから、暇を見つけてプログラムを書くことにした。問題にするのは、定常状態のシュレディンガー方程式。方法はいたって簡単。何の工夫もなく、単にルンゲ・クッタで微分方程式を解いていこうという事だ。

全文を表示 »

WKBJ  2

所謂WKB近似と呼ばれる方法は、最近ではWKBJということもあるようです。そもそもこの名前は、これを開発したとされるWentzel,Kramers,Brillouinの名前からきており、これに数学者で微分方程式に対応した近似方法を先駆けて発展させていたJeffreysが加わり、WKBJとなったようです。何故かアルファベットの順番がいろいろと変わったバージョンがあるようで、普通ならBKJWとすべきなのでしょう。

最近、この方法を改めて勉強しなおしてみて、以前に比べるといろいろと理解が深まったように感じるのでシリーズ記事にしてみたいと思います。量子力学のWKBJ近似を始める前に、少し一般的な漸近展開の方法に触れておきたいと思います。ということでそれが次回の予定。

WKBJ 1

「量子力学というのは、なかなか解けない。」

「そういったわけで、解ける問題というのは貴重なんですよ。」

と教授は返答した。質問内容は覚えていない。へえ、そんなに解けない問題ばっかりあるんじゃ、実際の研究ではどうやって計算するんだ。

「後で、近似の話をします。」

と教授が付け加えたので、私の呟きが聞こえたのかと思った。


全文を表示 »

量子力学にける波束 2

前回の記事で波束の作り方を説明し、私たちが通常粒子だと思っている物は、この波束によって記述できるだろうと書きました。粒子の代表である電子を、波束を使って記述すると、位置や運動量は多少ぼやけてしまいます。しかし、量子論的に広がりを持った状態のほうが自然なのです。問題にすべきは、実験との整合性です。以下では古典的な粒子、つまり我々の身の周りの物体に関して、波束で作った波動関数は殆ど広がらない事を確認します。

(以下、hという記号を用いていますが、これはプランク定数を2πで割ったものです。ブログで細かい記号の出力が難しいのでいつも手抜きをしています)

全文を表示 »

量子力学における波束 1

量子力学で散乱問題などを扱う時には、通常平面波を使って計算を行います。平面波は運動量の固有状態なので、散乱行列の計算が楽です。一方で、これは電子の位置の不確定性が無限大という、特殊な状況を考えていることになります。実際の散乱実験では、電子はある程度位置が確定した状態なので、より現実的な計算をするとなると、波束を使った方がよいでしょう。波束とは、運動量に多少の広がりを許し、粒子の位置が(ほぼ)確定した状態を重ね合わせによって実現したものです。

数学的な詳細も書こうと思いましたが、ネット上でダウンロードできる詳しい解説(非常にきれいにまとまったPDF:KENZOさんによる波束の解説記事)が存在しますから、わざわざ読みづらいブログの記事にするまでもないでしょう。よって計算は省き、ここでは波束の物理的な性質を中心に書きたいと思います。


全文を表示 »

Eye Learning  δポテンシャルによる散乱

一次元の散乱問題をアニメーションにしてみました。x軸の原点にδ(x)で与えられるポテンシャルを置き、x<0の領域から入射した波束がどのように散乱するかを考えます。散乱問題では透過係数と反射係数を計算するわけですが、詳しい計算は「一次元量子力学 デルタ関数ポテンシャル2」を参考にしてください。

それでは結果のアニメーションを楽しんでください。といっても大して面白いことはないんですが…。

全文を表示 »

Eye learning 箱に入った電子4

一次元の無限井戸型ポテンシャルで記述される、箱に入った電子を考えます。ある瞬間に箱を開けたら電子(の波動関数は)どのように運動するか?について調べてみます。物理的な議論は機会を見てすることにして、今回は数値的に波動関数の時間発展を求め、波動関数の二乗を図に描いてみました。図は箱に入った電子状態がn=1,3,5の場合を時刻を毎に(t = 0,0.1,0.2,0.3)描いたものです。

面白いのはn=1から飛び出した電子状態はのっぺりと広がっていくだけですが、n=3, 5の状態では波動関数の塊が箱の左右に飛び出してゆきます。これは、n=1の状態がほぼ静止した電子状態に対応しているのに対して、n=3や5は電子が励起状態であって、電子が箱の中で左右に振動していたためだと理解できます。箱を開けたとたん振動していた電子は左右に飛び出すわけです。

全文を表示 »

«  | HOME |  »

CATEGORIES

RECENT ENTRIES

RECENT COMMENTS

RECENT TRACKBACKS

APPENDIX

アトム 

アトム 

趣味   近所散策と物理
興味   頭髪濃度
ID  letsphysics
メイル  IDの後にyahoo.co.jp