2009-11

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πの歴史 (ペートル・ベックマン)

総合評価:☆×4
お薦め度:かなりおススメ
レベル :中学生以上なら読める数学に関する歴史書
コメント:歯に衣着せぬ意見が楽しい


πに関する歴史を追いながら数学の発展を知ることができる一冊。 著者はチェコ出身でアメリカ住まいのペートル・ベックマン(1924−1993)。 歴史に関する広い知識と歯に衣を着せぬ文明批判がこの本のうりであろう。第二版のまえがきがこの本の性格を良く表している

πの歴史第二版のまえがきより: アリストテレスを低能よばわりし、ローマ皇帝をやっつけ、ある人々がむやみに高く評価する体制をせせら笑ったりしたものだから、私は、この本が傲慢不遜で無知蒙味な人間の病的所産であるという批評が現れるだろうと思い、それに挫けないために自分をはげましていた。驚いた事に、どの批評も好意に満ちており、1年とたたないうちに初版が売れてしまったので私の喜びはこれにまさるものはなかった。


アキレスとカメ −パラドックスの考察− (吉永良正著)

総合評価:☆×3
お薦め度:中高校生向け
コメント:面白いが、もう少し突っ込んでほしかった



アキレスとカメの話はかなり良く知られたパラドックスであろう。 このパラドックスを題材にし、数学と哲学の両方面から数(実数)や時間といったことについて考察する一冊。 面白いのだけれども、もう少し詳しい内容を知りたい、もっと突っ込んで欲しいという感想が残った。 カラーのイラストと読みやすい大きさの文字が良いのだが、その反面専門的な内容に踏み込むにはページ数が足らなかったのだろう。おそらく対象は数学に興味がある中高生で、それならば、なかなかバランスの取れた本かもしれない。




akikame001

円電流の作る磁場(補足)

「円電流が作る磁場」の記事において、A(r)を計算する際に次のような積分が現われました。

∫dR j(R)/|R-r|=a j∫dφ (-sinφ, cosφ,0)/√[ a2+ r2- 2ax cosφ- 2ay sinφ]

ここでR= (cosφ, sinφ,0) は電流の流れに対する位置ベクトル、そしてrはベクトルポテンシャルの位置ベクトルです。また電流は、z=0の平面上、原点の周り半径 a=|R|の円上に流れているとします。 前回この積分は難しいので、ゲージポテンシャルの位置ベクトルrに対して半径aの円の中心を通る軸上に限定して計算を進めました。 

今回はベクトルポテンシャルの位置が円電流のサイズaに比べて遠くに離れているという仮定の下にもう少し全体的な磁場の様相を調べたいと思います。 つまり r >> a という近似をする事によってベクトルポテンシャルA(r)を求めようという試みです。

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事務的な対応

ブログの更新もままならない忙しい日々が続いています。

今週はお役所関係の方にお願い事をする事が多く、多少疲れ気味です。
どこの職場でもそうでしょうが、要領を得ない人がいるかと思えば、こちらの欲する事を短い時間で理解してテキパキと仕事をこなす人、様々なタイプがいます。 最も疲れたのは、お願い事をしても、返事が「はあ」とか、同じ台詞を何度も繰り返すだけの人。 こちらが質問をしているのに、なぜかまともな返事が返ってこない。私も同じ質問を表現を変えただけで繰り返すのは精神的に疲れるのである。

何度かお願い事をした次の日、再度電話連絡を入れると、なにか少しぶっきらぼうな声、

「はい、水野といいます。」

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コイルの作る磁場

私にとって非常に思い出深い問題、コイルの作る磁場について考えたいと思います。
これは高校物理で「円電流がその中心に作る磁場」の次に出てきたトピックスだったと記憶しています。 当時の私の前提知識として、円電流がその中心に作る磁場

B(円電流) = μI/[2 a]

という公式がありました。 

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円電流の作る磁場

円電流の作る磁場を計算してみる。例のごとくベクトルポテンシャルAは

A(r)=μ/(4Π)∫dR j(R)/|R-r|

である。 円電流がz=0のxy平面に置かれているとする。 
観測点: r1=x, r2=y,
電流の位置: R1=X, R2=Y, またr =√x2+y2+z2, R =√X2+Y2として

R= R (cosφ, sinφ, 0)
j(R) = j (-sinφ, cosφ, 0) δ(R-a)
dR=dR1dR2 = R dR dφ

∫dR j(R)/|R-r|= a j∫dφ (-sinφ, cosφ,0)/√[ a2+ r2- 2ax cosφ- 2ay sinφ]

となる。

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カシミール効果(第六回)

前回まで、二枚の板に働く力を求めるために、真空エネルギーを計算して、その距離依存性をみた。
意図的に触れずにきたが、なぜ2枚の板に挟まれた空間にだけ着目してきたのだろう。2枚の板の外側の空間にだってエネルギーが存在すると考えるべきではないだろうか? 板の存在によって、外側に存在する波もz=0,dにおいて節を持つべきである。 すると、板の外側の真空状態も、板が置かれる前とは異なる。その効果は?


また、「エネルギーは板が置かれる前の真空のエネルギーを基準にして測るべきだろう」という事を書いたが、この事に関して説明がなかった。 真空のエネルギーを基準にするのが自然だろうというのには頷けるが、腑に落ちない。 

こんな事を考えていると、夜も眠れない状態が続く。これはカシミール効果の副作用であろう。
体によくない。 次回まで多少時間が空くだろうから、じっくり考えるのも良いだろう。その際副作用には気をつけたほうが良い。

カシミール効果(第5回)

カシミア・エネルギーの記事です、だらだらと進んでますが、第5回目になりました。
ブログ上で見やすく書こうと思うと、一つ一つの記事がどうも短くなってしまうのです。


前回は真空に置かれた2枚の導板によって電磁場のモードが特定の値に制限されるということを説明した。導板の存在によって、z=0,dの位置で波は節を持つべしという境界条件が課されるのであった。 しかし一方で、導板も原子レベルで見ればスカスカの物体、あまり細かい波長に関してはこのような境界条件は存在しない。 つまり板の存在によって影響を受けるのは波長の長い波だけである。 波長の長いモードに関して、そのエネルギーへの寄与を計算すると、エネルギーを距離dの関数として

E(d) =  [hcd/(4π)] [ 1/a2 - π2/(12d2) + O(a2) ]

を得る。ここでaは大雑把に言って導板を構成するミクロな物質のサイズ。 波長がa程度以上のモードまでエネルギー和に入れたことになっているが、aをゼロに持っていく極限をとれば、全ての波長がエネルギーの和に入ってくるために発散する。 

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趣味   近所散策と物理